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生まれ変わったような
不思議な日でした。2025年2月6日。その用事だけのために愛知から東京の目白に朝9時30分に工業高校の同級生と待ち合わせしました。
目的地は「GK」という会社。彼はそこのOBで僕は広島のプロジェクトにどうしてか、その会社の創業者の何かを取り入れたかったのでした。
創業者は半ば神格化されていて、いろんな思い出を今の役員たちは持っていました。それが昔の会社にある「今では考えられない」ことの連続で、だからここまでの会社が出来上がったんだと僕は感じました。
高校の同級生は今は鎌倉で建築家となっていて、僕が彼がいたその「GK」という会社の創業者のことを知りたいというと、主要な人への面談を段取ってくれていました。その多くを語らず、なんなら僕の代わりに僕のことを伝えようとしてくれる姿勢に、とにかく感謝しました。
不思議な面談でした。その日は夕方に愛知に用事がありましたが、朝から珍しく時間を気にせずに彼の誘導のまま、まずは「GK」の本社の社長さんと面会し、いろんな話をしました。話しているうちに、「創業者のアトリエを見て欲しい」ということになり、そこも見ました。「昔は社員でもここに来ることは滅多にない」というか、許されない場所というところに僕は日当たりのいい11時ごろにいました。そこにはいろんなものがありました。
その後、同級生の彼が「その広島のプロジェクトが進んだら、建築に関係するから、建築部門の人にもあっておいたほうがいい」と、もうすでに段取っていたようで、僕をそこに連れていってくれました。「GK設計」です。
待っていてくれたのは副社長さんで、同級生とはあまり面識がないはずなのに、一緒に同じ時代を過ごしたような語りで、それはそれは面白くいろんなことを知れた時間でした。創業者が途中から宗教のような状態でデザインを語るようになっていった話はとても印象的でした。僕が今、とても興味があることだったからです。
広島を代表する自動車の会社に「マツダ」というのがあります。最近、マツダは「御神体」のようなジャガーのような四つ足のスピードの速い動物の走る姿のような具像をつくり、それを崇めるようにしながら車のラインナップ、つまり、クーペやセダン、SUVなどの統一感を作っていました。それはそれは日本車にはなかなか見ない素晴らしい統一感で、僕はとても好きでした。
ひと昔なら「気持ち悪い」と一蹴されそうなそうした「祈り」や「思い」を一つの具象に集約してものづくりをする行為は、「そろそろ、そういうことを公にしてもいい心の時代になったのでは」というような考え方で、おそらくメディアに掲載されてデザイン業界の話題になりましたが、これもまた、この広島のプロジェクトの根幹に置いて考えたい思考でした。
ひとしきりの面談を終え、愛知での予定は結局、間に合わなくなりキャンセルし、気持ちのんびりと新幹線で東京から名古屋に戻ってきました。
その夜、バスタブにお湯をため、珍しく長くや風呂に入り、ビールを飲んでぼうっとしていた時、どうしてかひらめいたように、その場でInstagram、Twitter、Facebookをやめました。やめたというが、携帯から削除しました。こちらから書き込むこともしないし、見ることもしない。それはどこかに残って人は見れる状態なのでしょうけれど、僕はそれをもう必要としないでいようと、削除しました。
この日は早起きしたので22時でしたが、寝ることにしました。常にInstagramを見ながら過ごしてきたので、携帯を見ないのはこんなに生活が正されるのかと感心しました。よく眠りました。そして今、こうして朝の5時に忘れないように書き留めているわけです。
面白い夢でした。自然体で過ごす複数の男女。一つのレストランが舞台でした。SNS的なものは何もなく、とにかく手紙と「そこに会いにくる」だけの場所でした。そのスタッフたちの中に何故か僕はいました。SNSから解放されたことが夢に現れたようでした。その様子をこの夢が表現しているようでした。
ナチュラルな食事、ルールのない男女間の関係性、そこには時計もありませんでしたから「何時にどこで」とかいう約束もありませんでした。なんとなく会いたい人たちがここにやってきて食事をしたり、ワインを飲んだりして目的の人や偶然の出会いからの何気ない対話を楽しんでいました。ここにも約束や時間、制約はなく、金銭も存在しませんでした。とにかく「集まり、語る」場所。そんなものが夢に現れました。
僕は料理をしていました。調味料はオリジナルで、とにかく素材の力を引き出すタイプのパンチはありませんが、美味しい料理で、夢の中では「心に届く味」と表現されていました。「心に届く」・・・・。夢から覚めた今、それとはいったいなんだろうと考えていました。
今日はこれから広島に行きます。書家の知人と、現代美術の学芸員、広島のプロジェクトの建設会社のスタッフと僕の4人の飲み会のために行きます。とにかくこのプロジェクトは「会議」を繰り返してもなかなか確信に到達しないと思い、昨日の面談もそうでしたが、とにかく会って話す。それを繰り返しています。そのどこか中間地点にでもぶつかったようなのが昨日でした。とにかく印象的な日で、夜で、夢でした。その「創業者」がのりうつったような感じです。
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これから先の混み合ったスケジュールについて、一掃したいと今はそんな気持ちでいます。今の僕には必要ないことはやらない、会わない。「それでいい」と夢は伝えにきたようにも思えています。「そんなことよりも、感じないといけないことがある」と。「GK」の社長さんから数冊の本をお土産にもらいました。どれも「創業者」「創業時」が記録されたもので、僕はこれらを読まなくてはならないのだと感じています。何かがこれらの中に書いてあるはずです。
SNSをやめて、どこかしらから流れてくる情報を受け取らなくして、こちらからも闇雲に配信したりしないようにして、おそらく、このnoteにこうして書いていくくらいにしていくと思います。もちろん、自分のために。
これまで、自分のスケジュールを自分で複雑化してきました。そうすることで得られる恐怖観念からの解放がありました。何もないことの怖さをとにかくスケジュールを埋めることで回避してきたようなところがあります。それをやめようと思います。そして、自分の会社の経営からも引いている立場をもう一度改めて引いてみる。いなくてもいいのにいる状態をやめてみる。そんなことも考えてみろと言われてるような夢でした。
予定では11時に広島に車で向かうことになっていますが、さて、どうしようか。
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ナガオカケンメイの考え
あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。
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