「効果音」がもたらす音楽の制作プロセス|自然音のミックスの秘密を公開します!
スタジオイオタ代表の前田紗希(@nagareruiota)です。
私たちは、歌のない曲を制作する上で「自然音」をよく活用します。
でも、みんなが知らないのは、その自然音を収録するために私たちが実際に足を運んでいるってこと!
音楽制作の工程を紹介するので、ぜひ見てください♪
自然音から生まれる音楽の醍醐味🌿
いま、私の前では鳥が「チュンチュン」と鳴いています。
この自然音を収録していくわけですが、職業音楽家は楽曲を制作する際にひらめきだけで制作をしているわけではなく、楽曲を構築するために様々な情報を集め、分析し、アイデアを生み出しています。
無から何らかのアイデアを生み出すプロセスを、ざっくり箇条書きにすると下記のようになるかと思います。
リファレンス音源を集める。
YoutubeやSpotifyに飲み込まれちゃうほど聴きまくって、気になる部分は手書きでメモする。
いわゆるアナリーゼと呼ばれる分析をおこないます。自分なりのアレンジをして弾いてみる。
ここで私はピアノやドラムを使って演奏しながら、曲に合う自然音を想像します。アイデアを形に!
とにかく録音!仮案としてフリー素材の効果音をいっぱい入れてみます。レコーディングが楽しくて仕方ない。評価!
どこをどう改善すればより良くなるかを考えます。
どんな自然音を収録しに行こうかな?🌿
とまあ、アイデアを生み出すためには適切な準備が必要であり、場合によってはアイデアを生み出す時間よりも、アイデアを生み出すための準備のほうが多くの時間をかけることは珍しくありません。
効果音の収録ですが、『4.評価!』の部分として捉えています。
いきなり録音しに行くんじゃないんですね。
録音時に気をつけること!
アイディア出しが済んだあと、
自然音を求めて収録へと向かいます。
動きやすい且つガサガサ言わない素材の服、足元は滑りにくい靴がベターかと思います。
野外は風が強かったりたり、虫が飛んできたりしますので、場合によっては防寒や虫除け対策しておくといいかもしれません。
収録機材については詳しく書かれているサイトがあると思うので割愛しますね。
滝に到着、いくつか素材を録音する
富士山の湧き水が流れる滝で、ものすごく水が綺麗!
自然豊かな中での時間が最高すぎて、日常を忘れて楽しんでます♪
ここで対象物からの距離について比較してみましょう。
水の音(遠くから録音)
水の音(近くから録音)
違いませんか?
近くからの音は水流音と分かりやすく、
遠くからの音は、空気をまとっている感がありますね。
さらに『近くから録音』の中で、場所を変えてみましょう。
水の音(近くから録音・石のある場所)
石にぶつかってチャプチャプと水が跳ねているおかげで、
水の音としてわかりやすい素材になっています。
このように収録する距離や、場所を少し変えるだけで、違ったイメージになります。
さらに真夏の時期は水量が減ることもあり、季節によって少し印象が変わることもあるようです。
素材はいくつか録音しておくのがよさそうですね。
音楽のミックスの秘密を公開します!
音楽家は、ひとまずアイデアをざっくりと形にしたうえでメンバーやお客さんに見せたりしてフィードバックを集めることも多いでしょう。そのうえで、最終的な成果物を目指して作り込む。もちろんここにも多くの時間がかかります。
その際に我々はミックスと呼ばれる作業をしながら少しずつ完成度を高めていくことが一般的です。
ミックスについて何がいいかと考えると、「人それぞれ」と前置きをせざるを得ないのだけど、現時点で私が処理するであろう工程について公開していきます。
あらゆるノイズを軽減しよう
ノイズリダクション(noise reducer)
音を収録する場所において、対象とする音以外のその場所に存在する望ましくない音を除去します。
ディエッサー(Deesser)
狭い帯域で調節していきます。
イコライザー(EQ)
濁りを取ったり、スペースを作っていきます。
サウンドを補強しよう
いらない帯域を削ったら、次は補強です。
ハーモニックエキサイター(Harmonic exciter)
ミックス内での音の抜けをもっと良くしたい、ローエンドを補強したいといった場合に使います。
リバーブ(reverb)
音に残響音や反射音を加えることで、空間的な深みや広がり感を出していきます。例えば楽器と自然音が同じホールで鳴っているような統一感を演出することができます。
ダブラー(Doubler)
音に広がりを持たせたい、音に迫力が足りない悩みを払拭するお手軽プラグイン。センド/リターンで掛けます。
サウンドをなじませよう
真空管・テープ・Lo-FI
「太さ」「キャラクター」「歪み」などをトラックに追加し、音を馴染ませていきます。また、わざと汚すことで浮きがちな自然音が楽曲に溶け込んだりもします、不思議ですね。
サウンドを生き生きとさせよう
ボリューム・オートメーション(Volume)
音に強弱を加えて、サウンドにアクセントを付けると、
場面にグッと展開が広がります!
おわりに
近年AIの進化は素晴らしく音響領域においても大きな変化をもたらすことは間違いなく、それに伴い役割にも大きな変化が生じるでしょう。
自動で作曲が出来てしまうのですから、効果音などはAIやフリー素材で十分と聞くことももちろんありますが、人間にしかできないよりクリエイティブな仕事に費やしレベルアップするチャンスであるように感じます🌳
【studio iota label】
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