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246:気づき、そしてまた灰色へ戻る|バンコク出張2025備忘録 #03

・バタバタした仕事もひと段落つき、バンコク出張最終日はフリーな一日となった。

・バンコクでの生活を堪能した。詳細についてはまた別でまとめようと思うが、そんな日を過ごして得た気づきの話。

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・海外出張とは言ってもそれは仕事をする場所が海外であったというだけなので、特段何か得られるものは今回なかったな、と途中までずっと思っていた。
・せっかく違う環境に行くのだから何事かは持ち帰ろうと意気込んでいたものの、結局は空虚な毎日を過ごしているだけだったので、まぁ仕事だしこんなものか…と気落ちしていた。

・しかしバンコク出張最終日、タイの親愛なる同僚かつ友人たちの計らいもあり、バンコクでの休日を堪能させてもらった。
・髪を切ったり美術館的な施設に行ったり温浴施設に行ったり。
・移動も手配してもらう車などではなく、電車を使ったりタクシーを捕まえたり。友人たちと対話をしながら過ごす休日は、とても楽しかった。

タイで唯一のアウフグースが受けられる施設。

・話し足りなかった。たくさん話したが、それでも話しそびれたことがたくさんあった。

・寂しさが残るくらいには、楽しい一日だった。

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・そんな日を過ごしながら、頭の隅っこには翌日から日常へ戻ることへの恐怖も鎮座していた。
・普段から東京──もっと大きくいうのであれば日本社会で会社員をやる生活というのは自分にとってとても息苦しいものであり、またあの常に圧迫感のある状態に戻ることにかなり嫌気がさしていた。

・東京で社会の歯車として、変わらない日々を送り続けるのが嫌だ。死んでいるのと何も変わらない。
・よくよく考えたら、薬を服用しながら仕事をするなど普通の状態ではない。もう数年この生活なので気づいていなかったが、狂っている。

・うだつの上がらない生活、と言うのも口癖になった。

***

・帰った後のことを想像してみると、最初に「つまらない」という言葉が頭に浮かんできた。

・同じ風景をみながら毎日の通勤を繰り返し、同じ作業をする。変わり映えのない日々を思い出すと、だんだんと虚ろな気分になってきた。

・夕方、拾ったタクシーでの移動中そんなことを考えていると、ふとタイ法人の同僚から「タイに限らず、海外で仕事や生活をするのに憧れはあったりするの?」と問いかけられた。

タイでのタクシーの車窓。

・その言葉を反芻しながら少しの時間考え、次のように答えた。

・「海外で仕事をしたいわけじゃないけど、日本での生活を続けたいわけでもない。同じことを繰り返すのはつまらなく感じる。」

・君は海外向きだね、と返された。
・どちらかと言うとそうなのかもしれないが、ただ飽き性なだけで、定住に向いていないのだと思う。

・海外向きというより、日本社会に馴染んでいないという方が正しい。

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・余談だが、その質問をしてきた彼女は「日本の文化が好きで日本語を習得したけど、日本が本社となっている会社で仕事をするのは楽しくなかった」と言っていた。
・激しく同意である。

・翌朝羽田空港に着き自宅への帰路に着くと、通勤ラッシュに見舞われた。
・全員が同じような服を着用し、死んだ目でスマホを見ながら俯いている。

・あぁ、またこの灰色の生活に戻るのか。

・いつかはこのぬるま湯から上がろう。
・自分は飽き性なのだ。いつ何を思いついてもすぐに行動できるような、身軽でいれる環境づくりをこの2025年は頑張ろう。

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