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羽根が繋いでくれた絆 3

美月:○○〜!
体育館行くよー!


○○:了解


入学式も終わり今日は特にやることもないということであっという間に放課後になった


岩本:置いてかないでよ


美月:あ、ごめんごめん


岩本:まったく


○○:バドミントン部見に行くんだよね?


美月:そうだよ!
あとは○○くんが拾った落し物を届けにね


岩本:それにしてもそのバッジ近くで見るの初めてだなぁ


○○:このバッジって結局なんなの?


美月:ちょうどいいから体育館に着くまでこの高校のバドミントン部とそのバッジの説明してあげようか


岩本:そうだね


美月:まず乃木坂第1高校通称乃木1のバドミントン部は全国でベスト4に入る実力を持ってるの


○○:へぇ〜


岩本:そして、監督は橋本奈々未、コーチは深川麻衣


○○:ピクッ


美月:深川さんはずっと乃木1でコーチやってたんだけど、橋本さんは最近乃木1に来たって聞いた気がする


岩本:元々小学生とかの子供たち教えてたんじゃなかった?
教わってた小学生も全国で上位に入る子達が多かったって聞いた気がする


美月:確かそんな感じだったと思う
でも、深川さんに誘われて今年から乃木1の監督になったらしいよ


岩本:そして、そのバッジの説明だけど、それはバドミントン部のさらにランキングが上位のメンバーしか持つことが出来ないバッジなの


美月:この高校のバドミントン部は授業は二の次、大会で結果を残すことだけにかけてるの
だから全国色んなところに行くし、この高校の上位メンバーともなれば海外での大会にも出場することになる
だから、バドミントン部員はそのバッジを奪ることを目指して常に練習してるのよ


○○:なるほどねぇ


岩本:ついでに、私たちの学年でもひとりバドミントン部推薦者がいて、その子はもうバッジ持ってるみたいよ


美月:うそ!
それは初耳だわ
名前知ってたりしない?


岩本:んーとねぇ
確か、小川彩ちゃん?たったかな


○○:え!?彩!?


美月:ん?知り合い?


○○:昔同じクラブにいたんだよ
中学は別の所に行ったんだけど、


岩本:すごいこと知り合いなんだね
あっちは○○くんのこと覚えてるかな?


○○:どうだろう
辞めてからは繋がりもなかったから覚えてないかもしれない


美月:さ、そんな話してるうちに体育館に着いたし、○○君が朝見たであろう人を探そうか


??:あら?そこにいる3人は?


美月:初めまして
ちょっとバドミントン部の練習が気になって来ました


??:あら、そうなのね
私は橋本奈々未
バドミントン部の監督をやってるわ
バドミントンに興味あるならいつでも待ってるわよ


美月:ありがとうございます


橋本:あなたたちの名前は?


美月:はい、山下美月です
この子が岩本蓮加で、こっちの大きいのは齋藤○○です


岩本:岩本蓮加です
初めまして


○○:齋藤○○です…


橋本:ん?○○?
○○だよね?


○○:はい、お久しぶりです


美月:?おふたりはお知り合いなんですか?


橋本:えぇ、私は元々小学生教えてたんだけどね、○○はその時の教え子なのよ


○○:懐かしいですね笑


橋本:やっぱり、バドミントンは続けてなかったのね


○○:えぇ、どうしても体が思うように動いてくれなくて


橋本:怪我は治ってるのよね?


○○:はい、恐らく精神的なものだろうって、お医者さんからも言われています


橋本:そっか…
無理はしないでね?
でも、もしバドミントンがやりたくなったらいつでもおいで、○○なら歓迎だし、直ぐに上位にも食い込めると思うよ


○○:ありがとうございます笑
もし機会があったらよろしくお願いします


橋本:待ってるわ


岩本:えぇとぉ…


橋本:あ、ごめんごめん
見学なら2階で見ててくれていいわ
もうすぐ練習も始まるから


岩本:ありがとうございます
○○くんいこ?


○○:あぁ、それじゃ、橋本さん、また


橋本:じゃあね




美月:○○くんは橋本さんの教え子だったんだね


○○:あぁ、さっき名前聞いた時にもしかしてと思ったけど本人だったとはね笑


蓮加:でも、どうして○○くんはバドミントン辞めちゃったの?
怪我?


○○:…まぁ、色々とあったんだよ笑


蓮加:ふぅん


美月:(何か隠してる…)


蓮加:とりあえずバッジ落とした人探そ?


○○:そうだな


そんな話をしているうちに下では練習が始まっていた
美月が言うからに部員はとてつもなく多いのかと思っていたが数えてみると男女それぞれ10人いるかいないかだった
しかし、誰を見てもバドミントンが上手いとわかるフォームとフットワークだった


○○:すげぇ…


美月:やったこともないのに上手なのがわかる


岩本:蓮加だったら絶対に空振りしてるよ


○○:あ、あいつ


美月:ん?わかった?


○○:うん、
朝見た時身長小さい人だなって思ったから多分あの人だわ


蓮加:どの人ー?


○○:あの、今スマッシュ打ってる人


美月:あ〜、与田先輩だ


○○:与田先輩?


美月:うん、与田祐希先輩
確か2年生の時からエースで今年は最後の年でインターハイ連覇がかかってるとか
それと、バドミントン部主将


蓮加:あと、結構おっちょこちょいらしい


○○:バッジ落とすくらいだからそうなんだろうな


美月:休憩になってから渡しに行こっか


○○:そうだな


そこから3人はバドミントン部の練習を見ながら私にはできないとかあのプレーはどうとか感想を素人ながらに語っていた


○○:いいなぁ…ボソッ


蓮加:?何か言った?


○○:いや、何も?


少し羨ましく見ていた○○だった


与田:20分間休憩ー!


部員:はい!


美月:休憩だって、そろそろ行こっか


○○:あぁ、そうだな


3人は下に降りていき与田に話しかける


○○:すいません


与田:ん?どした?


○○:朝、このバッジ落としませんでしたか?


与田:え!?
待って、確認してくる


そういうと与田は自分のラケットバックを漁る


○○:(気づいてなかったんかい!)


心の中で突っ込む○○


与田:ほんとだ!
私のだ!
拾ってくれてありがとう


橋本:与田またなにか落としたの?


与田:ゲッ監督…


橋本:あれ○○たちじゃん
見学終わり?


○○:まぁ、見学と言うよりかは人探しに来ていたので


橋本:?与田のこと探してたの?


美月:今朝、○○君が、バッ…
ムグッ!?


与田:ちょっと黙っててね?


橋本:ちょっと与田!
急に後輩いじめて何やってるの!


与田:いや、ちょっと…


橋本:とりあえずその手放しなさい?


与田:いやぁ…


橋本:与田?


与田:はい…


とんでもない覇気を出す橋本に対して与田以外の3人は思わず


3人:(こわぁー)


軽くチビりそうになっていた


橋本:それで?
山下さん?だっけ?話の続きをどうぞ?


美月:あ、はい
○○が今朝与田さんの落し物を拾ったみたいでそれが最初与田さんとは分からなかったもののバドミントン部の方ってのは分かってたので見学ついでに人探しをと


橋本:そういうことだったのね
与田は何をそんなに焦ってたの?


与田:いやぁ…あはは


○○:バッジ拾ったんですよ


与田:ちょっ!君!


橋本:ほぉ?


○○:それで山下さんと岩本さんに聞いたらこれはバドミントン部のランキング上位しか持ってないものだって言うからバドミントン部って分かってここに来たんです


橋本:で、与田って言うことがわかったから与田に渡そうと思っておりてきたのね


○○:はい


橋本:なるほどね
拾ってくれてありがとう
それと、与田は少しお話しようか


与田:ヒッ


橋本:みんなちょっと休憩延長してて?
体は冷えきらないように調整するのよ?


そういうと橋本は与田の首を掴んで監督室の入っていった


岩本:確実に殺されるよね


美月:多分ね


○○:なんか…悪いことしたな…


3人は与田の後ろ姿を見送りながらちょっと後悔をしていた
すると


??:あれ?○○くん?


3人:え?


??:やっぱり○○くんだ


○○:あ、彩!
久しぶり


彩:久しぶりじゃないよ!
何も言わないで急にバドミントン辞めるなんて!


○○:それは…


彩:まぁ、あのことは私もあとから聞いたし、私だってやめたくなるかもしれないけど、連絡のひとつはして欲しかった


○○:ごめん…


彩:でも、どうしてここにいるの?
バドミントンやる気になった?


○○:いや、与田先輩の落し物拾ったんだよ


彩:与田先輩の?またあの人なにか落としたんだ


○○:届けに来たついでに少し見学してたの


彩:なるほどね
じゃ、私と少し打たない?


○○:え!?


彩:?もう動けるんでしょ?


○○:動けるけど…


彩:じゃあ、大丈夫だよね
ちょっとまってて、深川さんに許可とってくるから


そういうと彩はあっという間に深川の所へ許可を取りに行ってしまった


美月:大丈夫なの?


○○:いや、わかんない


美月:無理ならちゃんと断った方がいいよ


○○:そうなんだけど、でも、大丈夫な気がするんだよね


美月:それならばいいけど…


彩:○○〜!
いいってー!


○○:じゃあ、行ってくる


彩:○○ジャージ持ってる?


○○:持ってるわけないでしょ
今日入学式だったのにジャージ使う予定もなかったのに


彩:じゃあ、部活の貸してあげるよ


○○:そんなのもあるんかい


彩:もちろん


○○:じゃあ、貸してもらおうかな


彩:オッケー


○○:(どんどん話が進んでく…)


彩:はい!
これ服ね!あと、シューズも借りてきた


○○:用意がいいようで


彩:あそこの更衣室使っていいから
着替え終わったら戻ってきてね


○○:はいよ


そう言ってシューズとジャージを持って更衣室に向かっていった


橋本:あれ?
なにしてるの?


そこへ与田への説教が終わった橋本が戻ってきた


彩:深川コーチの許可を貰って○○くんと少し打とうとしてました


橋本:え?○○くん打てるの?


彩:いいよって言ってくれましたよ?


橋本:そう…
(○○くん…大丈夫なのかな)


そんな話をしていると着替えを終わらせた○○が戻ってきた


○○:サイズが少し大きいけど、まぁいいか


彩:どう?久しぶりに来た感じは?


○○:悪くないね


彩:じゃあ、少し打ってそこからゲームね?


○○:は?


彩:大丈夫
許可は貰ってるから


○○:そういう事じゃないけど…
まぁいいか


彩:よし、じゃあ、最初ドライブからね


そういい彩は打ち出した


○○:うわっ!


彩:○○くん何からぶってるの〜


○○:こっちは小学生以来だぞ
そんな簡単に面に当たるかよ


彩:えぇ


○○:まぁ、すぐに戻ると思うよ


彩:よしもう一本いくよー


そう言って打ち出してきた羽根を今度はちゃんと面に当て打ち返す


○○:お、やっと当たった


彩:あんまり訛ってなさそうに見えるけど


○○:そんなことないよ
ちゃんと全部当たってないもん


彩:(そんなこと言っといて私より精度いいんだけど)


○○:次プッシュね


彩:オッケー


そういい基礎打ちを軽く済ませていき


○○:ふぅー
いい汗もかいてきたし、そろそろ試合やろうか


彩:私よりやる気になってるじゃん


○○:久々だからな
手加減はしてくれよ?


彩:どうかな?


基礎打ちが終わる頃には他の部員も○○と彩の試合が気になって注目していた
何人かは当時の○○のことを知っており、全国でも名を挙げていた○○がもしかしたら部活に参加してくれるのではないかと思っていた


○○:15点の1ゲーム打ち切りな


彩:負けて泣かないようにね?


○○:そんなこと間違っても起きるわけないぞ


橋本:審判は私がやらせてもらうわ


彩,○○:よろしくお願いします


橋本:○○はしんどくなったら言ってね


○○:わかりました


橋本:それじゃ、
ファーストゲームラブオールプレイ


彩、○○:お願いします


彩:先手必勝!


彩は小柄ながらフットワークが早く気づいた時には穴が無くなってしまっている


彩:そろそろ私に攻めてこないと負けるよ?


現在8-5で彩が3点リード


○○:ハァハァきっつ!


山下:○○くんて久しぶりのバドミントンなんだよね?


岩本:そうは言ってたけど、もう、私たちにはできない動きだよね


山下:○○くんてすごいんだね


岩本:ね


橋本:○○くん!


山下、岩本:!?


○○:ウワァーーー!


橋本:○○くん!?○○くん!?


彩:○○くん!大丈夫!?


○○:ハァハァ…
大丈夫です…
でも、試合は終わりで…ハァハァ


彩:もちろんだよ


橋本:今はゆっくり休んで


○○:すいません
着替えてきます


彩:奈々未さんすいません
私が無理にお願いしたばっかりに


橋本:ううん
私が止めなかったのが悪いんだから
彩は気にしちゃダメよ


彩:はい


橋本:私は○○くんを家まで送るからまいまいは練習見ててあげて、多分与田もそろそろ戻って来ると思うから


深川:わかったわ


橋本:それで?
そこのおふたりはどうする?


美月:私も○○と一緒に帰ります


岩本:私も
それに、○○の過去に何があったのか気になります


橋本:そう…
じゃあ、一緒に送ってって上げる


美月、岩本:ありがとうございます


○○:着替え終わりました


橋本:私が送ってくから私の車に乗って?
あと、そこのお嬢さん方もね


○○:わかりました…


〜to be continue

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