![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49091952/rectangle_large_type_2_95a3f1e03b5cfcb477ed741e37d2a812.png?width=1200)
4/1 @半分が新入生の大学
4月1日。一般的には年度の節目である。うちの大学は新入生を対象にしたオリエンテーションが行われていた。
そんな期待と不安に満ちた彼らの顔を横目に、自分は自治会の銀行口座の引き継ぎのために数人で大学からぽてぽてと近くの銀行まで歩いていた。
思い返せば去年の今日は自分もオリエンテーションだった。そういえば雨が降っていた。さすがは雨男の自分と思いながら向かったのを覚えている。
しかしそれは1日に詰め込まれ、机には1人だけしか座ることが許されず、昼休憩もなんとなく終わり施設なんて入り口とその日使った教室と食堂くらいしか知らないまま終わったものだったので今回のオリエンテーションを見ると果たしてそれは本当にオリエンテーションだったのかすら分からない。
友達になった人と最後に話をしたのは「とりあえずまたいつか!」だったし、実際にまた会えたのは9月とかだった。おのれ緊急事態宣言。
多分自分よりも今日説明を聞いて学内ツアーに参加した新入生の方が勝手を知っているのではないだろうか。そんなことを同級生の友達と話していたし、半ばそれが自虐ネタにまでなっているのが逞しいのやら情けないのやら。
対面授業が段階的に始まるこの新年度、大学の中には新入生と実質新入生の2学年が揃うこととなった。
期待と不安に染まった顔をしている新入生と、片や特に期待もしないまま気づけば進級していた新2回生。
大学入口にいくつも置かれていた「『2021年』入学式」の立て看板を見て少し複雑な気分になった。一応おまけ感覚で2020年度の入学式もされるけど、当日この立て看板は2020年のものに変わるのだろうか。
肝心の大学に置いていかれたような気分の中、進級して当たり前みたいに先輩が始まる。
ドラマに出てきたビラが舞うサークルの勧誘や新歓、心躍る典型的キャンパスライフはまだ見ていない。
まるでいきなり弟や妹が生まれて自分が軽く扱われるような感覚。まさか「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」をこの歳でまた体験することになるとは思わなんだ。
もちろん新しくやってきた新入生だって、「これまで」の大学生活をすることはできないだろう。
それでもそれが普通になりつつあるという前提のもとでそんな生活が始まるわけで、「これまでの当たり前」にも「これからの当たり前」にもいい感じに放置された自分たちは何が当たり前なのかよく分からない。
去年の夏くらいに「忘れられた世代」みたいな言葉を聞くことがあったけど、今となっては本当にそうなったなとしか思えない状況。
「なかったこと」には決してならないはずの存在が、「大人になれ」の一言でいいように丸め込まれてしまった感が否めない。
大学側は新入生に加えて、新入生をすることができなかった学生も一緒にケアすべきなのではないだろうか。そんなことを考えた。
実際のところ、これまでの1年間はなんとなくの気持ちで進めて実際なんとかなってきた。履修登録も、授業も、課題もその他諸々も。
でもそれは所詮付け焼き刃のものだったし、実際に今回履修登録をしようと思っても正直何をしていいのか分からない。自分も新入生対象の履修登録参加させてもらいたい。切実に。
それでも時間は平等に流れるし、新年度初日も気づけばもう終わりそうだ。結局、とりあえず生きるしかないんだと思いながらも履修に頭を悩まされるばかり。だってお兄ちゃんだから。
長男力を磨いていこうと思います。かれこれ16年くらい既にお兄ちゃんやってるのでいけると思ってたんですけどね。まだまだ親の大学ママと大学パパには可愛がって欲しかったのかもしれないです。
久しぶりに味わった親の興味が分配されたことがわかった瞬間の気持ち、なかなか結構新鮮でした。別にまた味わいたいとは思わなかったけど。
ではまた。