見出し画像

マリーゴールドを育てたのは誰なのか?

唐突ですが、以下の企画に参加することにしました。

僕は普段の仕事で、自律神経失調症やパニック障害の方と接触する機会が多いのですが、学校の先生は定番の職業なのですよ・・・。

この企画を立ち上げたフォロワーさんの投稿は普段から拝読していて、どういうお考えをお持ちなのか理解している(つもり)ことも、参加を決めた理由のひとつです。

何より、つい最近、クライアントさん(学校の先生ではないです)から、条件を満たす興味深いお話を伺ったばかり、これが1番の動機ですね。

というわけで、今回の投稿は普段と趣向が異なりますが、最後までお付き合い戴けると嬉しいです。

1)不満の種

※実際にご利用くださっている方の中にも、当院のnoteを読んでくださっている方が増えてきました。念のために、話の展開に支障のない部分は若干設定を変えています。ご了承ください。

緊急事態宣言が解除されて間もないころ、定期的にご利用してくださっているクライアント様がご来院くださいました。ちなみに小学1年生のお母さんです。

学校が休みだった期間中、かなり大変だったご様子で、色々と聞かせてくださいました。

旦那さんとお嬢さんが在宅することになったため、3食準備する必要があり、自分の時間が殆ど皆無になったのだとか。それはストレスが溜まりますね。

さらに厄介なことに、学校から大量の宿題を課せられたそうです。宿題とはいえ、子供が自力で出来る範囲を超えており、保護者が教えながら進めることが前提になっています。

1年生のお嬢さんの他、6年生に上のお嬢さんがいらっしゃいますので大変です。どうやら「先生がやるべき仕事を押し付けられた」という印象があるようでした。

その中でも、特に不満を感じているのが、植物の観察日記とのこと。小学生では定番ですね。クラスメイトと朝顔や向日葵を育てて、夏休みには当番制で水をあげるために登校していました。懐かしい。

ところが今年は、3種類の種を渡され「自宅で蒔いて育てつつ、観察日記を書いてね」という方式になったのだとか。あー、うん、確かにこれはメンドクサイ・・・けど仕方ないかな?

2)観察日記

マリーゴールド2

3種類の内訳は、アサガオ、マリーゴールド、もうひとつは・・・失念しました、すみません。この中からひとつ選び、育てるのですが、お嬢さんは迷うことなくマリーゴールドを選択。

その後、毎日欠かさず水をあげたお陰か、マリーゴールドは順調にすくすくと育ったそうです。

僕    「それで、何がお気に障ったのです?」
ママさん 「ご覧になります?」

と言いつつ、バックの中をガサゴソし始める。持ち歩いていらっしゃるのね・・・。どうやら僕に選択肢はなさそうです。

拝見すると、小学1年生らしいスケッチの隅に、先生のコメントがこう記されていました。『これはマリーゴールドではありません』

不覚にも笑いのツボにはまり爆笑してしまいました・・・。この先生は良い味だしていますね。きっと真面目過ぎるのでしょう。

ママさん 「なにか面白いですか?確かに上手な絵ではないけど・・・」
僕    「あぁ、すみません、違うのです、誤解なのです」

ママさん 「誤解って?」
僕    「絵の上手い下手ではなく、本当にマリーゴールドではないのだと思います」
ママさん 「え?」
僕    「マリーゴールド以外のどちらかという事です」

その日の夜になり、先生が家庭訪問されたそうです。そう、同じくらいに成長した本物のマリーゴールドを持って。

緊急事態宣言の解除直後は、午前と午後の部に分かれて授業をするため、自ずと訪問できる時間も遅くなってしまいます。別に先生のせいではないのですが、しきりに恐縮していたそうです。

3)マリーゴールドを育てたのは誰なのか?

マリーゴールド

ここで注目したいのが、なぜ予備のマリーゴールドが存在するのかという事ですね。もちろん、不測の事態に備えた成果なのですが、これは簡単な事ではありません。

何せ1種類ではありませんからね。3種類の種が各家庭に届けられたという事は、生徒がどの種を選ぶのかは完全にランダムです。もしかしたら、アサガオ40、後は0という極端なパターンだって考えられます。3種類均等に蒔くわけにはいかないのです。

さらに、その予備を「どこで育てるのか?」おそらくは、本来なら生徒が利用する予定だった学校の花壇でしょう。では「誰が育てるのか?」言うまでもありません。先生ですよね。

種を蒔いて、水をあげていれば育つかと言えばそんなことはありません。花壇なら雑草も生えます、虫もつくでしょう。それを40人分たった1人でやるのです。大変ですよ?同僚の先生と分担できるのは、せいぜい水をあげることくらいでしょう。

何よりも、この作業は脚光を浴びることがない、あくまでも不測の事態に対する備えなのです。

当然ですが、本来の業務は他にあります。いきなり休校になり、再開の日時は一転二転しました。そのたびに、スケジュール管理を見直し、宿題に回すことが可能な内容、授業で優先して教えるべき内容を決定したのでしょう。

それと並行して「植物も育てていた」そういう事です。部外者からは、決して見える事のない業務が、きっと他にもあるのでしょうね。

幸いにも、僕はクライアント様を通じて、知ることができました。先生達の影の努力に敬意を表すると共に、noteを通じて皆さんにも知って戴けたら、と考えた次第です。

なお、余談になりますが、マリーゴールドではない新芽は、アサガオでも、残るもうひとつの種でもなかったそうです。完全に謎ですね・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?