泥んこあそび
大きくなるとできることが増える
できないことはもっと増える
見つける度に振り返り 地面を叩いて確かめて
平らに似せたこれまでに 大丈夫だと言い聞かせる
泥だらけの手は服でぬぐって 見定めた一歩はぬかるみに落ちた
ほらまたひとつ こんにちは
靴にまとわる泥たちも 他の人なら使えたろうか
もういいかい もういいよ
そのままその場にしゃがみこむと とぷとぷ寄ってきたのは温度
冷たいだけでもなかったのだと 靴の底は知らなかった
乾いた時に積み上げたなら あの坂をのぼる階段になるかい
まどろみの中で浮かんだのは 馬鹿げた空想か見いだした予感か
まだ動かせる右足を 僕は小さく蹴りあげた
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