⭐️天国に旅立った文太郎⭐️
保護していた、ケガしたカナブンの可奈文太郎が天国へと旅立ちました。
お腹いっぱい昆虫ゼリーを食べて、土の中に潜って、眠ったまま短くて長い命を終えました。
駅の自動改札機の谷間に転がっているの見つけたのが2週間前。
文太郎との出会いは
このひと夏の思い出となりました。
文太郎が幸せだったか?
一度しかない命の最後の2週間、少しでも文太郎が幸せであったらいいなと思います。
子どもの頃、ケガしたクワガタ虫を保護したことがありました。
30代の時に、その思い出を詩にしたことがあります。
この詩を大切なお友だちだった文太郎に捧げます。
思い出の故郷の山の写真とともに……
たくさん、生きてくれて
文太郎、ありがとうね
🍀くわがたむし
君が僕のところに来たのは
木洩れ日がぎらぎらしている
夏の暑い日だった
背中に大きな傷があって
君は元気がなかった
うちへつれて帰って
お菓子の白い箱に入れたね
蜂蜜や砂糖水を
綿花にふくませて
君はすごい勢いで
食べたもんだ
すぐに死んでしまうかと
思ったのに
君は毎日箱の中を
ごぞごぞ歩き回って
僕は嬉しかった
僕の名前を一字とって
君に名前をつけたね
君はものを言わない
でも ともだちだった
僕が君と別れたのは
夏も終わりに近づいた
夕焼けの空の下だった
元気になった君を
あの木の幹にとまらせて
僕は振りかえらずに
はしったね
涙がこぼれてのどがいたかった
時はすぎゆき
なんど夏が通り過ぎたろう
残ったのは君との思い出
せみの声につつまれて
今でもあの木は
あの林の中で
ひっそり たっているんだろうね