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関西弁の敬称「はん」の持つ意味
noteでは、「師範」や「先生」という敬称をつけてくださる方がいらっしゃいます。
幾度となくお願いしてきましたが、正直やめて欲しいです。
「まだそんなこと言ってるのか」と呆れられそうですから自重しますけれども。
1)「はん」は京都弁?
さて、今回は敬称のお話なのですが、一般的に広く使用されているのは「さん」ですよね。ところが、関西にはもうひとつ「はん」があります。
西宮市は大阪と神戸の真ん中あたりに位置しますので、転勤等で他府県から移住してきた方が多いのですが、敬称に「はん」を付けられると戸惑ってしまう様です。
関西以外にお住まいの方にとって、「はん」は京都弁の印象が強いかもしれませんね。
元々は京都弁ですので間違いではないのですが、船場言葉を経て関西圏全域で使用されるようになりました。
船場言葉とは何かと言いますと、庵忠さんが面白おかしく記事にしていらっしゃいましたので、こちらをご覧ください。
それで、関西で用いられる敬称ですが、実は以下の様な序列があります。
「さん」>>>>>「はん」
両者の間には、決して超えられない壁があるのです。
イメージしにくいかと思いますので、具体例を挙げてみましょう。
「お稲荷さん」「天神さん」
言わずとも知れた関西を代表する神社ですが、「お稲荷様」、「天神様」と呼ぶ人は殆どいません。
要するに関西で「さん」は、最大限の敬意を表しているのです。
敬語といえば、遠入先生。僕はここで、間違った敬語の使い方を幾度となく指摘、訂正して戴きました。
2)「はん」が持つ意味
一方、「はん」を使用する意図は、大きく分けて2種類あります。
まずは、親しみを込めて呼ぶ場合がそうです。
「○○はん、おはようございます」と敬称で呼んでいる場合、「○○さん、おはようございます」よりも、周囲からは「親しい間柄なのだな」と解釈されます。
そしてもうひとつ、序列を明確にしておきたいケースでも、「はん」を使用することがあるのです。
「そらないで、○○はん」こんな感じでしょうか。
ちなみに、標準語に直すとこうなります。
「それは横暴が過ぎますよ、○○さん」
そういうわけで、まかり間違っても「お稲荷はん」、「天神はん」などと、不敬を働く人はいないでしょう。
どちらを意図しているにしても、「さん」>>>>>「はん」この図式は絶対なのです。
3)素敵なnoterはん
さて、noteのコメント欄にて、僕に対して「はん」を付けて呼んでくださる方が、お2人いらっしゃいますのでご紹介します。
まずは、@瑛香さん。詩と絵が得意で、両者を中心にアカウントを展開中です。
詩の良し悪しを論じる教養も知識もありませんので絵についての印象を少しだけ。
もう上手いとか、似ているとかいうレベルを超越しています。誰を描いた絵なのか説明するまでもありませんよね。見事なものです。
次に、@私の戦闘力は53万ですさん。
某人気漫画に登場するキャラクターの有名な台詞ですが、「私の戦闘力は53万です」と告げられた時、日本各地の少年が絶望したに違いありません。
この台詞をアカウント名に採用できてしまうセンスが羨ましいです。しかも冷蔵庫のアイコン、IDは53000ですから、どう考えても只者ではないでしょう。
企画が盛況を極めるのも頷けるお話です。
ところで、お2人がどちらの意図を持って「はん」と呼んでくださっているか気になりますね。
① 親しみを表現するため
② 序列を示すため
もちろん、①だと信じていますとも。
皆様方におかれましては、初対面の人に「はん」を使うのは控えた方が良いですよ。
あらぬ誤解を招きかねませんので、くれぐれもご注意ください。