KKRが30億米ドルのテック企業向けグロースファンドを組成
バイアウトだけでなく、グロースエクイティやインフラ、プライベートデット等多岐にわたるアセットクラスに投資を行うKKRが、この度ファンドサイズ30億米ドルのテクノロジー企業向けグロースファンドの3号を立ち上げたとのこと。
KKRの既往ファンドで、テクノロジー企業に投資を行うグロースファンド(ファンドサイズ711百万米ドル)は、実現利益と未実現利益合計で26.6%のネットIRRを計上しており、すでに投資家に7億1100万ドルの規模を持つ同グループ初のハイテク成長ファンドは、実現利益と未実現利益を含め、現在26.6%の手数料控除後のIRRを誇っている。すでに投資家に分配した資金は1倍を超えている(=DPIは1倍超)。そして2019年に組成した総額22億Chinaでの2号ファンドについては、まだ実現利益は少ないものの、評価額ベースでネットIRRは18%と、これもまた高いリターンを計上している。
KKRが投資している主なテクノロジー企業には、サイバーセキュリティ企業のDarktrace(2021年にロンドンで上場)、デジタルアイデンティティソフトウェア企業のForgeRock(2021年に米国で上場)、ライドシェア大手のLyft(2019年に米国で上場)がある。また、北米12号ファンドでは財務・経理向けソフトウェアを提供するOneStream(未上場)に投資をしている。
KKRのグロース投資の特徴としては、マイノリティを取得する投資が主であり、通常は保有比率3分の1程度で投資を行う。おおよそ1件あたり50百万米ドルから250百万米ドルの間で投資を行う。ちなみにKKRのバイアウトファンドなどでは500百万米ドル以上のロットで投資を行うのが通常であり、それと比べるとやや小規模である。
投資期間は4年から5年であり、すでに数千万ドルの収益を上げている企業を理想としている。
バイアウトから始まり、インフラ、デット、そしてグロース投資も開始していいるKKR。さらに深掘りをして、グロースの手前のスタートアップ投資にも今後手を出す予定はあるのだろうか。