いい風…
親友を自死で亡くしてから
もう数年が経ちました
毎年お盆の時期になるとやはりあの頃のことを
思い出します
親友が自死したということを知って
すぐにご自宅に行き親友のお母さんにお会いしましたがその時のお姿は今も忘れることは出来ません
これほどの悲しみがほかにあるのかと…
そしてお母さんと共に
お墓参りに行きました
とても暑い日でした
蝉の鳴き声が響き渡る
灼熱の陽差しの下お墓の前でお母さんと二人並んで立ちどれだけの時間そうしていたことか…
ふと涼やかな風が吹き
お母さんのつぶやいた
『いい風…』という一言
私は今もそのつぶやいた一言を忘れられません
どれ程心の深いところから出てきた
御言葉なのでしょうか
私には生涯知ることのない境地なのだろうと
思います