「もっと大人だと思ってた現象」がなぜ起こるのか？

子どもの頃、30歳の人って
だいぶ大人なイメージがありました。

でも、残念なことに
実際に年齢を重ねていくにつれ
意外とそうでもないことがわかってきました。

果てしなくどうしようもない30歳もいるし、
果てしなくものすごい30歳もいます。

僕はこの現象をそのまんま
「もっと大人だと思ってた現象」
と名付けています。

小学生中学生くらいのころ、
学校の先生はみんな
ちゃんとした大人だと思ってました。

そういえば25歳くらいの
できたてホヤホヤ先生がいましたし、
50歳くらいの完熟貫禄先生もいました。

でも、当時の僕は
その差があんまりわからなくて
どの大人も『大人』に見える。

中学1年生から見た中学3年生は
たった2年差でも結構大きな存在です。
一方で、中学1年生から見た大人は
30歳でも50歳でもだいたい同じです。

僕はそう見えました。

どうして子どもから見た大人は
みんな大人に見えるのかと言うと

大人が子どもの前では
大人ぶっているから。

子どもと接しているときに大人は、
無意識に『大人モード』になっているわけです。
たぶん少し”けしからん星人”になっていて
上司といるときよりふんぞり返っているはず。

ピカチュウのお面をかぶると
みんな顔面だけはピカチュウになりますよね？

あれと同じで、

子どもを発見した大人は
「子どもがいたぞ！」と
スチャッと『大人のお面』をつけます。

子どもと接しているときの大人は
大人のお面をかぶっているので
みんな同じような”大人”に見えるわけです。

で、大人同士だと
お面をかぶらなくても良い場面が増えて
「もっと大人だと思ってた現象」が発生します。

「もっと大人だと思ってた現象」が起こるのは、
過去に見てきた大人がお面をかぶっていたから。です。

『化けの皮が剥がれる』とは、このこと。

たとえば

赤ちゃんや小さい子への
「かわいいでちゅねー」

本人はまず使わないような
過度退行した『赤ちゃん言葉』があります。
これも若干大人お面をつけて接している状態。

僕は当時、子どもながらに
（子ども扱いするなよ。）
と不審がっていた記憶があります。

お面をかぶったウソっぽさに気づいていたんでしょう。

子どもに人気がある大人って
大人のお面をわざわざかぶらない人です。

子ども扱いも大人扱いもせず
あくまで対等に接している印象があります。

・・・そういうのってバレますよね。

「子どもを守るのが大人の務めだ！」
これは確かにそうです。間違いないです。

でも、子どもを守ることと
大人の態度を向けることは
必ずしもイコールにはならないはず。

大人ぶっていれば
子どもを守れるわけではないですね。

少し年上のお兄ちゃんだって
必死で弟や妹をかばうことはできます。
盾になろうとする子もいます。

無理して大人ぶらなくても
みんなそれなりにパワーはあって
誰かを守れるんだと思います。

「大人」なんてただの言葉で、
大人っぽい子どもっぽい男っぽい女っぽいは
形の定まらないイメージでしかありません。

雲みたいなフワフワしたものです。

つかめないものをつかもうとするから
苦しんで迷い込んで虚しくなります。
ものすごい無力感が押し寄せてきます。

そりゃそうだ。

本当は、大人だって子どもだって誰もが
つかみどころのない存在なんですから。

大人なんだから
子どもなんだから
男なんだから
女なんだから

こういうのはお面をかぶらせようとしている行為なので
もし気づいたら、かぶらないようにした方が
自分にも相手にもウソつかないようになります。

お面をかぶらされ続けていたり、
本人も気づかずに、かぶり続けていたりすると
ウソっぽい人間になってしまって
自分もそれに苦しんでしまうことになります。

最近の悲しいニュースを見ていると
お面をかぶらされ続けた人が
結構多いような気がします。

加害者も、もともと被害者だったんじゃないかと思います。

僕も無意識のうちにお面をかぶっている時があるので
気をつけなければと思っています。

かぶりっぱなしの人生は
やっぱり寂しいですし、
認められている感じが薄れると思います。

お面を褒めてもらっても
あんまりうれしくないですよね。蒸れますし。

ただ、素の自分を探そうとすると
「素の自分」のお面をかぶってしまいそうなので
ここがややこしいところです。

「ありのまま」のお面って
意外とやっかいです。

ウソっぽい素。ウソっぽいありのまま。

なので、
わざわざ架空の人格を目指そうとしなくていいので

「お面をかぶっているかも？」

と自問自答できれば
その瞬間は外れた状態になれると思います。

「お面をかぶっている」状態に
気づけるかどうかが大事です。
気づけば勝手に外れると思います。

寝る時はメガネと一緒にお面も外してます。
日中でも気づければ大丈夫だと思います。

お面をかぶっていることに気がつけば
毎日はもっと楽になるんじゃないかと思います。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。

nagatouch