見出し画像

第10回 出張!永山ホビーキッチンが終了しました!

こんにちは、永山ホビーキッチンの浅利です。
10/19(土)、旭川農業高校さんを会場に「出張!永山ホビーキッチン」を開催いたしました。会場には遠別農業高校さん、倶知安農業高校さんの学生さんと先生も駆け付け、別働炊飯チームの小規模多機能「ここはな」さん、カレーを監修した奥芝商店さん、そもそも今回の企画をされたSTV撮影クルーも加えると年齢幅は1歳から98歳、総勢120人程がこの日のメニューである同じカレーを食べたことになります!
『子ども達が安心して食べられる味』ということで、ほぼ辛さのないカレーではありましたが、お陰様で2歳前後のお子様が自らスプーンで食べる姿を見ることができ、多くの方にお楽しみいただけたのではないかと感じております。

開会式の様子。奥芝商店の社長さんがマイクをにぎってお話し中です。写真からは見えませんが、背の高い高校生さんたちの陰には沢山の子ども達がひしめいております。残念ながらお天気は大雨でしたが、明るく温かい雰囲気のホールと各高校の「のぼり」が雰囲気を引き立てます!

開会式後は皆さん揃って調理室へ。今年4月からSTVさんと農業高校さんとで準備されてきた今回の活動(STVさんとしては「みんなのカレープロジェクト」という名前)は、高校生さん達がアイデアを出し合い、試作し味を確かめる等の段階を経てきたものでした。「にんじんを星形にくりぬこう!」というのも高校生さんによるアイデアの一つ。この星形にんじんを先ずは調理室で作り始めることになりました。

先ずはにんじんを洗うところからスタート!洗って皮をむかれた人参が次第に子ども達のテーブルへ。写真は奥芝商店のスタッフさんと参加されたお子様たち。くりぬきに使う星型はクッキー用のスチール製。やわらかいお子さんの手に食いこんで痛いので、タオルをつかって押し込みます。120人分のカレーを作るので、最低でも120の星形にんじんが必要です!型抜きも大変ですが、後から数える高校生さんたちも一苦労!
別なテーブルでも必死ににんじん!。星形の穴が残ったにんじんだって使います。後ろのテーブルでは穴にんじんを小さく切る作業が展開されていました。
ちなみに人参は倶知安・遠別農業高校さんから持ち込まれた「はね品」と、フードバンクワーカーズさんから寄付された人参が使われております。ご協力ありがとうございました!

初対面ばかりの子ども達と高校生とはいえ、互いに協力して当たるべきは目の前のにんじん。にんじんと向き合うのに人見知りは不要!ホビーキッチンスタッフの栄養士さんと旭川農業高校:愛澤先生と沼田先生の指揮采配により、わちゃわちゃと大騒ぎしつつもにんじん達は整然と星になっていきます。しかしカレーはにんじんのみにあらず。通路を挟んで対岸の調理台では玉ねぎやお肉が同時進行で調理されておりました。

巨大な豚肉の塊。お肉屋さんでしか見ないような塊を黙々と捌くホビーキッチンスタッフ。普段は調理師として腕を振るう方故、お手の物…とはいえ大変だったそうです(笑)。この豚肉、元々は旭川農業高校で飼われていた豚さんを出荷し、お肉として戻ってきたものを利用しています。至る所感謝だらけの企画だなぁと感じさせられます。
じゃがいも、玉ねぎと取っ組み合う農高生さんとホビーキッチンスタッフ。この後小さく切られる玉ねぎから漂う香りにより、子ども達の中には涙を流して避難する子、それでも頑張り続ける子…と様々な様子。後でまとめて美味しくいただいてやるからね!

「もう疲れた」「そろそろ遊びたい」「玉ねぎがしみる…」などなど、子ども達は徐々に調理場から抜け出し始めます。今ご覧くださっている方の中には、最後までやって然るべきとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが…僕としては一向に構わないと思っております。やりたいことをやればいいんです。むしろやりたいことをやり切ってほしいと思っております。様々な制限をできるだけ取っ払い、やりたいと思えることを満足いくまで(最後まで、ではありません。満足いくまでなので、傍から見れば『中途半端』に見えるかもしれませんけども、その子的に満足いったならOKと思っています)やり通して欲しい。それがこども達の自信になるんじゃないかと思っております。
…というわけで、じわりと隙をついて(笑)抜け出した子ども達は、開会式が行われたホールへと足を向けます。そこには先ほどまで半端だった遊び場が見事に展開されており、子ども達はいよいよこの空間で完全に開放されていきます。今や農業高校は幼保~小学生たちの「ぼくの・わたしの」フィールドとなっていきました。ホールで待ち構えていた遊び担当の高校生さんやホビーキッチンスタッフも一気に忙しくなります。

遊び場に設置された、旭川農業高校の森林科学科さんが作った「スロープトイ」。
全ての木片にはマグネットが埋め込まれており、ホワイトボードに自由に貼り付け可能。同じく木製のボールを使って上からころがすことができます。さあ、どんなコースを作ろうか?
ホビーキッチンスタッフによる手のひらサイズの京商ラジコン「ミニッツ」エリア。背景の看板は旭川農業高校生さん達の手作り!とっても素敵です(僕にはこんなの作れない…)。
ミニッツは、本来はコースを作ってびゅんびゅん走らせるのですが、小さなお子さん向けに車で体当たりするボーリングと、玉入れコーナーを設置。車が自らの操作で動くというだけで、夢中になる子続出。過去には大人の方が熱くなっちゃうこともありました。
こちらも永山ホビーキッチンでは定番の段ボール遊び。9月の永山ホビーキッチンにも遊びにきてくださった農業高校生さん達がこども達のために設計の全力サポート。卵ケースがまるで瓦屋根!見事な段ボールハウスができました。高校生さんによると、3人くらいは入れる空間ができたとか。僕も入ってみたかったのですが…入れませんでした。常に誰かが御入居中の人気物件で、あまりに出てこないため入り口が養生テープで外から閉じられても、中の子ども達はしばらく気づいていませんでした(笑)。

自由な遊びに身を任せる子ども達。何とかカレーを完成させようとする調理室の皆様。徐々に時間が過ぎてゆき、お昼ご飯はもう間もなくです。
6種のスパイスが入った特製カレーのにおいが、遊び場どころか学校内に広がってきました。

奥芝商店の社長さんが見守る中、カレーを煮込む高校生さん。午後から牛舎見学があると耳にすると「えっ!?俺牛舎めっちゃ見たい!」と隣で鍋をかき混ぜる学生さん同士で盛り上がっておりました。満足いくまで見ることができていたらいいな…。
2歳、3歳のお子さんとそのお母さんたちがレゴブロックエリアで談笑。時々小学生たち「ちいさなお兄ちゃん・お姉ちゃん」が遊びにきています。小さめ(通常サイズ)の団体備品レゴブロックもそのまま展開していたため、小さいのは危ないですとご指摘もございました…ごめんなさい。せめてスタッフが常駐できる場所にできていればよかったなと今更反省しております。
遊び場を飛び出し、いよいよ廊下を我が物顔で闊歩し始めた段ボール怪獣。他のお子さんも一緒に段ボール怪獣ごっこに加わったり、逆に「あの子たち放っておけないわ」としっかり者の小学生の女の子が後ろをついて見守っていたり…お子さん達なりに「認められる秩序」みたいなものを探そうとしている雰囲気があって、ちょっとヒヤヒヤしながらも微笑ましく見ておりました。他の参加者さん達はどう感じたか…ちょっと怖いですが伺ってみたい気もします。

12時を過ぎてしまったものの、無事出来上がったカレー。そして12時前には「ここはな」さんのスタッフ・利用者さん達が米とぎし、炊いてくれた8升分のお米が、今年9月に永山に立ち上がった「訪問看護ステーションせせらぎ」さんのボランティアスタッフさんたちにより配達されました(ありがとうございます!)。
元々お米は農業高校さんで炊く予定だったのですが…炊飯器が足りなかったり、借りてきたガス炊飯器(都市ガス)と農高さんの供給ガス(プロパン)が合わなかったり等のトラブルが続き、困っていたところに協力くださったのが「ここはな」さん。高齢で認知症を抱える利用者さん達と一緒に、お米をとぎ、炊飯してくださいました。体力や移動の都合上、農業高校さんには足を運べませんでしたが、利用者さん達一様に参加者さんの力になれたことを喜ばれていたと伺っております。届いたお米を受け取りつつ、ここはなさんには人数分のカレーを持って選抜された高校生さんがカレー配達へ。場所は離れていても、一緒に協力した仲間同士、同じカレーをいただきました。

計画段階で悩みの種だった炊飯を全て受け持ってくれた「ここはな」のスタッフさんと利用者さん達。長年やってきた米とぎの腕は、たとえ認知症でも衰えません。8升(12キロ)のお米とぎはとても大変だったはず…本当にありがとうございました!
出来上がったカレーをお鍋にいれてお届けした選抜チームの葛西先生と高校生さん。皆様、お味いかがでしたか?今後も永山ホビーキッチンの活動で、何かしら関わっていけたらいいなと思っています。
参加者さんにカレーが届き…食べたいけれど、ちょっと待って!今回のカレーに込めた思いを高校生さんたちがお披露目します。
「このカレーのスープには、サフォークの骨も入ってます」の話に「えっ!?」と小さく驚く声も。事前に奥芝商店さんが仕込んだルー・スープには、高校で出た廃棄食材の美味しいエキスがたっぷりつまっていたんですね。

さあ、ごはんを始めよう!

出来上がった「流れ星カレー」。星形人参の他に、コンソメで煮た星形大根も。
星形にんじんが流星になるよう「にんじんの尾」をつけます。一つひとつ学生さん達とホビーキッチンスタッフがトッピング!
旭川農業高校さんに沢山あったさつまいもと、フードバンクさんからいただいたにんじん、キュウリを使ったポテトサラダ。左側に見切れている緑色のは「大根の葉っぱの漬物風」。奥芝商店の社長さんが味見したところ、「こりゃハイボールだな!うまい!」と太鼓判(笑)。
美味しい笑顔はいただきました。次は皆さんの前のカレーをいただきましょうか!お代わり自由!
わりとお子さんとは仲の悪いにんじんですが、今回は「俺の切ったにんじん!」とあちこちで声が上がっておりました。「調理からしっかり関わることで、こんなにも食欲に影響を与えるんですね!」と奥芝商店の社長さんもびっくり。中には3度も山盛りでお代わりする子や、活動と関係なく部活に来ていた農業高校生さんも匂いに誘われて食事に混ざっていたり。
構わずみんなで食べようよ!!

食事の終わった13時過ぎから、旭川農業高校の生徒さん達が用意していた「校内見学スタンプラリー」が始まりました。朝からの雨が偶然にも止んだ直後。なんとか外には出れましたが、芝生は水たまりだらけ。お腹いっぱいで元気な子たちの中には水しぶきをあげて走る子も(笑)。高校生さん達の先導で、牛舎と温室を見学させてもらいました。

9頭の牛さんが牛舎内でお出迎え。子ども達の身長より大きい牛さん。右列の牛さんの顔をなでなでしつつ、左列の牛さんのお尻に圧倒され続ける子ども達でした(笑)。
スタンプラリー終了後、やっと一息なホビーキッチン調理スタッフのお二人。高校生さんが授業で作ったアイスクリーム片手に撮影。今回も本当にお疲れさまでした。
閉会式の一幕。参加した子ども達からも一言感想をいただきました。応じてくれた4名のお子さん達は、モジモジしながらも一言ずつお話くださいました。インタビューするお姉さんも楽しそう!

19日の最初から終わりまで撮影し続けたSTVさんの「放送日」ですが、まだはっきりしていないようです。参加者さんから多数「いつ放送?」とご質問をいただいておりますが…はっきりし次第、STVさんから連絡が入るだろうと思います。大変かもしれませんが、気長にお待ちくださいませ。

今回の開催、僕たち永山ホビーキッチンとしては、農業高校さんや地域の介護事業所さんと繋がるきっかけとなりました。
当初参加依頼が舞い込んだ際は、「今まで参加くださっていたお子さんの生活圏から遠く離れてしまう」ことを気にし、一時は断ろうとすら思っておりました。農業高校の窓口:愛澤先生に本音をさらけ出し、「今回だけの関係」にならず今後も長く協力し合える地域の繋がりでありたい願いを互いに確認し合うことで、今回の活動ができあがりました。

今回の活動にご参加くださった方、あれから数日たちましたが、当日10/19を振り返ってみて、どのようにお感じでしょうか。
参加者さんそれぞれしか知らない沢山のエピソードやドラマが起こった一日だったと思います。知らない人に助けられた、励まされた、仲良くなった、絆が強まった、ニンジンを克服した…逆に伝えたいことが伝えられなくて悔しかった、泣いちゃった、怒っちゃった…そんなこともあったんじゃないでしょうか。
そんなこと全てをゆるーく包み込んで、全部「それでいいじゃない!」と言い合える仲間であれたらいいなと、僕としては思っております。そんな経験をこれからも積み重ねれば、きっと何かが変わってきます。きっと何かが見つかるはずです。学校の成績が悪くても、嫌いな食べ物が多くても、家でご両親に怒られても、永山ホビーキッチンでは「きみは大したもんだよ!」と言ったり言われたりする場所。そこからリスタートできれば、別にいいじゃない!過度な平等、過度な正しさで息苦しくなるよりも、もっと自由に身軽に暮らしませんか。そのために、ちょっとだけ他人に寛容になれれば。ちょっとだけ他人の気持ちを考えてあげれば。ちょっとだけ他人のお手伝いができれば。そうすればあなたの心も、いつの間にか軽くなるはずです。

そう信じながら、次月からも楽しく活動したいと思っております。
興味を持ってくださった方、また来たいと思ってくださった方、来月もスタッフみんなでお待ちしていますね!

※次月は11/17(日)、永山住民センターでの開催です。
半年以上関わってきたお子さん達にも少しずつ変化が現れてきています。そろそろ「大人は一切口出し禁止」の『こども会議』を開催できるんじゃないかな…と思っております。子ども達のやりたいことを自由に発案し、「どうやったらできる?」を考え、実行するために、子ども委員みたいなものも用意できたらいいなーと思っています。お金がないなら集めたり稼ぐ方法を考えればいい、物が無いから持ってそうな人を探せばいい、作る技術が無いなら技術のある人を探しにいけばいい。そうやって地域でこどもが主となり駆け回ることができれば…そんな光景に感化される子どもが増えれば…きっと子どもの力で、お祭りだってできるはず!
…と思っているのは僕だけかもしれませんが、それを実現させるために、僕も頑張りたいなと思っています。

※加えて、11/17(日)、スタッフ内で「フリーマーケット」を再開したいと話がありました。ご興味ある方、むしろ一緒に開催したい方、お知らせくださいませ!

団体公式Lineはこちら

団体インスタグラムはこちら


いいなと思ったら応援しよう!