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『ダライ・ラマ ~ こころの育て方 ~』
ダライ・ラマ14世、ハワード・Cカトラー

ダライ・ラマ14世は本当に偉大な人物だと思います。

この人には前から興味を持っていたのですが、この本を読んだのは
単に旧約聖書の『出エジプト記』を図書館で借りようと思ったら隣にあったから・・・・
というだけの理由でした。

著者に「ダライ・ラマ14世」と書いてありますが、
実際には アメリカの精神科医であるハワード・C・カトラーという人が、
ダライ・ラマ14世にインタビューをしたり、
それを通して自分が思ったりすることを、
カトラーの日常や治療の経験を交えて書いている本で、
著者はこの人と思った方が良いでしょう。

読み始めてすぐ、
結局、この本はカトラーという人物の器を出られない・・・
それ以上のことは書けないのではないかと心配でもあり、
やや退屈でもありました。

例えば「慈悲とはなんですか?」
「慈悲の心が無くても幸せになれるのではないですか?」
という質問や答えなどが延々と続くと辛いように思えました。

でも、途中からカトラー氏の方に変化が生まれるのを感じて、
興味深くなってきました。
ダライ・ラマ14世が人に及ぼす力の大きさを感じます。

印象深い言葉や瞑想が沢山あって、
メモを見ながらどれを書いたらいいのか迷っています。

まずダライ・ラマは
『私は、人生の目的は、幸福を求めることだと信じます。』
と、話し始めます。
非常にシンプルですが、深いです。

ちょっと話が飛びますが凄く面白かったのは

『もし問題に対する解決策があるなら心配する必要はない。
 もし解決策が無くても心配し続けることに意味はない。』

という話です。
要するに『心配』の必要性は何処にもないのです。
笑ってしまうぐらい明快で気持ちの良い言葉です。

それから
『うぬぼれや傲慢はいつも否定的な結果をもたらしますが、
 健全な自信は肯定的な結果をもたらすのです。』

これも分かりやすいです!

「自信と傲慢の見分け方って難しい!」
って思っていましたが
そうでも無さそうな気がしてきました。

一番面白かったのは、
ダライ・ラマが『自己嫌悪』という概念自体が分からないし、
そう言う言葉を知らなかったという話です。

『自分を嫌うですって?もちろん私達は自分のことを愛しています。』

シンプルです。
でも凄く元気になれる本です。


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