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スタバアンチが、わざわざエスプレッソを飲みに行った話

皆さん、スタバは好きですか?
大好きですよね。みんな大好き。

そして、僕は基本的に天邪鬼なので、みんなが大好きなものには興味を持てなかったのです。

そもそも、僕はコーヒーが大好きなんですよ。

「スタバが好きなやつは、コーヒーが嫌いなんだろう?」と思っています。だって、女の子達は、みんなクリーム巻き巻きの飲み物ばかり。いや、もはや飲み物でもない「パフェを流し込む」みたいなことをやらせる店だという認識でした。

そして、トドメを差すのが、呪文を唱えた人が勝ちみたいな謎の文化。
ま、それはさておき・・

フラペチーノ

ラテ、カプチーノ、キャラメルマキアート・・それはそれは選びきれないほどのメニューあるわけですが、コーヒーのミルクアレンジという意味では、コーヒーショップが出すのは立派だし、ミルクアレンジこそベースのコーヒーが美味しくなければいけません。

コーヒ-通はブラックで飲むものだと思っている人がいますが、そんなことはありません。コーヒーを愛している人ほど、ミルクにはミルクに合わせた豆や焙煎度合い、抽出方法を考えて点てるのです。

しかし、とうとう理解の範疇を超えたのが、「フラペチーノ」

さらに、抹茶やバニラのフラペチーノになると、まったくコーヒー要素がないのです。

それがね。
ラーメン屋さんのチャーハンみたいに、大食らいで好きな人が、サイドメニューとしてたまに注文するくらいの感じならわかるんですよ。

しかし、フラペチーノときたら超絶人気メニューで、あたりを見回すと、むしろフラペチーノを持ってる人ばかり。

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ハワード・シュルツ

そうやって、僕はずっとスタバと一定の距離を保ってきたわけですが、たまたま、元CEOハワード・シュルツの名前を聞くことになります。

スターバックスは、創業当初からフローズンドリンクを販売していたわけではありません。もともとは、とてもコーヒーにこだわっていて、「深煎りの美味しいコーヒーを提供することが使命」と考えていたそうです。

(ここで僕は一転して、すでにスタバに対して恋に落ちています)

ザ・コーヒーコネクションというチェーン店が考案したというフラペチーノ。後にスターバックスが買収し、フラペチーノも引き継ぎました。

しかし、スターバックスのコンセプトに合わないフラペチーノの販売は経営陣に反対されていました。当時のCEOハワード・シュルツは特に強く反対したとも言われています。

ところが、ライバルチェーンの甘いフローズンドリンクが大当たりして、風向きが変わってきます。とうとう、市場のニーズに応えて、フローズンドリンクの開発に取り組むことを許可したのです。

つまり経営陣は、自分たちが使命だと思っていた信念を曲げて、顧客のニーズに応えたわけです。

マーケティング用語でいえば、プロダクトアウトからマーケットインに、スタンスをがらりと変えたということですね。

皆さんがご存じの通り、この判断が大当たりしたのは言うまでもありません。

アンチ、エスプレッソを飲む

僕は無性に、スタバに行きたくなりました。

しかし、注文するのは人気のフラペチーノではありません。

創始者のメッセージが残されているかもしれない、エスプレッソを飲んでみたかったのです。

スタバでエスプレッソを飲んだことはありますか?

ラテやカプチーノに入っているのではなく、ストレートの「エスプレッソ・ソロ」を注文したことがある人は、かなり少数派だと思います。

「ご注文はお決まりですか?」

エスプレッソは、メニューにありませんでした。

「エスプレッソを、飲みたいのですが・・」

店員さんは、ちょっと驚いた顔で一呼吸置いて、デミタスカップを取り出しました。

親指と人差し指の間を5mm程開いて、

「このカップに、コレくらいしか入らないのですが、大丈夫ですか?」

そう、エスプレッソ・ソロ・・・ソロは、抽出ワンショットということ。
それは、量にして30ccくらいです。大さじ2杯。

知らなかったら、「は?」ってなる見た目です。
そういうお客さんが過去にはいたのでしょう。

「大丈夫ですか?」という確認が入ります。

「はい、もちろん(ニッコリ)」

スタバのエスプレッソ

「エスプレッソ・ソロでご案内で~す!」

レジから、バリスタへ声高らかにオーダーが通ります。

普通なら、出来上がったドリンクを店員さんが受けとりカウンターまで持ってきて、レシートを確認し、商品引き渡しという流れですよね。

エスプレッソの場合は違います。

「すみません、先にレシートを確認させてください」

そう、つまり、僕の顔を覚えてから抽出するわけです。
そして提供時・・

「できるだけ早めにお飲みください!」

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遅い時間で空いている店内。
小さなカップを受け取った僕は、近くの席に座り、30ccの約半量をキュっと口に含みます。

旨い!旨いよ!

ふくよかな甘み。
そして、鼻から抜けるナッツのような香ばしさ。

・・・ありがとう、シュルツさん。

そして、軽くカップを揺らして、残りの半量を一口で飲み干しました。

捨てきれないこと

僕も小さな商売をやっていて、捨てきれないこだわりがあります。

自分の扱う商品はこうであって欲しいという、それは、「こだわり」というより、「願い」に近いものかもしれません。

それは美しいことで、自分の仕事は素晴らしいと信じたいというのは、時に我執でしかないのかもしれません。なんとなくそう気付いていて、一皮むけなければいけない時が近づいているということも実感があります。

エスプレッソは、家でも飲めます。
コーヒーバカですので、それくらいの用意はあります。

でも、スタバのエスプレッソを飲んだら、何かひらめきそうだなという直感で、わざわざ行ってみました。

この、たった2口の体験に、341円払うのが高いと感じるか安いと感じるかはあなた次第。

僕は、次もエスプレッソを注文しますよ。

今回は豆の味を感じたかったので、そのまま飲みましたが、砂糖を入れても美味しいと思いますよ。

ちなみに、ドッピオ(385円)にすると、倍量で入れてくれます。それでも3~4口の量ですが。

マーケットが見えてきました。
おかげで、次のステージに行けそうです。

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ながおか@小中高学生の子を持つ経営者
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