見出し画像

最高!と面白かった!と俺は好きは別。

アマプラで絶賛公開中の仮面ライダーBLACK SUNを先週完走したんです。

推しの俳優の西島秀俊と中村倫也が変身する。それもそこそこ好きな監督の白石さんとなると、期待も大きい。

面白…かった……です。えぇ。

面白かったけど、これが「面白かった!最高!」の面白かったではないし、かといって「面白くなかった?」と聞かれると「いや面白かったよ?」となる。

アクションもいい感じに良かったし、西島秀俊もかっこよかった。「変ぇん………身っ!」の重苦しさも解放の瞬間もたぎるものがあった。

それでも、名作ではないと思ってしまった要素があったことで、個人的にはこの作品は面白かったけど名作にはならないものとして残ることとなった。

もちろん良かったところは多々ある。

ルー大柴とか今野とかの怪演といえるほどの上手い「人間」の醜さとか醜悪さとか泥臭さは、これから先に何かの番組で見たら(うっっわ…)と感じるに違いない。

アクションもいい感じに加減された自己犠牲の伴うエグさのある真っ直ぐなカッコよさを感じたし、何より自動で変身まで進むベルト、良すぎだろ。あれが1万切ってたら買うの検討してた。

邪魔すぎないリブート感もよかったし、所々でぶち込まれる濃度マシマシマシなオマージュは観ながら爆笑してしまうほどだった。

あとは丁寧な感情を破壊するアプローチが個人的にはニチャァしてしまうことがあったので満足ではあります。

環境とか人権活動家が尊厳破壊される映画とかドラマ、当たるときは当たるから好きです。話題は逸れるけどヴィーガンの男が酪農家の夫婦に殺される映画が公開されているらしく、めちゃくちゃ観に行きたい。

じゃあ何がダメだったのか?

差別描写が!!!下手!!!!それ!!だ…け……?

マジでここだけなんよ、人間と怪人の差別とか排斥とかを描きたかったのかな?とか思うことはあったけど、そこに持っていくまでが絶妙に下手だったことが印象的でならない。

デモの衝突にしても、デモの内容にしても、怪人の人権を求める運動をしているのに対して「馬〜鹿言ってる!!人権は、『人の』権利なんですよ。なのに人ではない怪人が人権だなんて!」みたいなカウンターが飛び交う治安の悪さ。

もっとこう、あるだろう!と差別や対立を描くツールがあったはずなのに、それが成立することなく普通に人間と怪人の対立が続いているのがなんとも歯痒かった。

そして何よりも、差別表現としてのバスの乗車拒否だったりリンチだったり、警官の過剰な取り押さえだとかの本当に存在していた差別表現や攻撃、事件をエンタメとして昇華させたことが論外すぎた。

あのさぁ…そういうところやって、日本のエンタメが世界でヒット先理由…みたいに知ったようなことを書いているけど、そういうところなんだよなぁと思いながら見ていた。

悪とは何か?みたいなことをしていて正義の対岸の正義を描き切らなかったぬるさがすごい。諸々の悲しみだとか哀しみを背負った果ての『正義』が見えるのはまだ確定していないRXなのだろうか……

結局何がしたかったのかなぁと思いつつも、所々やってくる瞬間最大風速の高さと多さに心をウキウキさせられたのは、流石は大人向けの特撮だったのかもしれない。

次にRXが出るとすれば、まぁ観るんだろうなぁと思うくらいは面白かった。

そう。別にこれは最高傑作ではなかった。粗はあったし、ツッコミどころはめっちゃあった。でも、自分は好きだ。そう思える作品は思い返せば色々ある。

というより、全シーン全てが最高な映画とか観たことがない。

よく考えたら自分がぶち上がった映画のシーンとか本当に限られてる。

スターウォーズのEP9とか全体だと35点とかだけど、瞬間最大火力の点数だと300点みたいなことになるし、映画全シーン平均点で考えると多分60点とかばかりになるのではないだろうか。

まぁでもたまにぶつかるこれ最高俺大好きぼくこういうのだいすきほんとすき!!みたいな映画があるから、映画はやめられないのかも。ドラマ然り。

そんな感じで、とりあえず今日はこの辺で終わりたいなと思います。

喉は相変わらず痛む。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?