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今は米国債券投資の黄金時代(ただし、日本の投資家にとっては為替リスクも考)

世界最大手の資産運用会社の一つ、BlackRockのグローバル債券最高投資責任者、リック・リーダー氏が、テレ東の豊島記者のインタビューに答える番組を観た。

リック・リーダー氏によれば今は「債券投資の黄金時代」なのだそうだ。理由は以下の通り。

  • 今の米国短期債のうち、2年物、3年物の比較的良質な資産を購入することでリスクを抑えつつ十分な収益を得ることができる。

  • FRBは高金利政策を維持しているため、(十分な利回り確保には)30年物や10年物の長期債を買う必要がない。

  • 私(リック・リーダー氏)は長年この業界にいるがこうした状況は非常に珍しく歴史的な局面だ。

通常、債券投資では期間が長くなればなるほどリスクも大きくなることからその分利回りも大きくなるが、今は短期債の利回りも長期債の利回りもどう水準でイールドカーブはフラットである。

つまり、10年間や30年間の債券保有リスクをとらずとも、2年から5年の債券の保有で、同水準のリターンを得ることができるのが今の市場環境なのである。

https://www.bloomberg.co.jp/markets/rates-bonds/government-bonds/us

米国債は、米国がデフォルトしない限りは確実なリターンが見込めるリスクフリーの安全資産である。確かに今は米国債の買い時だ。目に見えた投資リターンがほぼ確実に見込めるからだ。

ただし、今は米国の投資家、または米ドルを生活の中で使用する投資家のみにとって買い時なだけだ、ということも付け加えておきたい。

日本の投資家にとっては「円ドルレート」も考慮しなければならない。彼らは基本的には円建でリターンを計算するため、もし仮に米ドル債投資で確実な利息の受け取りと元本償還を実現できたとしても、その時、投資開始時点の為替レートから大幅な円高に触れていたり等すれば、円換算した場合の投資リターンはマイナスになる可能性がある。

今は円安基調であるため円高リスクは考えづらいが、2年ー5年の間で急激に変動するのが為替相場である。もし日本の投資家が米国債に投資する場合は
為替リスクもきちんと考慮した上で行うべきだ。

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