FGO2024年クリスマスイベでのバグと対応について
この記事は、2024年の12月に始まったFate/Grand Order(以下FGO)のクリスマスイベント「ポホヨラのクリスマス・イブ 夢見るサンタとくるみ割り人形」開催時に起こったバグと、その対応について綴ったものです。
若かりし頃にプログラマだったIT脱落者のアラフィフおじいの記事です。
僕は立場上、ディープなFGOファンとして発言します。
ただ、客観的に今回の対応について、考えてほしいことを書きますね。
まず第一に「運営側は物理的に実行可能なベストを尽くしている」ということについて、お話します。これはあくまで「運営側が実行可能なベスト」であって「ユーザー側が夢見て臨むベストな結果」とは(残念ながら)食い違ってしまうことがあるんです。
FGOは今年で9周年、ソシャゲのなかではかなりの古参、長寿コンテンツです。逆を言えば「約10年前の技術で作られたレトロゲー」でもあるんですね。10年ですよ、10年。10年前は転売ヤーもいなかったしコロナ禍もなかった、10年前の僕たちは「やっべ、来年2015年じゃねwwwwwリアルがエヴァに追いついたwwww」みたいな感じで平和に暮らしていたんですよ。10年前はスマホはあれども、まだまだIT技術の発展途上な時代だったと思います。
その時代に生まれたFGOは、当時の最先端の技術を使った基本システムを元に現在も運営されています。ただ、根っこは10年前のシステムなので、比較的新しいソシャゲよりも古くて不便なんです。アズレンやウマ娘がプレイステーションなら、FGOはファミコンだと思ってください。
つまり「基本となるシステム、コンシューマゲームでいうハード面で古いゲーム」なんです。だから「やりたくてもやれないこと」もあるし「物理的に絶体できないこと」もあるんです。ユーザーの皆様が望んでいる公平な対応は、誰がどれだけ頑張っても無理な「物理的には不可能です、ごめんなさい。だってFGOは古いゲームだから」という話があると思います。
今回、バグで石が大量に配られ、ある手段を用いれば無限に石をもらえる状態になりました。そのこと自体は残念ですが、運営側の対処は最善で、ベストを尽くした結果と解釈できます。何故なら「不正にプレゼントボックスから本来想定されていない利益を取得した者」の特定は可能で、これは(僕は当時FGO未プレイでしたが)ヘラクレスが大量に配布されたさい、それを利と見て活用しようとした方々が垢BANされたらしいので、システム的には可能です。でも「不正にミッションから本来想定されていない石を取得した者」は特定できても「その石で取得した鯖や礼装」を判別することは、恐らくシステム的に不可能なのでしょう。それは全て「普通のプレイヤーが普通に遊んで得た礼装やアイテム」と同じデータ領域に入ってしまって、判別が不可能なのだと思います。
もし、今回のバグで得た石で礼装や鯖を得た人たちからそれを奪うとなると、同時に一緒に「普通に遊んで礼装ドロを得たりアイテムを得た人」の所有物まで一緒に消さねばならなくなるのではないでしょうか。
もちろん、「不正に付け込んで美味しい汁を吸った人間だけが得をしている」というのは、気持ちのいい話ではありません。しかし、そういった人だけを罰する、元に戻すだけのシステム環境が現在のFGOにはないように思えます。理由は単純に、古いゲームだからだと思います。クラシック、古くから運営されてきた名作ゲームゆえの辛さですね。
次に、このバグに対しての対処を決めた人間が誰なのか?それは正直、誰もわかりません。プロデューサーのカノウさんがそう決めたとは、僕は思えないのです。理由は簡単で、カノウさんはあくまで現場監督、FGOというコンテンツを仕切るだけの人間で、そこに自分で資本を投資している人間ではない、投資している人間に雇われている会社員、中間管理職だからです。
少しでも社会で会社勤務、公の組織で働いたりした人間にはわかりやすいと思います。基本的に組織というものは、立場や階級の高い人間に下の者は逆らえません。上の人間は意見を聞いて考慮してくれますが、必ずしも下の人間に完全同意してはくれないのです。同時に、下の意見を無視して自分以上の立場の権益を守る、そういう人間も少なからず存在します。
そして、カノウさんはラセングルの社員でしかなく、プロデューサーであっても中間管理職的な立場から逃れられません。自分が現場のトップとして意見を持っても、実際に経営にお金を出している人間には逆らえないんです。
だから、カノウさんにも一定の責任があるという話は。それはわかりますが…カノウさんはその責任を十分に果たして、それでも意見かなわず現実にはこうなったと解釈する方が健全に思えます。僕はカノウさんの全てを知っている訳ではありませんが、その人となりや今までの実績をかんがみるに、彼ほどFGOを懸命に支えてきた人間はいないようにも思えます。
まず(あくまで僕の経験則に基づく想像ですが)システム的に古いFGOは、そんなに器用なロールバックはできない。常々「宝具演出カットさせろ!」が実現しないのも、一節には宝具アニメーションがダメージ算出と同時に処理されているためだと言われています。真相はわかりませんが、できないものはできないんです。物理的に不可能なことがあるんです。
次に、カノウさんがどれだけユーザーに寄り添っても、経営陣や資本家には勝てません。FGOは基本無料なソシャゲながら、企業が利益を出すために売り出しているコンテンツという側面があるんです。皆様は、責任をとってカノウさんが首になった結果、望んだとおりの補填がなされれば、それで満足ですか?違うと思う方は多いでしょう。組織とは基本的に「下は上に逆らえない」という前提があり、それに逆らえば排除されるしかないんです。カノウさんのみならず、運営スタッフ全員が「平等なロールバックおよび、満足できる補填と謝罪」を望んでいたでしょう。それはしかし、企業の利益優先主義には反するし、そもそも論として物理的に実現不可能だった可能性画あるんです。
今回の対応には、多くのプレイヤーが不満を抱く結果になったでしょう。バグに付け込んで「やったもん勝ち」な話は嫌かもしれません。でも、一つだけ、ちょっとでもいいから「運営はベストを尽くしたんだな」という気持ちの片隅に持ってもらえれば嬉しいです。本当に、物理的に今以上の対応は不可能だと思っています。最近の新しいソシャゲみたいに、ユーザーの要望がホイホイ通ったり、根っこのシステムが劇的に改善されることは、FGOでは非常に難しいんだと思います。
僕からは以上です。
こういう考え方もあるのかー、へー、ふーん、くらいの気持ちでざっくり雑に読んでもらえたら嬉しいです。ありがとうございました。
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