残りの試合日程から考える、NBAプレーオフ進出チーム予測(特にグリズリーズ、ウィザーズ、ペリカンズ)

オールスターウィークエンドも終わり、2019年-2020年シーズンも残り2ヶ月強となった現在、NBAの公式サイトにこんな記事が掲載されていた。

Schedule Analysis: Breaking down the final 2 months for every team

「残りの試合日程から全チームの勝敗を占おう」という内容の記事で毎年この時期になるとNBA公式サイトに掲載されている。この記事は、端的に言えば以下の数値のみから勝敗を占おうというものである。
・残りの試合のホーム・アウェイ試合の比率 (H/R)
・自分たちが連戦(Back to back)で相手が休息を挟んだ状態の試合数、またはその逆(自分たちが休息を挟んだ状態の試合で相手が連戦)(RA, RDA)
・オフェンスレーティング上位10チームまたは下位10チームとの試合数 (OppO)
・ディフェンスレーディング上位10チームまたは下位10チームとの試合数 (OppD)
・対戦相手チームの累積勝率(オールスター前までの戦績より)(OppPCT)

したがって、ここではトレードデッドラインで獲得した選手等の活躍(例:クリッパーズやレイカーズによるモーリス兄弟の獲得)やヘッドコーチ交代の影響(例:キャブスヘッドコーチの辞任)、さらには直近で上り調子のチームのモメンタム継続(例:好調なグリズリーズ、ペリカンズ、ネッツなど。なお、ここでいう「好調」とはシーズン勝率に対し、過去10試合の勝率が上回っていることを意味している)などの要因は考慮されない。だが、昨年を振り返るに、残り試合の勝率は実は「スケジュール日程」で多くの部分を語れてしまうのではないか、と考えている(この辺りは今後、データを蓄積して分析してみたい)。

昨年のレイカーズを例に振り返ってみたい。昨年のレイカーズは、オールスター直前に発生したアンソニー・デイビスのトレードの噂から、チーム内の不信感の蔓延・モチベーションの低下といった定性的事象が発生、これらが主要因となってプレイオフを逃した原因として語られることが少なくないが、実はそれ以外にもタフなスケジュールという要因も存在していたことは重要な事実である。昨年のこの記事を見ると、「レイカーズは残り日程が勝率上位チームとの対戦が多く、またロードの戦いが続くため極めて厳しい日程が続く」とのコメントがあり(当時のリンクが見つからず、こちらに貼れずすいません)、そして事実、そのハードスケジュールの結果としてプレイオフを逃した(正確には3月のネッツ戦で望みを絶たれ諦めた)。

前置きが長くなってしまったが、ここでは特に、プレーオフ進出当確ラインギリギリのチームに焦点を絞り(現状7位から10位程度)、その進出予測をしてみたい。

ウエスタンカンファレンス:ペリカンズがグリズリーズ、スパーズ、ブレイザーズを抜き8位の座を獲得、プレイオフ進出

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勝率順になっていないため、一見わかりづらい表になっているがご容赦いただきたい。簡単に言えば、最もタフなスケジュールとなっているチームが上段に、最も楽なスケジュールになっているのが下段に来る構成となっている。この表を見る限り、プレイオフ当確線上で争っているグリズリーズ、スパーズ、ブレイザーズ、ペリカンズのうち、最もタフなスケジュールなのはグリズリーズ。彼らは勝率上位のチームとの戦いが続き(相手の勝率0.554)、ロードの試合も多い(残り28試合中16試合)。現在は8位でプレイオフ進出ギリギリの順位にいるが、残念ながらここから順位を落としていくだろう。

それではブレイザーズ、スパーズ、ペリカンズのうちどのチームが8位の座をとるのか。かなり大胆な予測になってしまうがペリカンズだと思っている。単純に、残りのスケジュールが全チーム中一番楽(相手の勝率は0.449と負け越しチームが多い)という点もあるが、残りの試合で当たることになるブレイザーズ、スパーズ、グリズリーズとの過去戦績が良い。これらチームとの直接対決を経て勝率を伸ばし、残りの期間で8位に滑り込むのではないか、と(期待も込めて)予測する。

イースタンカンファレンス:マジックが7位、ネッツが8位でプレイオフ進出、八村塁のいるウィザーズは進出できず

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八村塁のいるウィザーズは、カンファレンス中、2番目にタフなスケジューリングとなっており(勝率上位チームとの対戦が多く、また休息なしの連戦が6試合もあり)、残念ながら現状9位から順位を上げることは難しいだろう。比較的楽なスケジュールを残したマジック勝ち星を積み上げることでが現在の8位から7位に浮上し、一方でネッツは8位の着地でプレイオフに進出することが予想される。

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