トーマス・キルマン・モデル
前回はコンフリクトと5つのスタイルについてまとめました。
今回は、5つのスタイルのポイントについてまとめます。
競争
自分の立場を主張していくスタイルであり素早く解決できます。
迅速な対応が必要であったり、組織にとって重要な決断が必要だったりするときに用います。
ただ単に、「これしろ!」と言うだけではなく、自分の主張を実践することで、現在挙がっている互いに抱えている問題を解決できることも合わせて訴える必要があります。このスタイルは、組織内である程度のパワー(権力)がなければ取れないスタイルでしょう。
「競争」で対応するなら、普段から相手との関係構築を怠らないことが重要です。「競争」での対応は、互いの関係が緊張状態になります。場合によっては、相手に陰性感情を植え付けたり、モチベーションを下げたりする可能性があります。
協働
互いに尊重し合いながらWin-Winな解決策を探します。より質の高い解決策が望めますが、その分時間を要します。理想的には、重要な問題には「協働」で臨みたいところです。一方的な意見になっていないか、両者の問題として認識しているか、常に確認して、話を進めていきましょう。
妥協
互いの要求水準を下げて、部分的に解決するスタイルであるため、公平性を確保し、互いの関係性を維持できます。さほど重要ではないが迅速に決める必要がある問題を取り扱うときや、公平性が重要な問題を取り扱うときなどに用います。
落としどこの探り合いになるので、相手の心配事・懸念事項を確認し、許容上限はどこか(譲れる範囲はどこか)を確認しておく必要があります。話し合いが上手く進まない場合は、自分の譲歩できない部分を明確にして、相手から妥協案をもらうように勧めていく場合もあります。
回避
その場で解決せず回避するスタイルなので、権限がない問題を取り扱う時に時間を稼ぐことができます。重要性の低い問題を先送りにすることも可能です。また、互いに怒りの感情で対立している場面では、怒りのサイクルを断ち切るためにも使うことができます。ただし、「この人、人間的に嫌だから…」と言って人を避けることはしてはいけません。
回避のスタイルを用いる場合は、責任逃れにならないように、話し合う次の時間を設定したり、できるだけ好意的に対応したりする必要があります。
適応
相手の意見を受け入れるため、迅速に解決できます。積極的に相手の話を聞くことが大事。傾聴の姿勢が大事です。
注意すべき点は、「言えばなんでも言うこと聞いてくれる」と軽んじられる可能性があること。やりすぎると権威を失います。使う場面は吟味する必要があります。
日常生活では常にコンフリクトがあります。職場だけでなく、日常生活でもちょっとごちゃごちゃした問題だけでなく、大火のように燃え盛った問題を対応しなければならないときがあります。
5つのスタイルを使い分ける能力は日ごろ意識して磨くことがスキル修得には必要です。よく取っているスタイル(おそらく無意識に取っているスタイルでもある)だけでなく、苦手なスタイルも練習することが望ましいです。
Let's do conflict management!
参考書籍
コンフリクトマネジメント入門 -TKIを用いたパフォーマンス向上ガイダンス - (TKI)
本書籍は、職場やチームでの対立を効果的に管理し、パフォーマンスを向上させたい人々を対象としています。具体的には、マネージャー、リーダー、人事担当者、そしてチームメンバーが主な対象です。この書籍を読むことで、トーマス・キルマン・インストゥルメント(TKI)を用いたコンフリクトスタイルの理解と適用方法を学ぶことができます。コンフリクトを以下に建設的に建設的に解決し、協力的な環境を作り出すスキルが身につけられます。自己認識を高め、他者とのコミュニケーションを改善するための具体的な戦略も提供されまます。