スタートアップ経営者が本業以外(SNS、講演会、会合etc)に時間を割き始めた場合の留意点
その昔、私が尊敬するとあるベンチャーキャピタリストの方から教えてもらったことがある。
それは「スタートアップ経営者がSNSやブログ、講演会等のメディア露出が増えるのはよくない兆候だ」ということである。
もちろん、会社の知名度を上げるため・資金調達を行うためといった意図をもったメディア露出は決して批判されるものではない。
ただ、スタートアップの事業目的から明らかにかけ離れた講演会やメディアに、しかも高頻度で出るのはよくない、というのがそのキャピタリストの考えであった。
スタートアップとは経営者が持つ全リソース120%を投入しても失敗する可能性が高いビジネスを展開している中、そのビジネスと全く関係ないメディアに出て露出を増やすのは、経営者として如何なものか。それはスタートアップのためではなく、単なる自己顕示欲を満たすためだけの行為ではないか。
それが彼の言いたいことであった。
したがって、彼は経営者がメディア露出度の高い経営者である場合、投資を検討する際にはその経営者が「事業に集中し、スタートアップと心中できる覚悟を持った人物か?」をかなり厳しく精査したという。
本当に事業に集中している経営者であれば、事業と全く関係のないメディア露出などしている余裕がないからだ。
(ただし、イーロン・マスクは除く)