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サプライズニンジャ理論
いぬ さる きじ の頼もしい三匹と共に鬼ヶ島にたどり着いた桃太郎。それを待ち構える鬼の大群。いざ戦いの火蓋が切って落と…
その時ニンジャが現れ、ばったばったと鬼を切り倒し桃太郎にそのクナイの切っ先を向け一言。
「アイエエ!?!?」
さて、この展開は本来の桃太郎よりも面白いだろうか?
本来の犬、猿、キジが怒涛の連携プレーを見せる方が面白いのではないか?
突然ニンジャを出してそれよりも面白くなければシナリオとしては弱いらしい。
それを、「サプライズニンジャ理論」というそうな。
映画007のシナリオライターがどこかの取材で言っていた言葉らしく、自分が今書いているストーリーが面白いかどうかを判断する基準として、「話の途中にニンジャの大群を出すよりも今の話の方が面白いか」というものがあるんだとか。
ちなみに、さっきの「アイエエ!?!?!?」は小説『ニンジャスレイヤー』に出てくるのでよかったらどうぞ。
確かに、面白い展開には必然性とか整合性とかが大事なのかもしれない。
今自分の周りにあった漫画は『バキ』だったからバキを例として考えてみる。
バキと地上最強の男、範馬勇次郎が相対する緊迫の一瞬。今にも戦いが始まると緊張感が空間を支配し、さぁ両者同時に動きだし……ニンジャだ!!!ニンジャが現れた!!!
きっともしそうなったら拍子抜けだろう。自分たちが読みたいのは範馬親子のファイトであって、ニンジャとの三つ巴の戦いではない。はい、ニンジャは負けました。
別の何かで考えてみよう。
『進撃の巨人』の終盤で巨人化したエレン、エレンVS世界となっていく中で現れたのは…ニンジャ!?ニンジャ!?!?!
うん。どうして現れたのかすら分からないうえにニンジャが出てくる必要性がない。
この理論が使われた元祖の作品、『007』で考えてみよう。
有名なジェームズボンドの名乗りのシーン、「ボンド。ジェームズボn」うわあああ!?!ニンジャが現れた!!
はい邪魔!!!!!プリキュアの変身シーンに攻撃してくる空気の読めない敵くらい邪魔!!!
そう考えると、ニンジャが邪魔に感じる作品が有名になるし、実際に面白い。
ニンジャを入れないと面白くならない作品は、やはりどこか欠けているのだろう。
確かに、必要がないキャラクターやシーンや設定を入れる余白がない作品でないと、本来の面白さは無いのだろう。
自分の人生には今のところニンジャが登場していない。そもそもニンジャを必要としていないけど、どこかでニンジャを求めてしまう自分がいる。
さながら、学生時代に「もし今この瞬間に教室にテロリストが来たらどうするか?」の妄想をしているかつての恥ずかしい記憶。
いや、今でもかっこいい映画観た後だったら妄想するな……
『ジョン・ウィック』をみたら大抵2時間くらいは前のめりで歩くだろう。街中を歩く人が殺し屋に見えるし、それをどうやって捌いて殺すかを考えてしまうだろう。
『東京無国籍少女』を観たら教室でテロリストと戦う妄想しちゃうでしょ?えっ、やんない??
ニンジャ、出番や。出てこい。この微妙に共感されない空気感を壊してくれ。
そんな感じで今日は終わろうかと。
ではまた明日。