永代は「元」お坊ちゃん(中編2)
前編と中編1はこちら↓↓
実家に帰ってからのお坊ちゃん
11歳(小学6年)〜20歳直前まで、10代のほぼ全てで囲碁のプロ修行をさせてもらいました。好きなことを長々とやらせてもらえるなんて本当に「お坊ちゃん」ですね。
ただ、囲碁棋士を目指すというのは勝負の世界に身を置くということです。激しい競争社会は「ただのお坊ちゃん」ではすぐさま脱落していきます。棋士にはなれませんでしたが、厳しい修行を長い期間耐えたという自負はあります。(私より厳しい修行をしてた人はたくさんいるけど、そこはスルーしてね。あなた達は異常です(笑))
中学三年のときに同級生から「永代は高校受験しなくていいからいいよなー」と言われた時に「こっちはプロ試験を毎年受験しとっとやぞ」とつい長崎弁で言い返しそうなところを必死でこらえたこともあります。
このきつかった修行期間の経験が私の人生の礎になっています。この修行経験よりつらいものは、今後の人生においてそうそうないなと。自分は何でもやれる!とポジティブです。
そして、東京から長崎に帰った3日後には就職しました。経理だったのですが、簿記を体験したのは就職の前日から。父親に「資産は左、負債は右、費用は左、収益は右。あとは項目を大体メモしてあるから割り振っといて」とだけ教えられてすぐに実戦(笑)
何というでたらめな上司なんだと思いました。
そして簿記には資格があるということで、次の日には商工会議所へ日商簿記三級の試験を申し込みに行きました。しかし、直近の試験は申し込み締め切りをすでに3日過ぎてました…。
そこで、「就職したばかりでこの資格が必要なんです…。」と目をウルウルさせて懇願。(99%くらい盛ってます)このウルウル作戦が功を奏したのか、受験のお許しが出ました。
さすが田舎!
ただ、ここまでやって落ちるわけにはいかない…。というかまだ勉強すら始めてないから手応えも何もないんですけどね。試験日まで1ヶ月を切ってましたが猛勉強しました。
そして、無事に100点合格!(翌年には二級もゲット)
囲碁は勉強しても強くなる感じは受けにくいけど、資格勉強はやっただけ上達の手応えがあるから楽しかったです。これは囲碁修行経験の恩恵ですね。
同時期に車の免許も取得しました。もう何やっても楽しかったですね。逆に言うとそれほど囲碁修行がきつかったということなのですが。
さすがに日商簿記一級を目指すと税理士を目指すことになるので、ここで簿記の勉強はストップ。その後しばらくは週末に子供囲碁教室やったり、囲碁大会に出ていました。
ふふふ、皆さんはそろそろ私が「ただのお坊ちゃん」ではないということが分かってきたでしょう。
次回はようやく私がこの連載で伝えたかった本題へと続きます。
後編へとつづく
永代和盛の囲碁人生(一覧)