国内NFTが盛り上がらない件
はじめに
まずタイトルの回収、
「現状価値がないから」
「全く市場基盤は形成されていないから」
「買ってる側/売ってる側のビジョンがないから」
以上です。
国内最大のNFTであるイケハヤ氏のCNPに関しても例外ではないです。
※まぁ最後まで読まれよ。
私は
・資産性ミリオンアーサー
・CNPtoys(Villains含む)
・トレサカ
・Tokyo Mongz Hills Club
・UNIVERSAL STALLION
etc
上記を所有(もしくは既に売却)しており、3か月程度しかNFTには手を出していません。
知ってはいたものの、NFTというコンテンツ自体にそこまでの魅力を感じなかったので。では続きます。
①現状"価値"がない
言葉の通りです。
多くのNFTアートに価値はなく、正しく付加価値を発生させることもできていないです。
「こういうことをやりたい」の段階で右往左往しており、企業で言えば「とりあえずアイデアありきで会社起こしてみたけど、次の事業展望がない」状態です。
「でも数百万~数千万単位のNFTも海外にあるじゃないか!」という人もいるかと思いますが、Crypto Punksなどのお化けNFTは最古だからといった理由付けが成立した"例外"であり、宣伝役を買って出た有名人と同じコミュニティに参加できる付加価値があっただけです。
後発のNFTのほとんどには単体としての価値はゼロだと考えています。
ソシャゲのガチャに数万かけた話に
「あんたまた電子の海に何万も溶かして!」
「ちっげーよカーチャン!これは推しの限定衣装なんだよ!」
とか言ってるレベルの話で、NFT界隈という狭い世界の外から見ると、よくわかんないドット絵やキッショイ(個人の意見です)猿のイラストを「アートなんだよ!!」と言い張ってる宗教団体みたいな状態です。
徐々に「こういうプロジェクトを考えています(ゲームとか)」という"事業展望"を打ち出しつつNFTアートの販売を行うプロジェクトが増えては来ましたが、残念ながらNexus Dubaiのような荒唐無稽な詐欺や、とん挫しそうな迷走展望も少なくないです。
②市場形成がされていない
A.ユーザが噛み合わない
「NFTの売買はあるし、市場はあるんだ!!俺たちが市場だ!」と思った方。んなわけねえだろ。
子どものフリーマーケットを「市場だ!」とか言うんか。
現状NFT界隈は"投資"目線の客層がかなり多いですが、
はっきり言ってNFTという技術のバックグラウンドを理解していない、
デジタルに疎い層が割合として多い印象です。
「OpenSea(NFTマーケットの一つ)で転送をしてね!」
この一言で大パニックです。
「ステーキングサイトでステーキング登録してね!」
この一言でさらにパニック。
従来の投資と比べて「デジタル技術」が大きく関わっている結果、
多くのユーザが直面している「デジタル疎い問題」「セキュリティよくわからない問題」が頻発していると認識しています。
専属の情シスはいないので、ユーザ間で日々サポートセンターが開かれている始末。
ぶっちゃけ利用が想定される市場層と現状のユーザ層が噛み合っていないのが現状です。
TwitterがAPI制限をかけた際、ある事ない事流布していた某コミュニティのみなさ~~ん、あなたたちのことです。
デジタルデトックスじゃねえよバカ。
B.正直市場じゃない
最初に一言。
「ホールド(保有)してれば価値が上がる」
「スイープ(安価層の運営やユーザによる買取)しました」
これらをやってる間は、市場とは言えません。
というか後者は明確な価格操作ですよね???運営がやったらまずくない?
某氏の「ガチホ理論」「絆保有論」はクソ以下だと考えています。
それは正式な市場ではなく、子どものやってるフリマに来て保護者が財布を開いてくれるみたいな"内部循環"の領域を出ておらず、市場というより小中学生の「キンケシ交換」レベルの段階だろというのが見立てです。
親の金をぐるぐる回してんのか貴様らは。
ただ保有して流通量を絞れば価値が上がるのではなく、保有してるものに需要が発生してるのに流通が少ないから、買う側の購入許容価格レンジが上がるだけです。
経済学と市場理論の本を読みましょう。
保有するだけの価値や展望を提示してから言え。
スイープに関してはさらにネガティブです。
それ市場価格の操作な上に、新規ユーザは増えないし内部循環率が増えてるだけじゃ・・・?
てかむしろ新規ユーザ参入のチャンスなのに閉じてどうする・・・?
閉鎖空間で脚抜けだけが発生し、ユーザが煮詰まっていく。
正にカルト宗教みたいな状況ですね。
開かれた市場とはいえず、根本的に誤った認識で行われている行為だと思います。
これから買うNFTとしてはマイナス材料としたい行為です。
私なら買いませんね。
市場は伸びる!と書いてる記事もあれば、ネズミ講やポンジスキームを否定する記事も多いですが、多くのNFTプロジェクトは「言われて仕方がない」ものばかりですし、市場として伸びると言い切れる要素は少ないです。
③買ってる側/売ってる側のビジョンがない
もうほとんど言い切ってるんですけど。
知識もねえ、市場とも言えねえ、供給側も右往左往。「NFTアートをどう扱い、どう価値を創造するか?」が根本的に欠けてる。
NFTは今後どこへいくのか、どうなるのか。
じゃあどういうものに投資価値を見出すのか。
そういった発想が根本的に欠落しているコミュニティが多く、
売る側は「何とかなるから買ってくれへん~~?」
買う側は考えなしに買って「フロア上がらないかな~?」
一生ポンジ・スキームやって遊んでるつもりか?
WEB3という非代替性の技術に関しては活用の幅があると思います。
例えばセキュリティであったりといった業界においては、使い道を模索している最中です。
ただ、NFTという使い方自体に価値創造が出来ているかと言われると、はっきり言って"現状微妙"です。
結論
①売る側は事業計画を立てろ
簡単な話。
売ってからゲーム作ります、売ってからグッズ作ります。
こんなんで成功するわけねえだろ。
ゲーム作ったこともない集団が「ゲーム作ります!」で作れるものなんざ、たかが知れてます。ゲーム企業が参入するのとはわけが違う。
しっかりとしたホワイトペーパー(事業計画)を書いて、それが自分たちにとってノウハウがあるのか、リスクがどの程度あるのか、どの程度業界のなかで継続できる見込みがあるのかを出資者に提示する必要がある。
無計画にアートを売り払ってから、やっぱり出来ませんでした。作ったけどゴミでした。というのは詐欺以外の何物でもない。
②買う側は学べ
そもそも私がNFTに手を出したのは、今後市場拡大した場合に本業のビジネスに関わってきそうだから。
ある程度Web3技術に関しては知識があったから。
横文字無理です、英語無理です、スマホ分かりません。
そういった方はまず"学習"しましょう。
残念ながらNFTの基盤は「IT技術」です。
デジタルも横文字も英語も必須です。
特に残念ながらスキャムやハッキングに引っかかる事例の大半が、
PCなどのセキュリティから考えれば"やってはいけない事"をやっている状況ですし、しっかり自衛をしていくことを考えても最低限のIT知識をもってほしいです。
ITセキュリティの基礎ですが、「あなたの資産を守るのはあなた自身」というのを肝に銘じてください。
また、その購入は投資としてなのか?コンテンツに参加するためなのか?という理由をはっきりさせましょう。
そのうえで、しっかりと提供側の素性やリスク、計画性をリサーチして「本当にその金額のお金を出しても問題ないか?」という点を自信の中で擦り合わせて下さい。
浮ついた気持ち、安易な投資話への参入、見通しの甘い投資は全てリスクです。
常に「そのプロジェクトに展望はあるのか」「そのアートに価値はあるのか」「資金力に対して金額は妥当か」を考え、常に学びの姿勢を忘れずに行きましょう。
騙されるのは簡単です。損をするのも簡単です。
だからこそ、学んで防御をしましょう。
③今後の市場展望
ここまでズタボロに言いつつも、NFT自体に対してはそこそこの希望はあると認識している。
正確にはNFTをどう活用するかで、活路は見いだせるのでは?ということ。
じゃあ具体的に何なのさ。
恐らく「配当や投資を掛け合わせた新しいクラウドファンディング」としての使い方が噛み合うと思う。
幸いというか不幸にもというか、スタートアップやベンチャーに厳しい風向きに国内がなっているのもあり、「こういうものを作って売りたい」「こういうサービスをやりたい・・・けどお金がない」みたいなプロジェクトが増えているため、それらの資金調達に使えるのではないかという発想。
やり方は様々だと思う。
単体でクラウドファンディングのようにNFTを売るもよし、共同でのNFTによる出資集団形成を行いつつ、出資額を複数のプロジェクトの分配補助金として使うもよし。
使い方によってスタートアップやベンチャーの事業ハードルを軽減しつつ、より多くの消費者の目に止まるチャンスを見いだせるのではないか?というのが理想。
要は投資を行う人間と新興プロジェクトとの橋渡しとしての役割を担えると考えている。
ただアートを売る状況から、アートとしての側面を持った「投資物」「投機物」としての昇華を行うことで、NFT自体がポンジ・スキームや嵌め込み、カルト宗教という実情から脱却し、新たな株式、証券のような括りの商品になりうるのではないか?と考えている。
今の売ったっきり、展望も考えも後追いのような杜撰なやり方ではなく、一つの商品として形を整えていけばNFTというモノ自体は良くなると思う。
また今の仮想通貨の取っ付きにくさも課題だ。
LINE NFTのような簡便さを押し出した取引所、ウォレットは少ない。
ユーザの参入障壁に仮想通貨の種類の多さ、分かりにくさは大きい。
BCGゲームへの参入は増えたものの、BCGとしての側面を強く押し出しすぎているため、ソーシャルゲームとしては下の下というケースが少なくない。
※ちゃんとゲームとしてデザインしてから、BCGという仕組みを組み込む形にしないから、ゲームサイクルが滅茶苦茶なままリリースしてるのだろうと予想はつくが。
どうしたらユーザを取り込めるか?どうしたら参入してくれるか?というのは、業界全体の課題であり、個々が解決すべき問題だと思う。
これらの課題を一つ一つ潰した先に、NFT市場の発展はあると考えている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?