見出し画像

大藪裁判第6回公判「被告人報告書」 

2023年1月25日
10年ぶりの寒波が押し寄せる中、大藪裁判第6回公判が開廷された。
今回は、現在まで行われてきた検察側からの証拠や証言について、被告人と弁護人が意見を述べる。
冒頭に橋本裁判官は、提出されていた被告人・大藪氏の「被告人報告書」が、検察が異議を申し立てたが退けられ、裁判官によって証拠としてみとめた。
今回は公判報告に先立ち、「被告人報告書」を公開する。


令和3年(わ)第296号大麻取締法違反事件
水上裁判官 殿
被告人報告書
令和3年10月11日 大藪龍二郎

私、大藪龍二郎は考古学的資料を参考に主に縄文時代の道具や焼成方法 など再現実験を行い、その中で得た実体験を自らの作品へ投影する手法で 国内外のギャラリーでの個展や企画展または国際的なコンペティション出 品などプロとしてアーティスト活動を行っている「やきもの作家」です。
はじめに私の略歴、次に私の作家活動の主題である縄文と大麻草と狼の 関係性について解説し、私がなぜ大麻草という植物に関心を持ち深く信奉 するに至ったかをご説明したいと思います。最後に私の作品と最近の展示 風景の一部を報告させて頂きます。
大藪 龍二郎 略歴
日本の“やきもの”の原点である縄文土器が焼かれた時代に使われていた道具・技術やスピリットを探 り、得たモノを現代の“やきもの”へ再び投影する手法は国内のみならず海外でも広く評価されている。 2019年にはコロラド州ボルダー市より縄文造形家 村上原野と共に招聘され北米大陸史上初の「縄文 のやき」を行った。
幼少期に化石堀りに夢中になり、次第に地層・石・年輪・角など、時間の経過が見て取れる物質に興味を抱く。 小学校の授業で縄文土器を知り、陶土という材質に魅了され陶芸家を志すにいたる。 1993年に野生動物写真家の久保敬親氏のアシスタントとしてアラスカを2ヶ月間にわたって取材旅行。 フェアバンクスに滞在中に写真家 星野道夫氏と出会う。 二人の研ぎ澄まされたスピリットに触れ、「極限の世界で自然と同調し調和を得た時はじめて撮れる一枚の写 真がある。」と云う事を体験できたことは、後の作家活動に多大な影響を与えた。
1971年 東京都町田市に生まれる。父は画家 大藪雅孝、従叔父に小説家 大藪春彦。 1998年 東京藝術大学工芸科陶芸講座卒。
2000年 東京藝術大学院陶芸研究室修了。
2000年〜2004年 同大学 非常勤助手。
2006年〜2008年 ロンドンにて作家活動。 2008年〜2011年 東京藝術大学陶芸研究室 非常勤講師。 現在 奥多摩(⻘梅市沢井)の工房にて作陶活動中。 NPO法人JOMONISM理事 武蔵國御嶽山おおかみ奉納祭実行委員⻑ SDGs縄文ワールドネットワークアンバサダー yaburyuceramics.com

賞歴等 2013年景徳鎮国際陶磁器博覧会現代陶芸コンペティション銅賞 1999年 安宅賞受賞
近年の展示等
2019 米国コロラド州ボルダー市立現代美術館にて 3日間のライブ陶芸パフォーマンス
コロラド州立大学ボルダー校にて特別講義を行う コロラド州ロングモント市にて北米初の「縄文のやき」を実施
個展 JOMONの波動 東武百貨店船橋店5F美術画廊 2015 ARTs of JOMON in TOKYO 表参道スパイラルガーデン
ARTs of JONOM in Denver 米国デンバー国際空港 2014 ARTs of JOMON in AOMORI 青森県立美術館
大藪龍二郎 作陶展 東銀座工芸いま
2013 中国景徳鎮国際陶磁器博覧会 大藪龍二郎作陶展「ゲンテン・カイキ」 姫路山陽百貨店美術画廊
2012 中国景徳鎮国際陶磁器博覧会招待作家 「大藪龍二郎•長瀬渉二人展」桃林堂ギャラリー青山
2011 夏の芸術祭 -次代を担う若手作家作品展- 日本橋三越 2010 「大藪龍二郎•長瀬渉二人展」桃林堂ギャラリー青山
日本橋三越本店ショーウインドー展
キュタヒア国際陶芸シンポジウム陶芸展特別審査員(トルコ共和国) 2009 「日韓中現代陶芸展」 広州博物館 中国
2007 「Ceramics In The City」ジェフリー美術館 ロンドン
2006 「Ceramics In The City」ジェフリー美術館 ロンドン
執筆書籍等
2011 波佐見焼きの挑戦-地域ブランドをめざして- 第9章 陶芸家から見た波佐見焼き 長崎新聞社

縄文と大麻草の関係性
日本の「やきもの」の歴史は世界で最も長くその歴史は1万 3千年~5千年前から始まったとされる縄文時代に遡ります。 今年2021年7月には北海道と北東北の縄文遺跡群が世界文 化遺産に登録されました。 なぜ縄文文化が今このように世界的に注目を集めているのか ご存知でしょうか? それは発掘される人骨や遺物などの調査結果には殺し合いの ための武器使用の痕跡が一切見つからない事、あるいは幼少 期より自立歩行困難で介護が必要であったはずの四肢長骨に 異常が見られる大人の遺骨が丁寧に埋葬されている痕跡があ る事などから「多様性を認め合う慈愛に満ちた社会」であっ たことが判っています。 これは縄文時代が一万年以上という想像を超えるほど長く 「一つの時代」が続いた理由であり縄文時代は我々現代人が 世界的に取り組む課題(SDG`s)である永続的持続可能社会を 実現していた時代であったことがいま世界に注目されている 最大の理由なのです。 では何を根拠に一つの時代が続いたとされているのかご存知 でしょうか?それは縄文時代の「ある一つの文化的事実」が 1万年以上の永きにわたり脈々と行われ続けた痕跡があるこ とを根拠としています。 「縄文」とは文字の通り、植物の繊維を螺旋状に撚り合わせ た縄状の撚り紐を道具として、粘土の表面を転がした時にで きる文様を意味しており、縄文時代に作られたほぼ全ての土 器に「縄文原体」と呼ばれるこの縄の道具が使われた形跡が あることから、一万二千年以上の長きにわたり一つの時代が 続いたとされる根拠とされています。

なぜこのように長い間ずっとこの道具にこだわり使 い続けたのか? 私はその答えを15年間近く研究してきました。考古 研究資料を参考に縄文時代にあったとされる様々な 素材を用いて実際に紐状の道具を作り、土器を焼き 上げる体験を通して私が得た答えはその素材は「大 麻」であり、「大麻」であったからこそ一万二千年 以上という永きにわたり使われ続けたと確信してい ます。 理由の一つとして、他の素材に比べ耐久性が長いこ とや他の繊維に比べ程よく繊維が荒い大麻は、粘土 表面を転がす際に螺旋状の溝に食い込む粘土の量を 軽減し、道具を洗い直す回数を減らす事で長時間使 用することが可能である利便性が挙げられます。し かしながらこれら利便性だけでは1万年を超える長 期間変わらずこの道具を使い続けた理由には弱く、 素材そのものに信仰心にも似た強い思い入れがない 限り他の素材へと置き換わり、いずれはその道具さ えも使わなくなることは容易に想像できるでしょう。

子供の科学執筆 2017 5月号より
このような意味において、現在の日本において例えば神社に
見られる「注連縄」や本来、 神事である大相撲の「横綱の 綱」は、特大に仕上げた縄文 原体そのものです。いずれも 複数のスパイラル(螺旋)を 極限まで捻る事で生まれる強 い反発力を信奉するもので素 材は「大麻(精麻)」を使用 しています。

伊勢神宮のお札を神宮大麻と呼ぶように神道において大麻は罪 穢れを祓うものであり神の御身印として崇められ現在に至るま で信仰の対象である。
特に明治以前の生活ではお産の際、へその緒を麻糸で切り結婚 式では夫婦が末長く幸せであることを願いお互いの髪を麻糸で 結ぶ儀式を行い死装束は麻衣であった。このように人が生まれ 死するまでの様々な重要な場面で格別な扱いをされてきた事実 を鑑みると大麻という植物こそが縄文原体の素材であったと私 は確信するのです。
またそのような意味において大麻草は国草というべき植物であ り、縄文時代から大自然と共生共存してきた日本人を象徴する 聖なる植物であると私は信奉しているのです。

神宮のお神札は「神宮大麻」と呼ばれ、大麻とは「おおぬ さ」とも読み、お祓いに用いる祭具を意味します。古くは 伊勢の御師によって御祓大麻として配布されてきましたが、 明治天皇の思召により、国民が朝夕皇大神宮を敬拝するた めに神宮から全国各地にお頒ちすることになりました。
神宮大麻は節目ごとに様々な祭典を重ねて、皇室の弥栄、 国家の安泰、各家庭の平安を祈りつつ一体一体丁重に奉製
されています。お正月を迎える前には、新しい神宮大麻と 共に、地域をお守り下さる氏神様、鎮守様のお神札を一緒 にお祀りして、ご家庭の一年の無事と幸せを祈りましょう。

ではなぜ日本の国草とも思える聖なる植物が規制され虐げられる存在となっ
てしまったのだろか?
出産の際のへその緒は大麻の糸で切り、魚網から生活必需品、 食事にいたる文字通り、衣食住あらゆる場面に大麻が用いら れていた。戦時中は軍服も大麻でつくられた。耐久性に富む 大麻繊維製品は修繕・再利用が基本であったが、製造加工が 容易で安価なである石油を原料とした化学繊維に比べ大麻製 品は高価なものとなり、戦後、急速に衰退していった。
第二次大戦後、GHQによって大麻取締法が施行され大麻草の 栽培を一方的に規制した。日本人にとって罪・穢れを祓う聖 なる植物を犯罪として規制する。これは対日占領政策であり、 従来の価値観の完全なる否定であった。大麻草を規制し自給 自足型・環境保全型の社会を石油系化学繊維をはじめとした 石油化学産業へと変換させ、アメリカ(戦勝国)に経済的に 従属させる消費社会構造へと転換を図ったのだと考えられる。
おおかみと自然信仰
日本人にとって神の御身印として崇められた大麻草と同じよ うに人為的に絶滅へと追いやられた動物が「おおかみ」で あった。2019年に私が「縄文阿吽大口真神像」を御奉納さ せていただいた武蔵御嶽神社は獣害から自分たちの農作物を 守ってくれる狼を「おおかみさま」と崇め関東一円の農民か ら多くの信仰を集めている。ニホンオオカミの個体数を大き く減らした要因は江戸時代末期に新たな産業として羊毛の生 産が開始され牧畜が盛んになり、行政も報償金を出して駆除 政策を展開。毒殺をはじめ猛烈な駆除が行われた。明治期に なって一般の人の狩猟が解禁になった事に加え、西洋文明に よる戦略的統治国政策=価値観の転換=伝統文化の全否定が 大きかったと考えられる。例として明治5年に発布された修 験禁止令=山岳信仰、おおかみ信仰などの否定が挙げられる。

地球と共生し多様性を認め合う「永続的持続可能世界の実現」を日本から
明治時代以降、羊毛産業への変換に伴い頂点捕食者であった狼が駆除され徐々に絶滅へと追いやられ たのに続き、大麻が石油化学産業の発展のために絶滅へと追いやられた。現在、頂点捕食者の絶滅に よって森林の生態系バランスが崩壊し河川の氾濫など様々な自然災害が引き起こされているように、 たとえ植物であっても同様に自然界に様々な悪影響を及ぼす。特に日本人にとって関わりの深い大麻 の絶滅は日本人の生態系に多大な悪影響を及ぼしていると考えられる。 日本人の衣食住支えてきた農作物、神のみ印(みしるし)である 「大麻」と、神の御眷属、自然信 仰の対象としての「おおかみ」は縄文時代から常に日本人の心の中心であったと言えるのではないだ ろうか。 1万年以上という途方もない期間一つの時代を持続した縄文時代は、いま世界が取り組む課題である 「永続的持続可能社会」を実現していた時代であった言えるであろう。持続可能社会実現への具体的 取り組みとして、今こそ自然回帰の心を強く持ち日本人が自らの手で滅ぼした動植物を戻すことを真 剣に検討し議論するべきである。そのためには国民一人一人が「主権者」であるという強い自覚を持 ち、GHQに与えられた憲法をただ有難がるのではなく、主権者である自分たちが常に法律を精査し必 要であれば改憲してゆくんだという高い意識を持つことが必要である。しかしその前に、「大麻取締 法という悪法の廃止」を実現できない限りそれはとても実現できないでしょう。このように高い意識 に立てた時はじめて自ずと環境問題も解決できるものと私は考える。また同時に「法律の番人」と呼 ばれる裁判官のみなさんには大麻取締法の矛盾を真剣に精査していただき是非とも立法行政府への勧 告を行っていただきたいと心から願うところです。
令和3年10月20日 被告人 大藪龍二郎


コロラド州 BMOCA ボルダー現代美術館にて3日間で制作したライブ陶芸作品
HYPER SUBCULTURE
Arts of JOMON in クアラルンプー ル
期間:2017/6/17〜8/13 会場:ISETAN The Japan Store
3F THE CUBE/CUBE1 場所:マレーシア クアラルンプール
キュレーション:小林武人(JOMONISM代表)
参加アーティスト:
伊良原満美(漆アーティスト), 大島托(タトゥーアーティスト)×ケロッピー前田(フォトグラファー) 大森準平(陶芸家)、大藪 龍二郎(陶芸家)、 片桐仁(俳優、タレント)、金理有(陶芸家) 小林武人(ポストデジタル・アーティスト)、
坂巻善徳 a.k.a.sense(美術家)、
ソエジマ・ヤスフミ(映像作家)、 澁谷忠臣(グラフィックアーティスト)、篠崎裕美子(陶芸家) 杉山孝博(ジュエリーデザイナー)、高橋昂也(映像作家) 竹谷隆之(造形作家)、堀江武史(修復家/美術家) 松山賢(美術家)、丸岡和吾(髑髏作家) 村上原野(陶芸家)、結城幸司(版画家・彫刻家) XSENSE(アートプロジェクト/坂巻善徳 a.k.a.sense&小林武人) We+(コンテンポラリーデザインスタジオ/安藤北斗、林登志也) mulo(ペインター/イラストレーター) art:tech(ペインター/イラストレーター)
※メインビジュアル:DRAGON76

武蔵御嶽神社
東京都の最⻄端、御嶽山の山頂(標高929m)に位置し、眼下にはスカイツリーや 新宿副都心、遠くは 房総半島越しの海までも一望できるまさに「絶景」を味わ える武蔵御嶽神社 は、祟神天皇の時代 (BC97年~BC30 年)に創建されたと 伝えられており古く から関東一円の人々 より霊山として信仰 され続けてきまし た。また神社には 「日本武尊(ヤマト タケル)が東征の 際、御嶽山から⻄北に進 もうとされた際に深山の邪神が大きな白鹿と化して道を 塞いだので尊は山蒜(やまびる=野蒜)で 大鹿を退治したがその時、山谷鳴動し て雲霧が発生し道に迷われてしまう。そこへ忽然と白い狼が 現れ⻄ 北へ尊を導いた。尊は白狼に『大口魔神としてこの御嶽山に留まり 全ての魔物を退治せよ』 と仰られた。。。」と語られる伝説が残っ ており、武蔵御嶽神社はおおかみを神社の御眷属(ごけ んぞく)とし 「大口真神」「おおかみさま」「お犬さま」とお呼びしてお祀りし ている『おおかみ 信仰』の神社としても知られています。農家の畑 を荒らす害獣を狼が食べてくれるため、神社の発 行するお札「おお かみの護符」を盗難除け・魔除け、蔓延したコレラなどの疫病から 身を守る疫病 除けとして納屋や玄関の軒先に掲げるようになり、江 戶時代は天保の頃になると大口真神は広く⺠ 衆に親しまれるように なって行きました。 御嶽山には30を超える宿坊があり今も多くの修験者を迎 えています。宿坊の主人の多くは神社の神職であり御師 (おし・おんし)と呼ばれ、依頼により滝 行や祈祷を行う 祈祷師で、代々にわたり綾広の瀧や天狗岩など数々の修験 場が点在する神奈備の杜 を守ってきました。
イエローストーン国立公園の27年間。 オオカミが住み始めると自然の景観は劇的な変化を遂げた。
イエローストーン国立公園周辺にはかつて多くのオオ カミがいたが、1926年、野生のオオカミが殺されたと いう公式記録を最後に、完全に姿を消した。しかし、 生態系回復の目的で1995年にカナダから連れてきたオ オカミが再導入されると、実に興味深いことが起こっ た。この再導入は野生動物をめぐる「20世紀最大の実 験」と呼ばれている。
オオカミが戻ってくる前の70年間で、公園に生息する 鹿の数は、捕獲される恐れがないため、増え続ける一 方であった。しかし、狼が導入されると鹿は狼に狙わ れやすい谷間や狭い場所など特定の場所を避ける様に なり、裸同然であった一定の区域の植物が復活し木々 が生い茂る様になった事で絶滅危惧種であった様々な 動物、ビーバーやカワウソなど川の生態系が復活。増 えすぎていたコヨーテが減り、狼が食べ残しを餌とし てクマなど様々な動物が個体数を増加した。
オオカミの出現で、川の様態が変わり森林が再生されることにより川岸は安定 し崩れることも少なくなった。そして、川は本来の強さを取り戻し、鹿たちに 食尽された谷間の植物たちも再び生い茂り始めた。植物が増えたことにより、 土壌の浸食を抑えることにつながり自然災害が激減した。

なぜ農⺠の神であったニホンオオカミは絶滅したのか?

江戶期に盛んだったおおかみ講
江戸期を通じてニホンオオカミの個体数を大きく減らした要因は、 海外から入ったジステンバーによるものだったという説がある。ま た江戸中期からは過剰な木材の伐採によりハゲ山となる森林が続出 した。
明治期に入り次第に狂犬病が広がり、狂犬病に冒された狼(実際には 野犬も相当に含まれていたはず)が人を襲ったという事件からオオカ ミ駆除に拍車がかかった。さらに新たな産業として羊毛の生産が開 始され牧畜が盛んになると行政も報償金を出して駆除政策を展開。 毒殺をはじめ猛烈な駆除が行われた。明治期になって一般の人の狩 猟が解禁になった事に加え、西洋文明による戦略的統治国政策=価 値観の転換=伝統文化の全否定が大きかったのではないか。例とし て明治5年に発布された修験禁止令=山岳信仰、おおかみ信仰など の否定が挙げられる。
林業の衰退により、人の手が入らなくなった杉やヒノキばかりの 森は根が浅くなり、増えすぎた鹿やイノシシなどに影響で森林の 生態系バランスの崩壊が加速、崖崩れを引き起こし河川の氾濫に よる水害は深刻さを極めている。
例えばモンゴル高原に生息する灰色狼は日本狼と大差なくまた大 陸から日本列島が分裂する以前から狼は存在し交配していたため 亜種でしかなく外来種とは言い切れないのでイエローストーンや 世界の実例を参考にごく少数の狼を再導入する試みを検討し議論 する価値は大いにあるのではないだろうか。。また狂犬病事例は ほぼ根絶したと思われる現在の日本は世界的にとても稀な国であ り再導入に大きなアドバンテージを持つと言われている。 日本全土が今すぐ保全すべき生物多様性重要地域として注目されている


被告人質問の回答


令和5年1月24日
前橋地方裁判所刑事第一部 御中
被告人 大藪 龍二郎


まず初めに本日第6回目の公判を迎えるにあたり、長きに渡り丁寧な準備と審議を行ってくださる裁判所の皆様に心から感謝の意を表明したいと思います。いつもありがとうございます。また、裁判長におかれましては、昨年11月末からおよそ10日間にわたりタイ王国への海外渡航許可申請に対し許可を出して頂いた事に感謝の意を申し上げたいと思います。これはバンコクのシリキット王妃国際会議場にて行われたアジア国際ヘンプ見本市において、日本の精麻をテーマにしたパビリオン内にて私の作品を展示されたいとの依頼を受けましたので、渡航許可申請をさせて頂きました。
おかげさまで世界各地から訪れた多くの方々に作品を鑑賞いて頂き交流を深める事が出来ました。また同時に大麻草の利用を全面的に合法化したタイ王国の現状を体感することが出来ました。
私が訪れた2022年12月時点でのタイでは、乾燥大麻や大麻草そのものを薬草として販売するお店が街の至る所に点在し街は活気に溢れていました。たとえ高級ホテルであっても喫煙が許された場所であれば大人はタバコと同様に大麻を吸うことが出来ました。タイ政府は医療大麻を解禁したが嗜好大麻を解禁したわけではないとしていますが、街ではディスペンサリーとよばれる大麻ショップにさまざまな大麻製品が売られ、店によっては喫煙室があり購入した製品をすぐに楽しむことが出来ます。驚いたことに、どの店も明らかに大人であればパスポートさえチェックしていません。これはさすがにどうかと思いましたが、実際に街を眺めれば、日本でも常識のある大人がマナーとして歩きタバコを控えたりするのと同じように誰もがするわけでもなく、特に目立った問題は一度も見かけられませんでした。一見、実に適当で無責任な政治のように見えますが、一旦全てを解禁し国民の自治に委ね、問題が生じた箇所に適切な法をつくってゆくという方針は、王国でありながら民主国家の政治の手本のような政治であり、民が世を考える王国の懐の深さを実感しました。
「全然問題ないじゃないか!?」「法の執行に関わる全ての方々は今すぐタイに研修に行きこの現状をみるべきだ!」と。
これが大麻草を全面解禁したタイで私が感じた率直な感想です。

さて本題に戻ります。
今回の被告人質問ではこれまで五回にわたる審議過程を通して私が感じたことを述べさせて頂き、最後にこれからの審議への要望を述べさせて頂きたいと思います。
さて、私は第1回公判にて、起訴状記載の公訴事実に不明瞭な点が多数ある為に釈明申立書を提出し、罪状認否を保留させて頂きました。
その内容は主に以下です。

1.起訴状記載の公訴事実では『みだりに』と記載されているが具体的にいかなる事実を指すのか明らかにされたい。
2.起訴状記載の公訴事実では「大麻を含む植物片3.149グラム」と記載されているが客体が明らかではない。よって以下の5項目について明らかにされたい。
①「大麻」とは何か?
②「植物片」とは何か?
③「大麻を含有」とはいかなる意味か?
④上記を踏まえた上で「大麻を含有する植物片」とは何か?
⑤「大麻」は何グラムか?

以上の求釈明のすべての項目に対して検察側から何ら明瞭な回答を頂けておりません。刑事訴訟法では「公訴事実は、訴因を明示してこれを記載しなければならない。」また「罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない」と規定されています。訴因を明示して頂きたい。つまり私といたしましては、大麻取締法のどの項目に違反しどれほどの罪を犯したのか?23日間の勾留を受けた上でさらに刑罰を受けるほどの罪を犯したのであればせめてその罪を具体的に説明してほしいのです。結果的に、いずれも何一つ明確になっておりませんので引き続き罪状認否を保留するしかありません。早急に釈明をして頂きたいと申し上げておきます。
次に、第3回、第4回の公判において、現場に臨場した2名の警察官の方にそれぞれ証人として来て頂きました。第三回公判で塚田貴人証人は「国道146号線の登坂車線の真ん中に、運転席ドアを全開にして止まっていました。」「車の駐車の方法が明らかに異常であった」と証言していますが、私の記憶では現場は登り坂で、遅い車が走る左側の登坂車線と右側の追い越し車線の2車線があり、私の車は一番左側の登坂車線の側道に寄せて停車していました。また、「運転席ドアが全開で止まっていた」や「運転席ドアが全開で開いているということは、不審であった」などの発言がありました。しかし、窓は開いていましたがドアは開いていませんでした。また、車に細かい傷があったので交通事故を起こした可能性があったので確認する必要があったという趣旨の発言がありましたが、実際にそのような不審な停車状況であったならば最初にドアが全開や停車方法などのやりとりがあって当然ですが、職務質問の際に「車線の真ん中」「ドアが全開」「車体のキズ」などという言葉は一言も聞きませんでした。このような証言は私の心象を悪くする為であり、違法捜査を避ける為の虚偽の発言であると指摘したいと思います。そして何より宣誓書に署名した証人がこのような証言をする事は大きな問題であると強く主張したいと思います。
次に第五回公判にて、群馬県警科学捜査研究所より滑川嘉政証人をお呼びして大麻草とみられる植物片を大麻草と鑑定した過程を尋問させて頂きました。その中で大麻草(カンナビス・サティバ・エル)という「植物」であるかどうか?を鑑定する必要があるにもかかわらず、鑑定のための標本(STD)はTHC、CBD、CBNという三つの試薬を混合していてそれらは大麻草から抽出したものではない。と証言しました。植物である大麻草には三大要素のTHC、CBD、CBN以外にも無数のカンナビノイド成分が含まれていることが特徴であり、逆に言えば三大要素以外の成分構成が大麻草という植物の特徴と一致するかどうかが分からなければ、大麻草であると特定するには不十分であると指摘したいと思います。さらには
公訴事実に書かれているカンナビス・サティバ・エルであるかどうかについては全く鑑定していないという証言に至っては鑑定すべき点が大きくズレていると言わざるを得ません。さらには形態的な特徴である剛毛を鑑定する際に鑑定物と比較する対象は標準品の写真であるとの証言は、DNA鑑定が発達した現代においてあまりに非科学的でいい加減な鑑定方法だと指摘いたします。また、形状的な特徴である剛毛が確認できてさらに大麻草に特徴的な成分であるCBDやCBNが検出されれば例えTHCが検出されなくとも大麻草であると鑑定すると証言しました。これは実際の運用方法も鑑定方法もTHC取締法であるのに、そう言われないための詭弁でしかなかったと付け加えたいと思います。
次に、芸術家として意識変容することの自由を改めて主張したいと思います。大麻には精神作用があり意識変容する。つまりトリップするから危険だとよく言われます。しかしながら私の経験上、大麻を多量に摂取しても、アルコールでよくみられる記憶を完全になくしたり暴力や暴言で人を傷つけるような酩酊状態を経験したことはありません。私の場合、むしろ視覚、臭覚、味覚、聴覚、触覚、が研ぎ澄まされ、潜在意識によって狭められていた領域が拡張し、本来備わっている自分の能力が呼び覚まされる感覚であり、これらを駆使し仕事を行う芸術家にとって自身の感覚の維持向上は至上命題であり、職業上許されるべき自由であると強く主張いたします。また、このように知覚が拡張する現象を否定的に捉えた表現として偏執的嗜好、錯覚、幻覚、人格喪失などと表現しこれらをしばしば急性中毒症状の具体例としてあげられます。しかし、アメリカの著名な医学博士であり薬用植物の世界的権威とされるアンドリュー・ワイル博士が1968年に医学誌サイエンスに発表したマリファナを用いた人体実験を初めて科学的な方法で行った論文と、同博士が昭和54年に京都地方裁判所にて行った裁判における証言録によるとマリファナを吸って偏執的になることがあるかもしれないがそれはマリファナが吸われる環境によるものだと証言しています。たしばしば急性中毒症状の具体例として精神異常、偏執的嗜好、錯覚、幻覚、人格喪失などが挙げられるが、例えば、マリファナが精神異常の原因であるというのは不正確です。それは大学へ行くことが精神異常の原因だいうのと同じく不正確である。なぜなら大学へ進学して家を離れた最初の1ヶ月間で精神異常になる学生が沢山いるからです。また警察官の前でマリファナを吸えばきっと逮捕されるに違いないという不安から偏執的になる。さらには、人格喪失という言葉は精神科医学者であれば否定的な意味だが、禅のお坊さんはそれを積極的な意味で考えるに違いありません。また、私がみた唯一の身体的悪影響というのは、呼吸器にヒリヒリとした感覚が出ることがあるのみで、他の薬物よりも非常に安全である。と証言しています。これら証言録には他にも極めて重要な証言が記録されており、今回の裁判においても大変有効であると考えすでに証拠物として提出しておりますので必ず採用し審議を行って頂きたいと願います。
さて、最後に大麻取締法の制定過程の違憲性について述べさせて頂きたいと思います。
そもそも大麻取締法のはじまりは、1945年にGHQが日本を占領したその年の11月にはもう制定されています。3ヶ月で大麻草を利用する事を一切禁止しました。わずか3ヶ月です。これは周到に準備されていたと言い切れる程のスピードです。アメリカ軍は大麻の栽培などを規制する対日占領政策を日本占領以前から準備し、即それを実行したのです。そのころは日本全国で大麻草を栽培していたわけですから日本の麻産業は壊滅的打撃を受けたわけです。しかし、日本の麻産業を守る為に尽力した英雄たちがいました。彼らの抵抗のおかげで妥協案ではあるが何とか産業を維持する為に免許制度という形で昭和23年に今の大麻取締法が出来ました。麻産業は守られたはずだったんです!しかし、実際の運用はまたも周到に練られ隠された植民地法でした。そしてそれは今も続いています。実に周到に。
大麻取締法は国民に虚偽の情報を流しながら維持している悪法そのものです。日本国憲法に保障された自由と権利を無視し、国民に真実を教えず、民主主義の名の下に独裁国家の憲兵のような人たちが大手を奮ってやってきて個人の幸福を追求する国民を捕らえ服従させています。
愛する祖国、未来の子供たちを思い散って逝った230万人の英霊たちに、この現状をあなたならどう説明するのでしょうか?いつまでもこのような日本でいいのでしょうか?

一方で、占領政策を実行したアメリカ合衆国政府は、昨年の2022年10月6日に「バイデン大統領の大麻草単純所持に対する非犯罪化などの改革案」を発表し、大麻を使用したり所持しているだけで刑務所に入ることはあってはならない。マリファナの単純所持に関する過去の連邦犯罪を全て恩赦し、これまでのマリファナにたいする失敗のアプローチのために犠牲となった人々のために今こそこの誤りを正す時である。との趣旨の改革案を発表しました。これは同時に予想される国家賠償訴訟を軽減するための政策であり、これは日本においても現在の方針を続ける限り、近い将来かならず起こり得る危機であると強く警告したいと思います。
法の執行に携わる全てのみなさまにお願いです。
今一度ご自分の胸に手を当てて日の丸を見上げてください。
心ある人々によってこの国に再び日は昇ると私は信じております。
早く本当の日本がみたいです。

以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?