モスクワへのドローン攻撃にわたしが思うことー歴史をふりかえって
【戦争の話 ドローン攻撃にわたしが思うこと】
モスクワへのドローン攻撃が続いてるみたいですけど、これは反体制派かウクライナなのか良くわかってないのですけどね。
こういう攻撃が何が狙いなのか。
そこは分かりません。
テレビではドローンによる首都攻撃が新しい戦争の形だと専門家の人も指摘していますが、そうではないように思います。
ウクライナとしては国内の戦争からロシア国内の戦争にしたいのは確かでしょう。
しかし、こうした無人兵器による無差別攻撃は逆効果になります。
第二次世界大戦中、ドイツはバトル・オブ・ブリテンに失敗してから、イギリスがあくまでも抵抗するならと、ロンドン攻撃を行いました。
通常の空爆だけでなく、無人攻撃兵器V1号とV2号を放ちました。
V1号は爆弾にパルスジェットエンジンと翼をつけた無人の飛行爆弾です。V2号は液体燃料式ロケットエンジンで飛ぶ、誘導弾で、今でいうミサイルでした。
V1号は時速600キロで飛行するので、戦闘機で追尾して撃墜することが難しく、V2号に至っては、音速で落下してくるので防ぎようがありません。
ヒトラーはこの兵器によって、ロンドン市民に恐怖を与え、厭戦意識を掻き立てて降伏させようという心理戦を行ったわけです。
V1号もV2号も特定の目標へ着弾することは想定されていませんでした。そのために市民の被害は尋常じゃなかったのです。
しかし、ロンドン市民もイギリス人も決して降伏することはなかった。
むしろドイツに対しての憎しみを掻き立て、徹底抗戦の意識を増大させただけでした。
無人兵器って、人間が乗っていないから無人兵器です。
通常爆撃なら、爆撃機に「命懸けで」ドイツ兵が搭乗して爆弾を落としにくる。
中世の戦争なら馬に騎兵が乗って槍をかかげて突撃してくる。
攻撃には違いはないですが、無人兵器に対して心理的に人は決して感情移入しません。
人間を介さないという攻撃は攻撃効果に見合う心理的効果は得られないどころか、逆効果になるのです。
日本の特攻兵器がアメリカ兵の精神に大きな影響を与えたのは、人間ごと爆死するという人間を介する「狂気」の攻撃だからでした。
当時の従軍牧師の話が残っていますが、特攻兵器によって精神を病むアメリカ兵の厭戦ムードが酷かったと語っています。
無人兵器は、不気味であって、そこには敵の卑怯さを感じさせるだけでしょう。
ウクライナの奴らめ! という憎しみを煽るだけです。
反体制派がやっているにしても、ウクライナがやっているにしても、わたしはドローン攻撃はV号兵器と同じことになる可能性があるとわたしは考えています。