テクノロジーと高齢者のつなぎ役
昨今は、本当にテクノロジーの進化の速さは目覚ましいものです。
台湾のオードリー・タンはここ数年、日本でも大変有名になりましたが、僕は彼が言うインクルージョンつまり「包括」と言う考え方にとても惹かれています。
とりあえずまだ読んでいないと言う方は、こちらの本をぜひお勧めします。
僕は、保護司や民生委員等の活動を通じて、地域の方達と連携しながらプロジェクトを進めなければならないとうことが最近増えてきました。
想像に難くはないと思いますが、このようなボランティア活動と言うのは、圧倒的にご年配の方が多く、その業務連絡手段と言うのは極めてレガシーなスタイルで今も進めています。
昨年から、一気にテレワークと言うことが一般的になりましたが、そういったことができるできないというレベルではありません。
20年前ですら当たり前だったEメールを送ることすら、またはそれを見ることだってままならないと言う事は日常茶飯事ですし、どんな書類も使うアプリはマイクロソフトオフィス一択で、Excel表計算させたものは、印刷して電卓でチェックしているという世界が今でもあるわけです。
このような状況で、突然時代に合わせたテクノロジーを人生の先輩たちに強要すると言うのはとても難しいことです。
僕らのような中年は、非常にコンピューターに強く、「どこで習ったの?」なんてことをよく聞かれるわけですが、そうじゃなければ生き抜けなかったというのが答えになります。
若い世代なるほど、コンピューターに詳しくなるのかと思ったらそうでもないようです。いわゆるデジタルネイティブ世代なんて言われる若者たちは、僕ら中年のようにコンピューターに詳しいわけではありません。
落合陽一さんが、デジタルネイティブではなくデジタルネイチャーだということを言ってました。
確かに言語のネイティブのように生まれつきデジタルを使いこなすと言うよりは、庭に木が立っているかのように、生まれた時からデジタルが身近にあるだけで、親和性は良いもののデジタルに関する能力が生まれつき長けているとわけではありません。
ところがこのデジタルネイティブ世代が高齢者と違うのは、最新アプリやデジタルの世界の文化をブラックボックスのまま自分の生活に取り入れて便利に楽しく使っていることです。
一昔前であれば、高齢者は高齢者らしくゆったりと生きていけばよかったのですが、昨年からこのように自由に移動したりリアルで会うことが制限される時代になっていますので、せっかくの文明の利器にあやかることなく孤独に閉じこもってしまうのは、著しくQOLを下げます。
就職氷河期世代とも言われる僕らは、基本的に社会のことを恨んでいると言うこともあり、なかなか社会貢献と言う方に目が向きません。
でももし今後、この世代特性を社会に還元していけるとすれば、当たり前だと思って身に付けてきたデジタルに関する知識や技術を持って、現代のテクノロジーと高齢者のつなぎ役になってあげると言う事はとても有意義かもしれないと考えています。
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