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2022J3リーグシーズンプレビュー④

 2022シーズンのJ3リーグ開幕がすぐそこまで迫っているので、開幕に向けた熱量の向上を手助けすることができれば幸いです。これまでにシーズンプレビューを①〜③まで書いてきましたが、この記事はその続きの第4弾になります。みなさんが昇格候補に予想しているクラブが、この記事に載っていなければ是非関連記事の方から確認してみてください!
 シーズンプレビューもラストスパートです。張り切っていきましょう!

①FC今治

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 クラブのバックボーンがきっかけで知る人が少なくないであろうこのクラブ。元日本代表監督の岡田氏が株式を保有したことも重なり、ぐんぐん力をつけて2019年シーズンにJFL4位以内を達成。この結果を受けてJ3昇格が決まりました。
 J2から愛媛FCが降格してきたことで今季J3で実現することになった『愛媛ダービー』ですが、他地域のダービーとは少し違う雰囲気に包まれる可能性もあると私は考えています。なぜなら、FC今治は2009年から愛媛FCのアマチュアチームとなっており、名称も当時の「愛媛しまなみFC」から「愛媛FCしまなみ」に変更した経緯もあるのです。2012年に愛媛FCから独立して「FC今治」となりますが、この一風変わった背景がダービーの雰囲気にどう影響してくるのか注目したいと思います。
 チームビルディングの観点で注目したいのは、やはり「岡田メソッド」の定着・進化が見られるかというところになってくるでしょうか。昨季はなかなか成績が振るわず、2度の監督交代を経験するシーズンでしたが、今季はオフシーズンに抜け目ない補強策を敢行しました。パルセイロでも戦ったことのある下口選手や高校サッカー選手権でインパクトを残した晴山選手らを期限付き移籍で上位カテゴリーから獲得しました。
 レオミネイロ選手やバルデマール選手、橋本選手、東家選手が契約満了・移籍となりましたが、新戦力としてモハメドアダム選手、マルコス選手らを獲得し、攻撃には新たな色を付けられるタレントが揃っているように思います。
 パルセイロはFC今治に対して、J3通算1勝3分。昨季は2試合ともスコアレスドローに終わりました。2020年は昇格争いのライバルとして接戦を繰り広げ、2021年はお互いに浮上のきっかけをつかみたいライバルとして戦いました。今季も接戦が予想されますが、古巣対決になるキャプテンの水谷と副キャプテンの三田には活躍を期待しています!

②ギラヴァンツ北九州

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 J2から2度目の降格を喫したギラヴァンツ北九州。1度目のJ3リーグでは2018年に最下位を経験するなど、J3の難しさを身をもって知ることになりました。しかし、最下位を経験した翌年の2019年にJ3優勝を達成し、勝負の3年目で見事にJ2復帰を果たしました。2020シーズンのJ2リーグでも復帰初年度ながら大躍進し、5位でシーズンフィニッシュ。ただ、2020シーズンはコロナ禍の特殊措置によってJ1参入プレーオフが行われず、J2残留という結果に終わりました。そうなれば、大躍進したチームにオフシーズンで待っているのは主力選手の大量引き抜きです。J2復帰初年度で結果を残せたからといって、チームの根幹が崩れるような引き抜きに遭えば立て直すことはなかなか難しいはず...。チーム構築に苦戦し、2021シーズンはJ2リーグ21位で終了することになってしまいました。
 ただ、ギラヴァンツ北九州は他のJ2経験クラブと異なり有利な点があります。それはJ2経験クラブとしてJ3優勝経験があるということです。今季J2初参戦の松本山雅FCと愛媛FCはJ3の経験が全くないため、手探りで昇格までの道のりを探さなければなりません。また、SC相模原はJ2を経験したものの出戻りのJ3で結果を出せるかは不透明です。J2の経験が裏目に出る可能性もありますからね。そうなってくると、J3で苦しんだ経験や優勝した経験があることはJ3屈指のストロングポイントと言えるでしょう。
 補強の様子を見ても上位カテゴリーの実績を重ねたベテランよりも、上位カテゴリーの若手であったり、大卒・高卒ルーキーが中心になっています。オフシーズンの動き方もJ3経験が生かされている感があり、注意しなければいけない対戦相手です。
 パルセイロはギラヴァンツ北九州に対して、J3通算2勝3分1敗。かなり拮抗した結果になっています。唯一の敗戦はアウェイゲームなので、開幕戦で勝つことができればスタートダッシュとして最高のものになるでしょう!

③テゲバジャーロ宮崎

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 昨季はJFLからの昇格初年度でありながら、最終節前までは昇格圏内をキープする躍進ぶりでした。J2残留争いをしているクラブからはテゲバジャーロ宮崎の大躍進が輝いて見えていたことでしょう。しかし、最終節が休み節(昨季J3リーグは15チームであり、毎節どこかが休み)であったテゲバジャーロ宮崎は、ロアッソ熊本といわてグルージャ盛岡による逆転昇格を指をくわえて見ているしかありませんでした。
 昇格初年度の躍進で残留となると...そうです。前述したギラヴァンツ北九州のJ3版引き抜きが行われます。優勝争いの原動力であった梅田選手(→水戸ホーリーホック)や藤岡選手(→FC岐阜)が移籍することになり、ストライカーは1から設定する必要が出てきました。
 しかし、後方を支えている代選手やビルドアップの心臓である千布選手の残留には成功しました。元々、システマチックで緻密なビルドアップに特長のあるクラブでしたから、彼らのようなチームの骨格が残留したことは大きな成果と言えるのではないでしょうか。
 新加入選手を見ると、有望株の大卒ルーキーに加え、日本代表経験のある工藤選手を獲得しています。新指揮官には川崎フロンターレの下部組織で14シーズンマネジメント経験のある高崎監督を招聘。JFLからの昇格クラブは本格的な対策がされる2年目以降苦戦する傾向があるので、新指揮官がチームの土台と新戦力をどのように融合させていくかが今季の鍵になってくるはずです。
 パルセイロはテゲバジャーロ宮崎に対して、J3通算1勝1分。昨季のホーム開幕戦、テゲバジャーロ宮崎にとってのJ初ゴールを献上したのはパルセイロでした。昇格クラブとは思えないほどに緻密に構築されたビルドアップにかなり苦戦した記憶があります。また、前半戦も後半戦もvsテゲバジャーロ宮崎後に見事に失速しました。嫌な記憶を吹き飛ばす快勝を期待したいです!

④鹿児島ユナイテッドFC

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 2度目のJ2昇格を狙う鹿児島ユナイテッドFC。2016年にJ3リーグに昇格し、Jのステージに挑戦していくことになりました。この頃の鹿児島ユナイテッドFCを語る上で欠かせないのが藤本選手(現:ヴィッセル神戸)でしょう。J3昇格初年度にSP京都から加入すると、2016年は15得点、2017年は24得点を記録し2年連続でJ3リーグ得点王に輝きました。一足先にJ2に昇格していた大分トリニータに移籍すると、シーズン途中から本領発揮しチーム得点王に輝きJ1昇格に貢献しました。
 クラブとしては絶対的エース藤本選手が移籍した翌年の2018年にJ3リーグで2位を達成し、クラブ創立5年目かつJ3参戦3年目というスピードでJ2リーグに昇格しました。J2初年度は最終節まで残留の可能性を残していましたが、栃木SCに得失点差で上回られ1年でJ3に帰ってくることになりました。(J3からのJ2昇格クラブが降格するのは初)
 今季はクラブのスタイルである攻撃的サッカーに磨きをかけていく方針をとっていく姿勢です。米澤選手や中原選手、八反田選手、五領選手といったチームの柱になり得る主力選手の引き止めに成功し、攻撃の中軸としてロメロフランク選手、守備の要として広瀬選手を獲得しました。移籍や退団、引退でできた穴を埋める的確な補強を進めたオフシーズンと言っても過言ではないと思います。
 経験豊富な選手を補強の中心とし、チームの土台を形成してJ2昇格を目指すことが推測されますが、ベテラン中心補強がどこまで今季のJ3リーグで機能するかにも注目していきたいところです。
 そんな鹿児島ユナイテッドFCに対してパルセイロは、J3通算4勝3分3敗。辛うじて勝ち越していますが、ほぼ五分と捉えて問題はないでしょう。シーズンダブルをしたことがない難敵ですので、その攻撃力に圧倒されずに勝点3を奪取しましょう!

関連記事

・ヴァンラーレ八戸、福島ユナイテッドFC、いわきFC、Y.S.C.C.横浜は
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・SC相模原、カターレ富山、藤枝MYFC、アスルクラロ沼津は
 こちら
・FC岐阜、ガイナーレ鳥取、カマタマーレ讃岐、愛媛FCは
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・松本山雅FCは こちら
・AC長野パルセイロは こちら

まとめ

 いよいよ終わりが見えてきた2022J3リーグシーズンプレビュー。今季昇格を争うライバルについて少しは詳しく知ることができたでしょうか。J3リーグの開幕はもうすぐそこまで迫ってきています。今季のJ3リーグオープニングマッチは『FC岐阜vs Y.S.C.C.横浜』です。いきなりオフシーズンを騒がせた優勝候補の登場ということで、当該クラブ以外のサポーターの方からの注目を集める試合になると思います!
 2022シーズンのJ3リーグも盛り上げていきましょう!対戦する各クラブサポーターの皆さん、今年もよろしくお願いします!!
 ちなみに今回まとめたクラブとパルセイロは以下の日程で対戦する予定です。

vs FC今治→7月10日(H),11月13日(A)
vs ギラヴァンツ北九州→3月13日(A),8月28日(H)
vs テゲバジャーロ宮崎→6月5日(A),7月24日(H)
vs 鹿児島ユナイテッドFC→4月29日(H),未定(A)