本屋さんを目指して. 6 「新春古書展へ」
本屋を目指す本屋のようなものをしています。
長々書きませんのでちょっとだけお付き合いを。
全沖縄古書籍商組合主催の即売展に行ってきました。
今年で7回目となり、場所はジュンク堂書店那覇店の一階
沖縄県内13の古書店から約1万冊を展開。歴史から料理まで、沖縄の文化の
幅の広さ奥行きの深さを本で体感できます。
これを配信した頃には終わっているのですが、毎年2月頃に開催しているようです。沖縄好きで本好きな人にはたまらない企画。そして、最近の僕にとっては
とても学びになる企画です。いくつかの学びのポイントを今日は書いてみたいと思います。
1・全沖縄古書籍商組合の存在が知れる。
当日は組合の一人として、大宜味村出身で大宜味村の観光協会職員もしていた崎山すなおさんが店番をしていました。店番をしながらも狭い机で何やら作業をこなす崎山さんに話しかけると、初めてあった時と同じく、本当に名前の通りのすなおな、僕としては学生さんのような純粋な心が伝わってくるような方で、ニコニコしながら「出店者の集計を一つにしてジュンク堂さんのレジに持っていくとか、意外と大変ですよ」と、話してくれました。
古書店をやるということは、やはりこうした組合の仲間の存在は欠かせないですし、崎山さんや、先日お会いした天久さん、畠中さんから「沖縄」を知ることにもなる。現に山ブックス の崎山さんが喜如嘉に店を構えた理由も「私が元々本が好きなことや大宜味村や東村、国頭村には本屋がないこと、イベントをきっかけにした広がりから需要があると感じ、退職し出店を決めた」と、やんばる経済新聞の取材に答えていました。
僕にとって沖縄の古書はこの組合の皆さんであり、この皆さんの意識によって、沖縄の本にまつわる文化発信がされていると強く感じ、そんな皆さんがどんな活動をされているかを知れる大切なイベントだと感じました。
2・古書相場がリアルにわかる。
古書を生業としていく方向に向かいたい僕にとって、「市場で仕入れる」「古本屋で仕入れる」「一般から買い取る」「Amazonなどネットで買い付ける」など、色々と試しながらやっているわけですが、本をネットで買う人はネットで検索して一円でも安い店で目的の本を入手するのがいいと思いますが、僕に限りませんが、やはり「自分らしい本屋」をやりたいわけで、相場は調べても、路面店で売る意味とは、「今、そこに現物があり、店や店主や様々な環境価値」からその本が「欲しい」という気持ちになる。そこにはネットなどの市場価格は一旦置いておき、店主の意志という価格で勝負してもいいと思っていて、リアル古書店にはそれが最大の魅力としてあると思うのです。そして、この「新春古書展」という本屋にもそれが「棚ごとの店主」からうかがえる。隣り合う違う本屋にある同じ本でも、価格が違う。なんだかそうしたところからも、市場価値と店主の息遣いを感じずにはいられず、ドキドキするのです。僕が店の棚に並べている同じ本があると、まるで答え合わせのように価格を見てニンマリとする。楽しい場所なのです。
3・新書を扱う本屋の愛を感じる。
会場が大手チェーン店であるジュンク堂書店の那覇店であることに、実は僕はとても感動しました。そこには「いい本は古書になってもこうして循環し、人々の文化意識を高め続けてくれる価値なんだよ」と、ジュンク堂さんが言っているように聞こえました。もちろんいろんな事情もあるかもしれませんが、新しいと古いの共存こそ、僕がずっと言い続けてきた「ロングライフデザイン」の思想の根幹であり、「新しい(本)」とは、「古くなっても価値のある(本)」を見ながら作るべきだとも思うのです。
生活用品やファッションにも「消費」「流行」なんてことがありますが、本にもそれはあるでしょう。話題の本は時間が経つと価値がどんどん消えていきますが、「時間が経っても価値がある本」は、最初からそうした版元や編集者の意識から作られます。世の中の「売れている」を意識しすぎず「世の中を本で変えたい」という意識で生まれてくる本たち・・・・。古書展にはそうした本たちが勢ぞろいしていて、なんとなく誇らしげに見えました。
新刊を扱うジュンク堂さん、実はこの年に一度の古書展に大いなる刺激を受けながら沖縄にこうなって欲しいという希望を抱いて本の選定をしている、そんな景色にも本棚が見えたりもした今回の新春古書展でした。
今日もありがとうございました。
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ではまた。
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ナガオカケンメイの考え
あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。
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