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241:ほんとのことなんていつも過去にしかない

・思い出に浸るのが好きだ。

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・「君の銀の庭」というKalafinaの曲が好き。
・特に表題の歌詞。

・「あの時楽しかったな」と思うことこそが、生きてて良かったと思う瞬間かもしれないな、と昔からうっすらと感じている。

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・人生とは面白いもので、どういう点で面白いかというと、「同じ日」「同じ時間」などは実は一切存在しないというところ。

・いまの自分は活動的な人間であると思うが、性根は根明ではなく根暗なので、「活動的」の中でも活発・快活な人とは異なると思っている。
・根明な人間の「活動的」は、本能的に活動的なのだ。活動的であるところに理由などない。
・それがその人たらしめる一つのアイデンティティである。

・一方自分は、もともとは活動的ではなかった。
・くよくよしていることを深慮だと勘違いし、一歩を踏み出さない人間だった。

・大学生の頃の活動的な人間との出会いで、「活動的であることの楽しさ」を知ったクチである。

・活動的であると、昨日と同じ今日、今日と同じ明日を過ごしていないことに気づくきっかけとなった。

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・別に活動的でなくとも、同じ日を過ごすことは一切ない。
・ただ、活動的でないとそれに気づくのは中々難しい。
・毎日仕事なんかしていると、毎日同じ時間を過ごしているような錯覚を起こす。

・「同じ時間を過ごしていない」ことに気づいて毎日を過ごしてみると、実は面白いことはそこら中にたくさん広がっている。
・その日の会話。見た景色。仮にそれがスマホの中だとしても、自分のまわりの世界は実は目まぐるしく動いている。

・そんな中でさらに「今日は劇的な一日だった」と思える日を過ごすと、それは思い出となる。
・走馬灯のように、ふとした瞬間に思い出す記憶となる。

・そんな記憶を増やしたくて、おそらく自分は生きているのだろう。

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・ほんとのことを過去に増やすために、誰かが描く遠い庭の我が侭な物語を夢想する。
・そこに向かって、歩みを進める。

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