永代和盛の囲碁人生 Ver.11(入段者の印象・平成8年度)
それぞれの印象
ここでは前回の続きで一人ずつの印象を書いてみたいと思う。
あくまで個人的な感想ということでご容赦願いたい。
潘善琪さん
いつもニコニコしていて、とても話しやすい雰囲気を持っている優しい人だった。何かのおりに話しかけてもニコニコと話してくれる。良いお兄さんという感じだった。
実妹に古川こんゆ二段。
弟子に李沂修八段。
金秀俊さん
順当な入段だったと思う。
何かと情熱的な人だが優しい人だった。
趙治勲門下の一番弟子で、同門に対してはとても厳しいと言われていた。
普段の優しい金さんからは想像もつかなかった。
最初は卓球をお相手してもらったときは、ハンデとして左手でやってくれていた。
でも、すぐに勝つようになり右手で勝負してくれていた。
右手でも段々勝負になってきたかなぁというところで、金さんは入段。
その後は卓球での勝負はしていない。
それは半年くらいの間なので、永代少年の卓球の上達スピードはなかなかのものだった。(囲碁より早い?)
桑原陽子さん
男性陣に混ざっての入段は特筆すべきものがある。
記憶の中ではその後に加藤啓子さん(現六段)や、謝依旻さん(現女流本因坊)などなど。そんなに多くはないと思う。
外来からの参加なのでかなりの対局数となっていた。
外来から本戦まで火曜、土曜、日曜という週3日の対局を三か月くらいは続けたのではないだろうか。もし、本戦で入段できなかったら、さらに女流本戦のほうへ回ることになる。連戦期間がさらに長くなっていくので、どうなっていたことやら・・・というのを本人が言ったか周りが言ったかは覚えていないが、そんな会話を聞いた記憶がある。
桂篤さん
正直なところ、予想を覆す入段だったと思う。
Aクラスのトップグループに常駐しているというイメージはなかったからだ。
本戦では桂さんの研究している得意の作戦が何局か炸裂して星を稼いだという評判があった。実際のところはDクラスの永代少年には分かるよしもないが‥。
それにしても、得意な作戦を使える流れに持っていく力。
本戦に出場するようなツワモノに対しても自分の力を発揮できる精神力は素晴らしいと思う。
もうこのクラスになると実力差というのは紙一重なので、この精神力は勝敗に大きく左右されると考えている。
河野臨さん
評価としては少し低めだった気がする。
評価だけなら山下お兄さんのほうが上だったイメージがある。
それでも、本戦前の夏休みで急激に伸びたという感想を誰かが話していた。
当時、中学生の河野さんは夏休みの間はずっと囲碁の勉強をしていたに違いない。
とても優しいお兄さんだった。
第二土曜と日曜の連続して院生手合があるときは幕張研修センターに泊まっていた。勿論、院生師範も泊まるので河野さんを含めみんなで勉強会が始まる。
この勉強会はいつもそれぞれで勉強する雰囲気とは全く違っており、和気あいあいとしていてとても楽しかった記憶がある。不真面目な永代少年もこのときだけは勉強会に参加していたのだ。(珍しい)
そして、寝る少し前の自由時間で河野臨さんはよく一緒に遊んでくれた。当時、流行っていた韓国の「コンギ」と呼ばれる小さなお手玉(5つ使う)で勝負してもらっていた。河野さんは3歳上(中学3年くらい)だったが、とても落ち着いていて中学生には見えなかった。今でもそんなに変わらないように見えるのだが‥(笑)
一色識央さん
そこまでお話しをしたことがないので、よく分からない。
見た印象は格好良いお兄さん。よくポロシャツを着ていて、明るい色でもよく似合っていた。
聞いた話だと、すごく真面目な人で少し繊細な人という評判。
(番外)山下お兄さん
くしくもプロになれなかった山下お兄さん。
当時は弟の山下敬吾さんはまだプロになったばかりで有力な新人くらいなものだった。すぐあとに新人王を獲り、その後はみなさまのご存知のとおり、ビッグタイトルをたくさん獲っていくのだが‥。
そんな弟がいるとどのような心境になるのかは分からないが、さすがにこのときはつらいのではないかと予想する。
ある日の夕方に、近所のショッピングセンターの中にあるスーパーへ寄ったときのこと。併設されているゲームセンターを通りかかったときにふと見ると、アーケードゲームと向かい合っている山下お兄さんがいた。
この後ろ姿はとても哀愁が漂っていて、子供心ながらに何とも言えない気分になった。
自分は院生手合がない日だったので、火曜にある本戦の日だったのだろう。その日の結果は覚えていないが、あの哀愁漂う背中はとても印象的だった。
プロ試験終了後、山下お兄さんを見かけたことはない。
時期をおいて早稲田大学に入学したとの噂もある。
素性を明かさずに当時のレギュラーメンバーと対局したらしい。
ブランクがあったのか、当時のレギュラーメンバーに惨敗したらしい。
少しリハビリして本来の実力を発揮すれば、結果は正反対になると思う。
当時に何となくではあるが、子供ながらに気になった人の一人である。
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