2回目OD
期待と祝福、それと微かな罪悪感が体を包み込む。ODで15tを口に流し込み、素早く耳にイヤホンをねじこむ。こんな現実とはとっととおさらばだ。
誰しもそう思う訳では無いが、私にとって他人に自分がどんな人間かを表現することは恐怖だ。が、迂闊だと気づいた時にはもう遅かった。
ただ、それを相手は受け入れた、少なくとも表面的にはそうだ。
でも自分自身がその行動を受け入れなかった。被害妄想で心臓は恐怖を必死に打ち鳴らし、胸が抉られる感覚を覚える。
相手は自分を否定しなかった、頭でわかっていても心はそれを受け付けない。
私はそんな自分とめくるめくような被害妄想から逃げるため、ODという逃げ道を思いついた。
明日には予定があるが、そんなことは知らない。起きれなかったらその時考えよう。
「そうだ、一秒先がなければ明日なんてものは来ない。一秒先、私が存在していることが許されるためにも、ODも夜更かしも正しいんだ。」
自分の心のなかで唱え、15tのODを足早に済ませる。
最悪の思考でどこまでも蒸しかえった部屋から、できる限り自分を隔離するためにイヤホンをつける。
一時間半経っても効果があまり感じられなくて5t追加。
娯楽をたっぷり体に染み込ませ、時計に目をやって、夜も遅くなっていたから寝た。
結局効果なんてのは目に見えて現れなかった、少なすぎた。ただ別に寝れそうだからいいかなって、そんで寝た。強いて言うなら微ODくらいだろうか。
副作用も朝起きて、微かに頭に重い痛みが響いていたことくらいしか無かった。つまりほぼない。こんなの副作用かもわからないほど小さな不調だ。
次回やるならもう少し量を増やそう。
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