流星光

【ながれぼしひかる/男性/既婚】元漫画家//漫画アシスタント/背景描いて売る人/英語ゆ…

流星光

【ながれぼしひかる/男性/既婚】元漫画家//漫画アシスタント/背景描いて売る人/英語ゆるく勉強中。趣味:草野球/読書/ボールペン字/散歩。猫の世話係歴21年。20年前にタバコをやめて1年前酒もやめた人。ギャンブルやらない人。友達いない人。人類は250年後に滅亡すると思ってる人。

記事一覧

体が少しずつダメになってゆく…

前歯の差し歯のお話です。 以前から抜けてはくっつけ、抜けてはくっつけしていたのだけれども、いよいよ余命宣告を受けることとなりました。 僕の歯は、健康な自分の歯は…

流星光
10か月前

世界観を決めるための1p漫画 #006「弟子入り」

#006 漫画家になりたい理由を3つと問われ、 悩む羽美(うみ)ちゃん。 羽美ちゃんは、むかし漫画家をやっていた叔父さんに漫画の描き方を習って プロの漫画家になって…

流星光
2年前
2

世界観を決めるための1p漫画 #005「一番偉い漫画家」

#005 漫画界で、だれが一番偉いのかが気になった羽美ちゃんでした。 (流星光)

流星光
2年前

世界観を決めるための1p漫画 #004「日常は義務の山」

#004 気がつけば日常生活は義務の山…。 漫画家を引退して漫画アシスタントとして働く鳥飼超一郎。 生意気な姪っ子・鳥飼羽美(うみ)の弟子入りを受け入れ 漫画を教え…

流星光
2年前

世界観を決めるための1p漫画 #003 「昔の知り合い」

#003 しがない漫画アシスタント・鳥飼超一郎。 姪っ子の羽美(うみ)と街に出て 昔の知り合いが市長選に立候補して 大声で弁舌をふるっているところに遭遇する。 (流星…

流星光
2年前

世界観を決めるための1p漫画 #002「ドローン」

#002 小学生 鳥飼羽美とホームレスのじいさんたちとのからみ。 からんでないけど… なんか女子高生がランドセル背負ってる感じになっちゃったな。 (流星光)

流星光
2年前

世界観を決めるための1p漫画 #001「お金は道具」

漫画『Comfortable Room(仮)』は、 まだキャラがだいたい出来たくらいの進行状況。 世界観やキャラ同士の関係を確定させるためには、 ネームのような漫画のような落書き…

流星光
2年前

鉄の玉

ある日、空から鉄の玉が落ちてきた。 ジャガイモ畑のやわらかい土に、 その鉄の玉が半分ほどめり込んだ時、 そばには誰もいなかった。 しばらくして、下校途中の中学生ヨ…

流星光
2年前
3

あなたは神を信じますか?

「あなたは神を信じますか?」 駅から少し離れた路上で、僕は二人の裕福そうな男性に話しかけられた。 彼らは外国人で、ユニフォームのように同じスーツを着ていた。 「…

流星光
2年前

ぜったいに遅刻しない高校

30歳になった。 30歳の誕生日をむかえてしばらくたった日、 誕生日が近い高校時代の友人から連絡がきた。 「いよいよ30歳になったので、  俺もここいらで大きなことをし…

流星光
2年前
8

泥棒と猫

時刻は、20:00。 夜の8時である。 妻の小さな悲鳴を聞いたような気がして、 夫は、一階へ向かった。 妻が、開いたベランダから侵入してきた一人のおっさんと向き合って…

流星光
2年前
7

砂漠の二人

ユニとクジは、茶色く乾いた芝生がぽやぽや生える砂漠みたいな丘を二人で歩いている。 クジは仲良くしたいのに、ユニはいつものようにどんどん離れるように先を歩いている…

流星光
2年前
3

ぼくの家庭内隔離はこうして終わった

先週の水曜日に池袋という大都会で忘年会に参加した。 新型コロナが発生してから、 ほぼ初めて電車に乗って大都会で飲み会をした。 どうでもいい飲み会ならば、不参加で…

流星光
2年前

夢の中の話をきいてよ

どんな夢をみていたのか、完全に忘れた。 強い風が吹いて、霧が散らされるように。 とっかかりを思い出そうとして手を伸ばしても逃げてゆく。 残っているのは何となくの雰…

流星光
2年前

居酒屋のコンビニ

先日、忘年会をした。 とある雑居ビルの5階にあるその店は変わった作りの店であった。 入口のドアは鉄のフレームにガラス張り。 店内にはいると、会計所は無く、いきなり…

流星光
2年前

虫も殺せない男

年をとり、僕は虫一匹殺せない人間になった。 そう書くと善人と思われ、以前の僕なら嫌悪を感じたものだが。 人間年をとると、小さな命に思いをはせるようになるものだ。 …

流星光
2年前
体が少しずつダメになってゆく…

体が少しずつダメになってゆく…

前歯の差し歯のお話です。

以前から抜けてはくっつけ、抜けてはくっつけしていたのだけれども、いよいよ余命宣告を受けることとなりました。

僕の歯は、健康な自分の歯は、ほとんど無い。

ほぼ、なんらかの治療痕があったり、完全に人工のモノに置き換えられたりしている。

さて前歯ですが、
自分の歯の内部をきれいにくりぬき、そこにスポッとはめ込む形で人工の差し歯をスーパーボンドで接着していたのだが、
不用

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世界観を決めるための1p漫画 #006「弟子入り」

世界観を決めるための1p漫画 #006「弟子入り」

#006

漫画家になりたい理由を3つと問われ、
悩む羽美(うみ)ちゃん。

羽美ちゃんは、むかし漫画家をやっていた叔父さんに漫画の描き方を習って
プロの漫画家になって大金持ちになってお母さんをハワイの温泉につれていくのが夢です。

あと、失踪中のお父さんを見つけるのも。

(流星光)

世界観を決めるための1p漫画 #004「日常は義務の山」

世界観を決めるための1p漫画 #004「日常は義務の山」

#004
気がつけば日常生活は義務の山…。

漫画家を引退して漫画アシスタントとして働く鳥飼超一郎。

生意気な姪っ子・鳥飼羽美(うみ)の弟子入りを受け入れ
漫画を教えるのだった。

(流星光)

世界観を決めるための1p漫画 #003 「昔の知り合い」

世界観を決めるための1p漫画 #003 「昔の知り合い」

#003
しがない漫画アシスタント・鳥飼超一郎。

姪っ子の羽美(うみ)と街に出て
昔の知り合いが市長選に立候補して
大声で弁舌をふるっているところに遭遇する。

(流星光)

これは一つの長編漫画を描く過程のひとつです。
キャラクター設定はほぼ終わったのですが、
いまひとつ頭の中でキャラ同士が会話を始めてくれない。

それぞれのキャラクターがどういう感じで会話しているのか、
どんなシーンが展開さ

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世界観を決めるための1p漫画 #002「ドローン」

世界観を決めるための1p漫画 #002「ドローン」

#002
小学生 鳥飼羽美とホームレスのじいさんたちとのからみ。

からんでないけど…

なんか女子高生がランドセル背負ってる感じになっちゃったな。

(流星光)

世界観を決めるための1p漫画 #001「お金は道具」

世界観を決めるための1p漫画 #001「お金は道具」

漫画『Comfortable Room(仮)』は、
まだキャラがだいたい出来たくらいの進行状況。

世界観やキャラ同士の関係を確定させるためには、
ネームのような漫画のような落書きのような、
そんな思考実験みたいなことを頭の中でやらないとならないのです。

そのやり方もわらかず、
とにかく何となくワンシーンだけの漫画を描いていこうかと
考えています。

果たして漫画は完成するのでしょうか。

そん

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鉄の玉

鉄の玉

ある日、空から鉄の玉が落ちてきた。

ジャガイモ畑のやわらかい土に、
その鉄の玉が半分ほどめり込んだ時、
そばには誰もいなかった。

しばらくして、下校途中の中学生ヨシオが通りかかり
直径2メートルほどの黒い鉄の玉を見つけた。

そのジャガイモ畑は、ヨシオの父親の持ち物だった。

ヨシオは、すぐに父親に知らせた。

父親は、警察に知らせ、警察は県庁に知らせた。

ジャガイモ畑にもどってきたヨシオは

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あなたは神を信じますか?

あなたは神を信じますか?

「あなたは神を信じますか?」

駅から少し離れた路上で、僕は二人の裕福そうな男性に話しかけられた。

彼らは外国人で、ユニフォームのように同じスーツを着ていた。

「神を信じますか?」

神とは何だろう。

世界にたくさんの宗教があるが、
それぞれにちがう神様が存在する。

目の前の二人の男性も、
おそらく何らかの神を信じる宗教団体に所属しているのだろう。

彼らがいう「神」とは、
彼らの神のこと

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ぜったいに遅刻しない高校

ぜったいに遅刻しない高校

30歳になった。
30歳の誕生日をむかえてしばらくたった日、
誕生日が近い高校時代の友人から連絡がきた。

「いよいよ30歳になったので、
 俺もここいらで大きなことをしようと思う」

とだけ。

不安になった僕は、久しぶりに帰省してその友人に会いに行った。

そいつは高校を卒業してから、
大学には進学せずに就職の道を選んだ。

しかし、就職先になじめず一カ月で辞めたと聴いた。

それ以来、30歳

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泥棒と猫

泥棒と猫

時刻は、20:00。
夜の8時である。

妻の小さな悲鳴を聞いたような気がして、
夫は、一階へ向かった。

妻が、開いたベランダから侵入してきた一人のおっさんと向き合っていた。

夫が言った。
「なんですか?」

おっさんは、ジャンパーの中から包丁を取り出して右手に持った。

妻と夫、そしておっさんの三人は、
しばらくの間、にらみ合った。

「か、かぁ…カネ」

夫には、「金」と言ったように聞こえ

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砂漠の二人

砂漠の二人

ユニとクジは、茶色く乾いた芝生がぽやぽや生える砂漠みたいな丘を二人で歩いている。

クジは仲良くしたいのに、ユニはいつものようにどんどん離れるように先を歩いている。

そのうちにコヨーテのような大型のイヌ科の動物の遠吠えが聞こえて二人は身を寄せ合って恐れている。

日が暮れて気温が低くなり、こごえそうになりながら二人はくっついて眠る。

それを見ている僕は体を持たない霊体だ。

二人の行く末が気に

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ぼくの家庭内隔離はこうして終わった

ぼくの家庭内隔離はこうして終わった

先週の水曜日に池袋という大都会で忘年会に参加した。

新型コロナが発生してから、

ほぼ初めて電車に乗って大都会で飲み会をした。

どうでもいい飲み会ならば、不参加でお願いします、

と日本刀で斬りつけるようにお断りできるのだが、

僕が唯一参加している社会活動、

草野球チームの忘年会だったので難しかった。

昨年の年末は、当然のように忘年会は無し。
今年になって、ようやく新型コロナも少なくとも

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夢の中の話をきいてよ

夢の中の話をきいてよ

どんな夢をみていたのか、完全に忘れた。
強い風が吹いて、霧が散らされるように。
とっかかりを思い出そうとして手を伸ばしても逃げてゆく。

残っているのは何となくの雰囲気と不安で心細い気持ち。
先ゆきがあやうげな、胃がかすかすになるような気持ち。

夢をみている時は、それが夢だとは思わない。
現実世界と同じように、
ただ自分がそこに存在していると感じている。

夢をみている間は現実世界のことは完全に

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居酒屋のコンビニ

居酒屋のコンビニ

先日、忘年会をした。
とある雑居ビルの5階にあるその店は変わった作りの店であった。
入口のドアは鉄のフレームにガラス張り。
店内にはいると、会計所は無く、いきなり廊下が奥まで続いていて突き当り左がトイレ、右が小さな厨房。
長くつづく廊下の両側には個室がずらりと並ぶ、というスタイルだった。

個室にはそれぞれ引き戸がついていて締め切ることができる完全個室型。

ぼくらのグループが入った個室は入口から

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虫も殺せない男

年をとり、僕は虫一匹殺せない人間になった。
そう書くと善人と思われ、以前の僕なら嫌悪を感じたものだが。

人間年をとると、小さな命に思いをはせるようになるものだ。
虫にも人と同じく生命が宿り、まっとうして他界することを考えると、むしろ逆に、人の命ですら、ほんらいは虫けら程度の価値しかないのではないかと考えるようになり、なんとなく虫一匹殺せない人となった。

ゆうべ飲みかけの冷えたコーヒーの水面に小

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