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【阿南】新野物語三都市ツアー〜リサーチ・稽古編〜
▲2021年度の活動についてはこちらのマガジンをご覧ください!
NAGANO ORGANIC AIR二年目となる阿南地域では、昨年の滞在で完成した戯曲『新野物語』を引っ提げ、阿南町のPRのために南信地域でのツアー公演を企画しました。
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その稽古・本番のため、7月24日、滞在アーティストである劇作家・演出家の山田百次さんが新野入りしました。
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■「ハラスメント防止ガイドライン」と「リスペクトトレーニング」
稽古1日目はまるはち旅館さんの広間をお借りして、
山田さんから「ハラスメント防止ガイドライン」と「リスペクトトレーニング」についてのお話がありました。
昨年は戯曲の完成から披露まで駆け足で通り過ぎてしまった部分もあったので、改めてツアーを一緒に回っていくチームとなるために価値観を共有していきます。
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相手へのリスペクトを欠かさないことを基本姿勢として、「風通しの良い現場」を作るために、仮にハラスメントがあった場合には周りが指摘しても良いこと、指摘されたら素直に謝罪すれば良いということなどを、山田さんからお話しいただきました。
頭の中に漠然とある「ハラスメント」というイメージを言語化し共有、またそこを起点として様々な方向に話が膨らんでいったことで、各々の現在の想いや価値観をシェアする貴重な機会となりました。
■小・中学生向けの盆踊り講習会
毎年盆踊りの開催前に、小中学校の授業の一環として、盆踊り保存会の皆さんが学校へ出向いて盆踊りの講習を行うとのことで、お邪魔させていただきました。
21時〜24時の間は「子供音頭取り」の時間ということで、子供たちも音頭取りとして櫓の上に登り唄を出します。その予行演習でもあるようです。
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小学一年生から中学三年生までの生徒と盆踊り保存会の皆さんとが一つの円を作ると、その大きさに驚きます。私たちも盆踊り本番さながらの雰囲気を味わうことができました。(本番はこの倍の大きさの円になるそうです!)
また、子供たちと地域の方々が交流し身を以て伝統を伝えていこうという取り組みは、素晴らしいものだと感じました。
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参加させていただきありがとうございました!
■盆踊り特別講義
「昨年は振りを覚えるので精一杯だったから、今年は役の性別や年齢に見合った踊りを身につけたい!」という小原華さんのご希望から急遽、まるはち旅館のご主人で踊りの名手でもある坂井さんにお越しいただき、女性らしい踊りの仕草をレクチャーいただきました。
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坂井さんは女性らしい品を作るのが本当にお上手で、ちょっとした手首の返し方や膝の使い方、扇子をおおらかに舞わせると優雅に見えることなどを教えていただき、大満足の講習となりました。
坂井さんは唄の種類や歌詞の世界観などに合わせて、力強く踏んだり優雅に舞ったりと使い分けているそうです。素晴らしいアーティストです。
■売木村リサーチ
昨年から度々訪れてはいるものの、売木村についてはまだまだ知らないことが多い我々。
今回売木公演を行うにあたって村のことをもっと知りたい、ということで、『新野物語』の出演者かつ、売木村の地域おこし協力隊でもある小原華さんのご案内で、リサーチを行いました。
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図書館で資料を見させていただいたり、村の方に盆踊りについてお話しを聞いたり。
売木村の盆踊りは新野の盆踊りとほとんど同じなのですが、民俗学者によって全国的に知られるようになり形が整えられた新野と比べて、売木村には昔からの形がそのまま、ひっそりと残っているそうです。
図書館から出た後は小原さんの案内で村の中をドライブ。地形を身を以て体感することができました。
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■会場を使わせていただいての稽古
今回稽古場として使わせていただいたのが、「うるぎHalo! -岡田屋-」さん。
売木公演の会場でもあります。
6月にコワーキングスペースとしてオープンしたばかり。
元は「岡田屋旅館」という旅籠で、村の庄屋さんが住まれていた建物だそうです。
中は、綺麗にリノベーションされていると同時に所々に囲炉裏や箪笥など昔の面影が残されており、居心地の良い空間です。
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そして今回は、多くの人々が出入りしていたことを思わせるこの立派な土間をアクティングスペースとして使わせていただくこととなり、
稽古の段階からも快く使わせていただきました。
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江戸時代の庄屋の玄関口が舞台の『新野物語』。
すでに舞台美術が準備されているかのような空間で、自然に物語がこの空間の中に収まっていきます。
また、阿南公演の会場である瑞光院も、公演前日に稽古で使わせていただきました。
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こちらはうるぎHalo!さんとはまた違って仏様の前、抽象的な空間です。
「そのまま魂が天に登っていってしまいそう」と山田さん。
仏様やご先祖様に見守られながら盆踊りについての物語を上演させていただくのだな、という気持ちが強くなります。
新野・売木の皆様の快い協力があり、作品の稽古に集中することができました。
改めて、ありがとうございました!
本番編に続きます!
(文・加藤亜弓)