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ニンジャとかが好きな軟骨魚類(煮付けにすると旨い)

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ニンジャとかが好きな軟骨魚類(煮付けにすると旨い)

マガジン

  • しびろい日々 綴じ帳

    挑み果てた者供を拾う日々の営み(あるいは、アラフォーを自覚した誕生日、なんか書きたくなって始めたやつ)1章・公開分の綴じ合わせ

最近の記事

逆噴射2024でスキを押した作品の振り返り(1)

供物の目/はいぐま=ひどま彩雲の獄/棺桶六5minutes before/TF【1DK】ワン・ドラマー・ケー/なしぶどー「それ」で滅んでもいいのなら/螺子巻ぐるり

    • 魂の換金率(レート)

       昔は悪魔との取引に魂を丸ごと担保に入れていたらしいが、最近の流行りは寿命と悪魔貨幣(アッカ)の交換で、今や地獄じゃ相場師が人気なんだとか。 「う~~~~~~~んっ……フォールで」  何故そんなネタが脳裏を掠めたかといえば、元手がだいぶ寂しいからだ。  血褐色のテーブルに手札を放る。これで三巡つづけて降参(フォール)、それも今回は中途半端にベット積んでコレだ。  円卓を囲んだ面子の手元でギラギラ光る金色のアッカ硬貨はハイレート専用で、一枚が一年くらいの寿命になる。腕を上げ合図

      • 逆噴射2024反省文

         今年もまあなんというか…その、ね!  みたいな言語化できてない反省や後悔を、ちゃんと言葉にしてみようというやつです。  特に今年は、来年に向けての個人的注意点の兆しを感じるので……。  ・投稿期間前半に2本投稿しておくべきだった  特に今年は力作揃いということもあり、毎日投稿作を読み込むごとに目から輝きが喪われていく感覚があり……いや面白い、すごく面白いんですよ! これが井戸の外の世界かー!!! となっちゃうだけで……。  自分の創作に対する評価を見誤ってた感もある。

        • 俺たちは、命をかけて映えている

           パキンと乾いた音が廃墟に響き、細い首が鋭角に折れる。  俺たちのヒロインはあっけなく事切れた。 「わら」「わらわら」「わら」「わら」  何体ものワラワラが、あの子の身体に群がる。  奴らは子供くらいの背丈を更に丸め、毛のない青灰色の皮膚をテラテラと光らせながら、汚らわしく黄ばんだ犬歯と捻くれた爪で柔肌を裂き、むしり取った新鮮な肉を、異様に膨らんだ腹の中に収めていく。  傍らで嗚咽がした。自動ライフルを抱えたタイセーが、顔面をぐちゃぐちゃにして地団太を踏んでいる。  蹴散らさ

        逆噴射2024でスキを押した作品の振り返り(1)

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        • しびろい日々 綴じ帳
          20本

        記事

          逆噴射プラクティス_2024_10_04

          はじめに 旨い話には  屋台の暖簾を割って、二人の男が顔を覗かせた。 「席あいてる?」 「おーうバリバリィー!」  しゃがれたダミ声の店主に促され丸椅子に腰を下ろす。カウンターは油でつやつやと光り、メニューの紙は染みだらけだ。  客の片割れが、チラリと隣を伺う。 「そんなコワ~イ顔しないでも。ありゃあ取材の一環で、そちらさんの新入社員に、ちょ~っとだけお話をね」  甲高い声で飄々と語る男の顔には深い皺が刻まれ、不精に伸ばした髪は総白髪。初老の趣を纏いつつも、爛々と輝く白目

          逆噴射プラクティス_2024_10_04

          逆噴射プラクティス 2024_10_02(その2)

          はじめに 『宇宙船ホープフリー号の顛末』  深淵の闇に目を凝らせば、そこに無数の星の輝く様が見えてくる。  我々の乗る宇宙巡行艦『ホープフリー号』は、この星々のたゆたう間にも、猛烈な速度で加速し続けている。  だが、“先駆者”によりもたらされた技術の粋を集めて建造された艦内において、その事実はどこか現実離れして感じられた。窓から伺う星の光が、地上のそれと相違なく見えるの、我々、乗員たちの心もまた、地上にある頃とさほど変わらぬ証左とも言えようか。  ……そしてまた今日も、ホ

          逆噴射プラクティス 2024_10_02(その2)

          逆噴射プラクティス_2024_10_02

          はじめに 『リア充炸裂ボタン』  男の目玉がギョロリと飛び出し、肉体が内側から炸裂した。  クリーム色の脳がシェイクされたものと鮮血の赤色が四方に噴き上がる。断裂した筋肉のブロックに皮膚の張り付いたものが歩道のタイルに跳ね散らばり、観音開きに弾けた胸骨から溢れ出た肺儂がその上を掠めてブラブラと揺れている。裂けた胃袋から溢れているペースト状の内容物には未消化の昼食の色が残り、背後に飛んだ頭の皮には撫で付けた金髪が未だ形を保ったままだ。つい数秒前まで清濁併せた期待に高鳴ってい

          逆噴射プラクティス_2024_10_02

          最期通告/最終追憶

           エレベータードアが開く。  田んぼで稲穂が揺れている。  胸に郷愁やめろ込み上げダメだ。  そう、ここはふるさと。 「うわぁ懐か」 「秒で呑まれんじゃねぇ!」  側頭部を殴打され視界が歪む。金属音の残響が響き、バズーカみたいな筒を振り上げたオッサンの髭顔ちがう黒光りする円筒ヘルメットが眼前にあった。  スモークミラーじみた偏光性質を備えた防護装備。俺の頭もそれで覆われている。 「いけるか? つっても出口消えてんなぁ」 「いけ……ます。オッサンより体力あるんで」  おう、と含

          最期通告/最終追憶

          扉を開けたらサヨウナラ

           見送りは玄関までと決めている。 「さよならぁ」  流し目も甘い声にも無反応。斜めにしか日の射さないマンションの廊下は暗く湿った土管のよう。客の背中が曲がり角に消えた。  男の本性は去り際に出る。甘ったれた子犬みたく「またね」とか囁くやつ、教師じみた真面目顔で五分前の痴態に辻褄を合わせたつもりのやつ、振り返りもしないやつ。  今のヤツは……味気ない。ベッドの上でも教本通りみたいな行為。思い返す姿も既に朧だ。  ドアを施錠。首筋に残る気色悪さが癇に障る。他人の臭いが染みた肌着を

          扉を開けたらサヨウナラ

          【ニンジャスレイヤーTRPG第二版リプレイ】ダイアリー・オブ・ニチョーム・スカウターズ(1)

          はじめに  この記事は、ニンジャスレイヤーTRPG第二版ルールブック(2023年10月末日に物理書籍発売! メデタイ!)を用いたソロセッションのログを整頓、成形し、リプレイ的なかたちにまとめる事で余暇成長のアリバイ造りを計ったものです  シナリオは古矢沢=サン謹製のランダムシナリオ『スカウト部門の日常』の派生オプション「ニチョーム自治会からの依頼」及び「アーチ級賞金首」を適用して行いました(幸か不幸か今回はアーチ級賞金首は登場せず)  『スカウト部門』の日常はミニマルにプ

          【ニンジャスレイヤーTRPG第二版リプレイ】ダイアリー・オブ・ニチョーム・スカウターズ(1)

          【ニンジャソン2023夏】ザイバツ・シャドーギルド【ニンジャ読書感想】

           まずはX-MEN2の話をせねばならない。  いや待っ、待ってくれ。長くはかからないので、お願い、ね?  さて。  冒頭である。大統領執務室に襲撃をかけるミュータント。彼は短距離転移を繰り返しSPを翻弄していく。煙幕めいた残り香を置いて。  彼の名はナイトクロウラー。迎撃の銃撃が与えた痛みにより洗脳から脱し、逃走した彼は、後にX-MENの面々と遭遇するのだが……彼の真実の姿は、繊細で気弱な青年であったのだ。  強大な能力を持てあます、武威とは無縁の存在。  そういうのが大好

          【ニンジャソン2023夏】ザイバツ・シャドーギルド【ニンジャ読書感想】

          しびろい日々(20)

           平鍋に放られた脂身のような塊は、熱を帯びると溶けはじめるが、本物の油のように爆ぜることはせず、白っぽい液状になって鍋底に広がっていく。  すっかりクリーム状になったそれを指で触れ、ほどほどの温度になったことを確かめる。指先にすくったそれを額に乗せ、薄く延ばした。両の頬、鼻先から全体、顎の下、耳とその裏側。肌の見える場所を漏らさぬよう、顔が終われば首、次は肩、と、順繰りに塗り広げる。  そうしている間に、額に僅かに酸性の痛みが生じた。合図である。  調理台の脇に重ね積んだ布切

          しびろい日々(20)

          しびろい日々(19)

           身ぐるみを剥いだ下から現れたモグリの素肌は異様に生白い。陽射しの代わり多湿な空気に曝され続けた肌は油脂が厚くまとわり付き、毛穴に溜まった垢の塊が黒点となり、肌模様のように点々と張り付いていた。  覗きを働くような物好きなど居ないとはいえ、吹き抜ける風の触感は、あまり居心地の良いものではない。衣装入れから古布の腰巻を取ってとりあえずの着衣とし、一拍置くように天井を仰いだ。無意識に後頭部を掻いた爪に、ぼろりとした汚れの塊の感触がある。手を戻し、粘土のように指に張り付いたそれを、

          しびろい日々(19)

          しびろい日々(18)

           鎧の留め具を外す。錆の混じる音と床に散った微粉を見て、モグリは難しい顔で口を結ぶ。やがて、思考を吹き捨てるように鼻で息を吐くと、昆虫の外甲を剥くように、部位ごとに分割された金属板を外していった。  すえた臭気が鼻につく。金属甲ではなく、モグリの身体の方からである。首周りからグラデーションを描くように変色した肌着に触れると、そこからボロリと砕ける。脱ぐというより破り捨てるような様でそれを始末し、居室の脇に口を開けた磁器甕に丸めて放り込んだ。  甕の奥には粘性のある液体があり、

          しびろい日々(18)

          しびろい日々(17)

           この集落の居住区は、移動式住居の連なりである。  木柱に布張りして建てられたそれらは、往時はひしめくようにあったものの、今は点々とまばらに残るのみである。  試練の挑戦者はもっと“上等”な宿場に居を構えており、ここに集うのは、放浪の職人、根無し草、あるいはモグリのような試練の場に職を定めた人々だ。  住居の入り口には戸の代わりの縄が打たれているものの、覗き込めば屋内の様子が伺えるような解放感である。盗人に門戸を開いているようなものだが、余所者同士が目を光らせる集落において“

          しびろい日々(17)

          しびろい日々(16)

           モグリは置いていた背負子の中を整え背負い直し、無意識に鎧胴の腹の辺りをさする。 「これから夕飯?」 「ああうん。まあ、いったん着替えて……『臭い』を落としとかないとね」 「別に気になんないんだけどねえ」 「ここに籠ってちゃあね。鼻が慣れてるんだよ」  モグリの返事には乾いた笑いが付いている。確かに、実質的な死体安置所であるこの施設の主となれば、死臭の類いに馴染みがあって当然ではある。「とにかく『岩屋』の肉が恋しくてね」 「あ、ガンクツさんとこ行く? ならちょうど良かったわ」

          しびろい日々(16)