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実話 011 countdown
2001年12月31日(月)、ニューヨークはめちゃくちゃ寒かった。
究極のテロに見舞われてからたった3ヶ月そこらのタイムズスクエアには、カウンドダウンを待つ人々で17時位から歩く隙間もない。
19時を過ぎても、日本人代表かのように、群衆の中でずっと立っていた。寒かった。(当時住んでいたマンハッタン108丁目に)帰りたい衝動と、ここまで待っちゃったっていう葛藤の中で、ずっと立っていた。何の前座も余興もない。100万人くらいが、わらわらとひたすら24時を待っている。
かなり良い位置に立っている。良く、タイムズスクエアのカウントダウンという説明で出てくるような位置で立っている。帰りたいけど、絶対に動けない位置だ。
22時を過ぎた。何も起こらない。とにかく、あと2時間この寒さを忘れる努力をするだけだ。カウンドダウン・タワーのNissinカップヌードルの看板が、日本人よ諦めるなと励ましてくれる。(今は無くなっている)
カウンドダウンを唱えると、2002年になった。群衆が一気に散らばり始める。そう、トイレ行きたいのよ。