カスタマーハラスメント
『カスタマーハラスメント』という詩を書きました。断捨離で中島みゆきの詩集を読んだからかも
しれません。おヒマだったらメロディーを付けてみてください。
『カスタマーハラスメント』
暗い物しか売っていない店のドアを叩く
「一筋の光が欲しいんです」
「そんな物は無い
あるのは退廃と無念と絶望だけだ」
と店主が応える
どうやら上顧客の要望に合わせた
オーダーメイドの店だったらしい
寂しさや切なさは持っている
「悲しいとか苦しいとか辛いとか
そういう物じゃなくて
扉の奥に隠してある希望の光を出してほしい」
頑なな店主は「そんな物は無い」と言う
「あれは未来に売っているんだ
俺には売る資格が無い」と言う
「傷を舐め合うだけの店なのか」
さらに大きな絶望が私を覆う
同じものを見て 同じ服を着て
同じダンスをするのは
協調性や共感性以外の何物でもない
あの光の向こうで
床が落ちるぐらいの
激しいダンスを自由に踊りたいだけなのに