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パイナップルを食べると舌がしびれる理由

「またパイナップルかよ」と思われた皆様、すみません、本日もパイナップルです。

先の投稿に戴いたコメントを拝見した結果「書いておくべき」と判断しました。

さて、皆さんもご存知、kojuroさん。律儀でいつも気配りを忘れない御方。いや、社会の模範ですね。まったくもって素晴らしいです。

とはいえ、全ての長所は短所になり得ます。この記事を拝読すると嫌な予感しかしません。

1)舌がヒリヒリする理由

先日投稿した記事、およびコメント欄に「たくさん食べられるものではない」と書きました。

単純に、お腹が一杯になってしまうだけではなく、食べ過ぎると舌がしびれてしまうのです。

その原因は、パイナップルに含まれている成分の「プロメライン」にあり、タンパク質を分解する特性を持ちます。

要するに消化酵素ですが、その特性は肉系の料理でも応用されています。

代表的な料理だと酢豚でしょうか。パイナップルを入れておけば、たんぱく質を分解してくれますので、お肉が柔らかくなります。

余談になりますが、60度以上で加熱するとプロメラインの分解酵素は機能しません。

この辺りを踏まえて調理しないと、酢豚にパイナップルを入れる意味がなくなってしまいます。


話を戻しましょう。なぜ舌がしびれるかでしたね。

普段、舌は粘性のある唾液により、しっとり湿っていますが、パイナップルを食べると唾液に含まれるたんぱく質が分解されるのです。

そうしますと、剥きだしに近い状態になってしまい、酸味の刺激を受けて舌がヒリヒリします。

唾液は順次分泌されますので、舌に異変を感じた段階で食べるのを止めれば、しびれは解消しますのでご安心ください。

とはいえ、舌がヒリヒリした状態でも、食べ続ければ本格的に損傷する可能性があり、口の中は確実に荒れてしまいます。

普通の人はそこまでしないと思いますが、フードロス・ハンターは常識では量れないのです・・・。

2)しびれないための対策

いったん60度以上で加熱すれば、分解酵素は機能しませんので酢豚等の料理に使う、というのがひとつの選択肢になると思います。

とはいえ、それは違うような気がしますよね。パイナップルが大量に入った酢豚に魅力は感じません。

しびれの原因となる酸味(シュウ酸カルシウム)は、熟す前の固い部分に多いです。

言い換えると、完熟した部分を食べればヒリヒリする可能性は低くなります。そのうえ甘いのですから「熟したパイナップルを食べる」これが理想でしょう。

乳製品と一緒に食べるのもオススメです。

乳製品のたんぱく質が分解されますので、そのぶん舌の粘膜は少し余裕ができます。

ヨーグルトであえると、両者の持ち味を打ち消してしまう事なく調和できるでしょう。

以上を踏まえて、パイナップルを美味しく戴く方法を理屈で考えるとこうなります。

まずは、パイナップルを単体で楽しみます。ただし、酸味が強い部分から食べましょう。食べ始めであれば、舌を保護する粘膜は健在です。

その後は、熟して甘い部分を存分に堪能します。酸味は弱いため唾液のたんぱく質が分解されても、それほどダメージを受けません。

〆として、舌がむき出し状態になった頃、満を持してヨーグルトあえを投入します。

いや、たくさん食べる事を前提にしているのも、おかしな話ですね。適量に留める、これが最良です。

※ パイナップルアレルギーの方は注意が必要です

3)パイナップルの魅力

プロメラインに酸味、パイナップルが厄介な果物という印象になってしまってはいけません。魅力についても書いておきましょう。

前述しました通り、たんぱく質を分解する働きを持ちますので、胃の消化活動を補助してくれます。食後(食前でも可)のデザートとして優秀です。

さらに、パイナップルは不溶性食物繊維が豊富なのですが、水分を吸収して膨らむため、空腹を感じにくくなります。もちろん、食物繊維ですから便秘の解消にも効果的ですよ。

要するに、健康や美容、ダイエット向きの有難いフルーツだと言って差し支えありません。自信を持ってオススメします。

4)追記(R3年3月14日)

戴いたコメントを拝見すると、予想以上に舌がしびれた経験をしている方が多かったです。

「食べ過ぎたりはしないだろう」という方まで含まれていて驚きました。

中でも「完熟したパイナップルを食べ過ぎて舌が使い物にならなくなった」との証言が。

さらに別の方は「パイナップルを食べると舌を切る」とのこと。

食べ過ぎたのならともかく、適量で舌を切るのは不可解です。とすると、アレルギー反応の可能性がありますね。

パイナップルアレルギーだと「2」でご紹介した対策程度では、意味をなさないケースも考えられます。少し食べて反応を観察してください。


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