墜ちる意味が変わった『THE BATMAN』
人はなぜ墜ちるか、這い上がるためだ。
映画好きなら2万回は聞いているであろうこの名台詞、その系譜を継ぐバットマンが先日封切られた。
予定が重なってやっとこさ昨日観に行けたし、3時間の上映時間にも耐え切った。嘘。終盤4分くらい寝た気がする。
周りの評判がそこそこ良かったので楽しみにしていたけど、実際のところ自分は正直120点!と言えるほどではなく、せいぜい75点くらいかなぁといった印象。
自分があまり得意ではない映画ジャンルのミステリーとか推理とかがメインになっている作品だったからかもしれないけど、きっと自分はハイテクガジェット盛り盛りのドンパチステゴロハリウッドムービーのバットマンが好きなのだろう。だからこそ、今作があまり合わなかったのかもしれない。
ロバートパティンソンはめちゃくちゃタイプの顔でカッコ良くてどタイプだったのでこれからも好きでい続けたいですね。はい。
さて、ここからは少しばかりネタバレを含むので未鑑賞の方は閲覧を控えてもらえると助かります。
行間を空けておくので、ここから先は自己責任でよろしくお願いします。
人はなぜ墜ちるか、這い上がるためだ。
ダークナイトにてアルフレッドが語ったこの言葉がここにきて刺さるのか〜!としみじみ感じる瞬間が本作で描かれた。
立ち上がり、這い上がり、闇の中から光へと手を伸ばし続ける。
それがこれまでのダークナイトを含む過去作だったような気がしている。
それが今作ではまさかの展開を迎えた。
元々ダークヒーローであったことはそうだけど、明確な救助をしているバットマンを見たことがなかったような気がしている。
火災現場に飛び込んで人助けをするのではなく、夜道で強盗に襲われている市民を助ける。それがこれまでのバットマンのあり方だった。(と思っている)
それが今回は街の守護者ではなく、街に生きる人たちを護る守護神としての立ち位置へと変化していったのは新鮮に感じる。
本作でも印象的に扱われていたのは、間違いなく落下するシーンだと思っている。
高層ビルからのダイブ、高所からの落下、落ちるのを防ぐために必死にもがく姿。どれもが印象的だ。
その中でも特に自分が刺さったのが、自らそうすべきと思って行動した結果生まれた落下のシーン。具体的に言えば、ありきたりかもしれないけど高電圧ケーブルを切った結果感電して水に落ちたシーン。
這い上がるための落下ではなく、人を助けんとするべくして落ちた落下。
困っている人を救うために自らが地面へと墜ちることによって生まれる落下。
これまではどん底に叩き落とされてもそこから立ち上がり這い上がりケジメをつけるのがバットマンの様式美となっていたはず。
それが面白いことに今回は自らを犠牲にする落下によって補完されていくのが今作のミソではなかろうか。
ピンチはチャンスと言えば安いけど、這い上がるためのどん底と言えばカッコよく聞こえないだろうか。かつてのアルフレッドには都度救われてきた。
純粋な強さではなく、穏やかでありながらも固い信念とと知性によって生まれる強さこそが、アルフレッドの美しいところではないか。常々そう考えている。
やっぱり賢くて落ち着きのあって時折強いおっさんが一番カッコいいのよ。マジで。
今作のヴィランであるリドラーについては思うところはいくつかあるけど、今回はこの辺で。
これ、文章で書いて誰かに見てもらうんじゃなくて、誰かとしっとり話したい感じの映画なんよなぁ…友人が観てくれることを祈るばかり。
そんなわけでこの辺で今日は終わります。
昨日休載を決めたのはもっと書きたいことがあったからなのに、どうしてこんな微妙な文量になったのやら。
きっと酔っていたからですね。
ではまた明日。
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