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居残り授業

「先生、ありがとうございました!」

「おぅ!気をつけて帰れよ。」

「うん!先生もね!」

マサキの返答にふっと笑いながら「おう!」と答えた先生を残して、マサキは教室を飛び出した。

今日は少しだけ居残りをした日だった。

最後の授業が算数のとき、マサキはよく居残りをする。
強制ではない。
先生が時々してくれる普段の勉強とは違う算数や数の話が好きだった。

昔の算術の話や何百年も解明されていない証明の話、、、

難しくて意味がわからないことも少なくない。
というか、大抵は全部を理解することはできない。

それでも、ただ計算をして、文章題を説いて、、、
というだけの算数よりもずっと面白かった。

*

「お疲れ様!」

塾の校舎を出たところでお母さんが待ってくれていた。

「お待たせ〜」

元気そうなマサキの様子を見ただけで、居残り授業があったことがわかる。

「今日はどんな話を聞いたの?」

「今日はね〜…」

居残り授業のあった日は家までの道、ずっと話していられる。
それをお母さんは楽しそうに聞いてくれる。

そんな時間も好きだった。

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