冷却グッズが健康を損ねるケース
このところ、どういうわけだか寝違えでお困りの方が急増していました。
寝違えは、冬、もしくは冬から春に掛けて季節の変り目に増加する傾向があります。
寒冷刺激を受けると血流が低下し、筋肉の柔軟性が損なわれます。
それに加えて、寒いと思わず肩をすくめてしまう機会が増えますので、首周辺の筋肉は負担が大きくなる時期というのが主な理由です。
夏なら自然と血流は増加し、肩をすくめることもありませんので、結果的に寝違えは発生しにくくなります。
そういうわけで、何か原因があるのか単なる偶然に過ぎないのか気になり、生活環境を尋ねてみたところ意外な共通点が見つかりました。
夏用の冷却グッズで首を冷やしていらっしゃったのです。
皆さんも見かけた事があるのではありませんか?もしかすると、愛用していらっしゃるかもしれませんね。
冷凍庫で冷やしてから使用する輪っか状の例のあれです。
首は表層付近に太い動脈が走っていますので、冷やせば効率よく体温を下げることが可能ですから、理に適ったアイテムだと言えます。
とはいえ、使用する際には注意も必要なのです。
打撲、あるいは捻挫でも構わないのですが、痛みを抑えるために患部を冷やす事がありますよね?
冷却された部位では、血管が収縮し血流が低下するため、炎症範囲の広がりが抑制され痛みも軽減します。
その反面、延々と使い続けると血流が低下したままになってしまい筋肉が弛緩しません。
つまり、肩こり・首こりを誘発しやすい状態になるのです。
肩こりや首こりとは無縁の方なら、たいした問題にはなりませんが、慢性的に症状があった場合はどうなるか?
ただでさえ、血流が悪く筋肉が緊張していたところ、冷却する事によってさらに血流を低下させるのですから、肩こり・首こりは悪化し寝違えが起こりやすくなってしまいます。
寝違えた方に詳細を尋ねると、冷却アイテムを複数所持し、冷気が弱まると交換して使用している方が目立ちました。
こうなると、血流が回復する時間が極端に短くなり、健康を損ないかねません。
せっかくの優れたアイテムなのですから、安全にご利用くださいませ。