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ストーカーにしてください

??:あなたのストーカーにしてください


○○:は?


田村○○、19年間生きてきて初めての言葉を聞きました


??:ですから、あなたのストーカーにしてください


○○:あ、ごめんなさい
聞こえなくて聞き返したんじゃなくて
何言ってんだって意味で聞き直したんです


??:ずっと好きだったんです
けど、お互いのこと何も分からないのに告白するのも失礼なので、私があなたのストーカーになって、あなたの事を知ろうと考えたんです


○○:あ、なるほど、ご丁寧に説明どうも…
ってなるわけないですよね?
まずあなたは誰なんですか?


??:あ、自己紹介がまだでしたね
私櫻坂学院に通ってる山﨑天です
今年1年生です


○○:あ、自己紹介ありがとうございます
って、別にそういう自己紹介求めてないですから


天:あなたが私のことを分からないって言ったんじゃないですか


○○:いやまぁ、そうですけど


天:それで!ストーカーにしてくれませんか!?


○○:いやいや、初めて会った人にストーカーにしてくれって言われて
はい分かりました、って簡単に返すわけないですよね


天:確かに…


○○:(ストーカーにしてくれって言う割には話はちゃんと聞いてくれるんだな)



天:わかりました
じゃあ、○○さんが認めてくれるまで私あなたの元に通い続けます!


○○:はい?


天:じゃあ、そういうことなのでまた明日来ます
それではさようなら


そう言って天は○○の前から颯爽と消えていった


○○:…変な子に絡まれた
ほんとに明日も来んのか?


○○は明日も来るのだとしたら絶対めんどくさい事になると考え、どうにかして会わない方法を考えるのであった


~~次の日~~

天:おはようございます


○○:まさか、朝から来るとは思わなかった…


前日宣言していたように○○の前に現れた天
しかし、前日と違うのは朝から現れたということだ


天:さ、私にストーカーさせてください!


○○:いや、学校は?


天:そこは安心してください
同じ大学です


○○:え!?
そうなの!?


天:昨日自己紹介したじゃないですか


○○:それ以上にでかい衝撃があったから色々飛んでんだよ


天:まぁ、許しましょう
天ちゃんは優しいので!
ってあれ??
○○さん!?
どこいった!?


○○:あいつの話に付き合ってたら授業遅刻しちゃうわ


天:まぁいいや
学部も学科も知ってるから

~~大学 第1講義室~~

○○:何とか間に合った


俊樹:珍しいな
お前がギリギリだなんて


○○:変な人に絡まれて


俊樹:お前顔はいいからな


○○:顔はってなんだよ
全部いいだろ


俊樹:はいはい、それで、どんな人に絡まれたんだよ


○○:おれのストーカーになりたいんだって


俊樹:はい?


○○:俺と同じ反応してる笑


俊樹:いや、なるだろ
彼女にしてくれとかなら分かるけど、ストーカー?


○○:そう、変なやつだよな


俊樹:まぁな…
名前とか知らないのか?


○○:えぇっと…
確か…
何とか天って言ってた気がする


俊樹:何とか天…
んー、山﨑天さんなら聞いたことあるけど、そんなことするような子じゃ無さそうだしな


○○:あ、それだ
山﨑天だ


俊樹:は!?!?


○○:なんだよ
急に大きい声出して


俊樹:そりゃなるだろ
山﨑天って言ったら俺らの学年のマドンナだぞ


○○:え?
そんな子いたっけ?


俊樹:確かにお前
そういうの興味無いってタイプだからわからんかもしれないけど森田ひかる、藤吉夏鈴、山﨑天って言ったら俺らの代のマドンナだぞ
俺らの代どころか大学のマドンナとも言えるレベルだわ


○○:へぇ〜
…え?
てことは、おれはマドンナさんにストーカーさせろって告白されたの?


俊樹:そういうことだよ


○○:…うーん


俊樹:何渋ってんだよ
俺だったら喜んで受け入れるわ


○○:俊樹らしいわ笑


~~授業終わり~~

俊樹:じゃあ、俺バイトだから


○○:うん、じゃあね


天:じゃあ、一緒にかえろ


○○:!?


天:お疲れ!


○○:な、なんでいるんですか


天:なんでって、私も同じ授業受けてるからだよ
同じ学科で同じ学年なんだもん
おかしくないでしょ


○○:あ〜
確かに


天:どう?
マドンナと同じ授業受けれる気分は?笑


○○:話聞いてたんですか?


天:席近かったから聞こえてきただけだよ


○○:まぁ、マドンナっていうのにはビックリしましたよ
けど、マドンナなんだから、ストーカーしていいって話にはならないですよ
1歩間違えば犯罪ですからね


天:だから許可とってるんじゃん
本人から許可取れれば私も犯罪者にならなくて済むし


○○:なるほど…ってなると思いましたか?


天:無理だったか


○○:とりあえず僕は許可しませんから
それでは


天:また明日ね〜


○○:はぁ…





○○:ただいまー


??:おかえり〜


○○:あれ?
保乃ねぇ帰ってたんだ


保乃:今日臨時休校になったんよ


○○:なるほどね


保乃:もうすこしご飯できるのに時間かかるから先にお風呂入ってきな


○○:分かった


~~お風呂~~

○○:はぁ〜
生き返る〜

(それにしても、マドンナからストーカーさせろって言われるとはな…
てか、姉ちゃんも、マドンナって呼ばれてたことあるって言ってた気がする…
姉ちゃんに聞いたらなにか分かったりするかな)



○○:上がったよォ


保乃:お、タイミングバッチリだ
ご飯できたよ


○○:ありがとう


保乃:さっさと食べよ


○○:うん
いただきます


保乃:召し上がれ


○○:そういえば保乃ねぇってさ、大学の時マドンナって呼ばれてたよね?


保乃:あー、懐かしい


○○:今のマドンナの子とも繋がりあったりする?


保乃:あるよ
るんちゃんに夏鈴ちゃんに天ちゃんでしょ?


○○:るんちゃん?


保乃:森田ひかるのこと


○○:あだなみたいなものか


保乃:てか、急にどした?
○○がマドンナのこと聞いてくるなんて珍しいな


○○:実はね?
かくかくしかじかで



保乃:ほぇー
天ちゃんがねぇ


○○:俺からしたら恐怖なんだけど


保乃:そらそうなるな笑
けど、許可しなかったらストーカーされないんでしょ?
しなきゃいいやん


○○:そらそうだけど


保乃:なに?


○○:許可してなくても俺の事ストーカーしてる気がするんだよね


保乃:なんだそれ笑
許可とる必要ないじゃん笑


○○:おれ自己紹介してないのに俺の事知ってることが多いし、


保乃:ふぅーん


○○:まぁ、ちゃんと話してみる


保乃:その方がいいよ


○○:うん
ご馳走様


保乃:お粗末さま



○○:(姉ちゃん少し噛んでる気がする)


~~次の日~~

○○:いってきまーす


ガチャ


天:おはよう!


○○:おはよう


天:今日は驚かないんだね


○○:いるとおもってたんで
それより山﨑さん
少しお話しましょう


天:…わかった!


~~喫茶店~~

店に入るとカウンターに一人の女性がいるだけで、他にお客さんはいなかった


○○:ブラック1つと


天:カフェオレ1つ


店員:かしこまりました


天:それで、話って?


○○:…田村保乃


天:!?


○○:友達ですよね?


天:いや、知らないよ?


○○:バレバレですよ笑
本人があなたを知ってると自供したので


天:…そっか
弟だもんね


○○:あなたは僕が話してないようなことまで知ってました
僕の友達に聞いても知らないようなことまで


天:…そっか
そうだよね


○○:そうなると知ってるのは僕の近親者
今僕が住んでる家は姉ちゃんと僕だけ
そして、あなたは僕の姉と知り合い


天:そうだよ
保乃さんからも色々聞いてあなたの事をストーカーしてた


○○:なんで、僕のことなんか…


天:好きだから


○○:へ?


天:好きなの
○○くんが


○○:でも、僕たちに関わりなんてなかったですよね


天:○○くんはおぼえてないかもしれないんだけどね
実は1度だけ会ってるんだよ?


○○:え?


天:入学式の日
○○くん新入生代表で挨拶してたでしょ?


○○:あぁ、そういえば


天:一目惚れしたんだよね
あなたの声、表情、あなたの行動にとても目を引かれた
そしたら田村保乃さんの弟だったことがわかった


○○:…


天:私もマドンナになろうと頑張った
うちの大学はマドンナの縦の繋がりが強いから必ず保乃さんに繋がれるから
結果私はマドンナになれたおかげで保乃さんと繋がることが出来た


○○:ということは…


天:ストーカーしたらって提案してきたの
保乃さんなの


○○:そういうことか


天:私はその時ほんとにいいものかと考えたけど、お姉さんから許可を貰えれば大丈夫って思ってあなたの事を調べ始めた
まぁほとんどが保乃さんからも聞いたことなんだけどね


○○:そんな事しなくても、普通に話しかけてくれれば答えましたよ


天:怖かったの


○○:…


天:人を好きになるなんて初めてだったから
昔から色んな人に告白されてきたけど、こっちが好きになることは無かった
○○くんが初めてだったの


○○:だからって、ストーカーしていいことにはなりませんよ


天:わかってる
けど、どうしても無理だった
嫌われたらどうしよう、引かれたら嫌だなって思って


○○:それで保乃ねぇと繋がって、ストーカーを提案されたのか


天:うん
でもそのうち、バレたら嫌われるかなって心配になって、告白したの
ストーカーさせてくれって


○○:そっちの方が軽く引く告白でしたけどね


天:でも、もう辞める
保乃さんのことは怒らないで?
私がお願いして考えてくれた結果なんだから
保乃さんは悪くないから


○○:僕の話も聞いてもらっていいですか?


天:?


○○:僕はあなたのことをずっと知ってたんです


天:え?


○○:天さんって、出身大阪の欅中ですよねですよね?


天:そうだけど…なんで知ってるの?


○○:僕も欅中だからです


天:!?


○○:あなたがソフトボール部で活動しているのをたまたま見た事があったんです
すごくかっこよかった


天:恥ずかしい…


○○:気づいたら大会もたまに見に行ったり、放課後勉強の休憩がてら練習を見てたりしてました
告白も考えたことがあります


天:…


○○:でも、告白する前に僕は東京に引越さなければ行けなくなってしまい、出来ずじまいでした


天:知らなかった…


○○:大学に入って入学式で壇上から降りる時あなたを見つけてすごく嬉しかった
どうにか話しかけるきっかけはないかと探しました
そんな時、あなたからストーカーにさせてくれと告白されました


天:…


○○:ビックリしましたけど、本当は嬉しかったんです
ストーカーなんかしなくても僕のことならいくらでも教えてあるって思いました
けど、僕は勇気が出なくて何も言えず拒否してしまいました


天:私も…
無理なお願いしてる自覚はあったから…


○○:天さん、
ストーカーはやめてください
代わりといってはなんなんですが
僕の彼女になってくれませんか?


天:!?
…お願いします!


○○:良かった…


天:ストーカーしなくても付き合えたのかな?


○○:黙ってストーカー続けてたら逆に付き合えてなかったです


天:ある意味私の告白が成功したんだね


○○:はい
…あ、ひとつ忘れてた


天:??


○○:保乃ねぇ!


天:ちょっと!
ここに保乃さんいないって!


○○:そこのカウンターに座ってる保乃ねぇ!
最初からバレてるわ!


保乃:なんでバレたん


天:え!?
保乃さん!?


保乃:お、天ちゃん!
久々だね
元気だった?


○○:今そんなことはいいから!
だって天さんにストーカーなんて勧めたんだよ


保乃:だって、○○と天ちゃんが付き合ったら○○私に構ってくれなくなるやん!


○○.天:はい?


保乃:うちだって○○のこと大好きなのに、○○に彼女できたら私耐えられなくなる!


天:もしかして、保乃さんて、ブラコン?


○○:いや、僕も知らなかった…


保乃:お互いに好きなのは知ってたし、付き合うまで秒読みだったから、付き合わせないためには天ちゃんに悪者になってもらうしかなかったんだもん!


天:えぇ


○○:ひどっ


保乃:天ちゃん!
○○と付き合ってもいいけど、○○のいちばんはうちだからな!
それだけは何があっても譲らないから!


天:いやいや!
○○くんのいちばんは私ですから!


○○:俺のいちばんは天ちゃんだよ


保乃:なっ!?


天:///


保乃:ストーカーなんてさせなければよかったァ!


〜fin

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