実話 005 piano

大学の頃、関西から来ても九州から来ても
東京に居ればそれはどちらも西から来た田舎者

取らなくてもどうにかなる授業をさぼって
関西出身の良介の下宿に上がり込む
すでに彼は濃いコーヒーを1リットルくらい淹れて
準備ができていた

ショパンの雨だれを弾いてくれる
晴れてようが雪だろうが弾いてくれる
その日持ち込んだ恥ずかしさや悔しさを
洗い流してくれる

ロン毛で楽器ができるのって
羨ましい
最近便りが来た
ギターも弾けるらしい

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