RTA走者が紹介する『A Short Hike』の魅力
まえがき(興味がなければ飛ばしてください)
noteをご覧の皆様、どうもこんにちは。普段はTwitchでRTAなどの配信をしている前髪が長いと申します。
最近、Twitchのレイド機能(自チャンネルの視聴者をまるごと配信中の他チャンネルへ移動させる機能)を用いたRTAイベント『レイドRTAマラソン』にて、本ゲーム『A Short Hike』のタイムアタックを披露できることになりました。
せっかくイベントに参加するなら、A Short Hikeの魅力を最大限紹介したい!ということで、イベント当日にはおそらく紹介しきれないであろう要素の補足も兼ねて、このような紹介記事を投稿することにいたしました。
拙い文章ではありますが、どうぞよろしくお願いします。
『A Short Hike』というゲームについて
本ゲームは、カナダのインディーゲームスタジオ「Adamgryu」が開発した、登山をテーマにしたオープンワールドの探索アクションゲームです。
オープンワールドと聞くと、GTAやゼルダBotW、ポケモンSVやエルデンリングなど、長編の骨太ゲームを思い浮かべる方も多いとは思いますが、むしろ本作はオープンワールドとしては珍しく、1~2時間でエンディングまでサクッと遊べる短編作品となっているのが特徴といえるでしょう。
「短編でサクッと遊べる」とは言っても、ゲームの内容は決して希薄ではありません。心あたたまるストーリーや充実した探索要素・ミニゲームなど、遊べば遊ぶほど楽しみが見つかっていき、そう簡単に遊びつくさせてはくれません。
魅力①:心あたたまるストーリー
本作の魅力として第一に挙げられるのは、心あたたまるストーリーでしょう。
主人公のクレアは、ホークピークの慣れない自然に困惑しつつも、山頂への挑戦や様々な動物との出会いを通じて心身ともに成長していきます。そして、困難を乗り越え山頂にたどり着いたそのとき、そこで「素敵な何か」を体験することになります。
本作のストーリーを織りなすキャラクターたちは、すべて二足歩行で人語を話すデフォルメされた動物たちです。そこから「どうぶつの森」シリーズを連想した方もいるかもしれませんが、実は本作の開発の背景には、「どうぶつの森」シリーズ(とりわけ『おいでよどうぶつの森』)に影響を受けたことが開発者によって明かされています。
その影響もあってか、本作に登場するキャラクターたちは、身も蓋もないことを平気で言い放つようなドライさとどこか愛おしさすら覚えるあたたかさを併せ持った、特徴的な雰囲気を放っています。そのため、ストーリーの根幹には関わらないような何気ない会話ですら、独特の雰囲気を楽しむ魅力的な要素になっています。
短編ということもあって、メインストーリーそのものは短めとなっていますが、探索やサイドストーリーで世界観を楽しみながら進めていけば、エンディングにたどり着く頃には心地よい余韻に浸ることができるでしょう。
魅力②:爽快感あふれるアクション
さて、本作の魅力を語る上で欠かせないのが、爽快感あふれるアクションでしょう。
前述の通り、本作は開かれたマップを自由に探索するオープンワールド形式のゲームです。そのため、マップを探索する上で、プレイ時間の大部分を移動に費やすのはどうしても避けられません。しかし、本作は良好な操作感と様々なギミックのおかげで、移動に関してストレスを感じることは滅多にありません。むしろ、遊んでいるうちに爽快感の虜になってしまい、移動しているだけでも楽しいとすら感じてきます。
主人公のクレアは鳥の少女なので、上の映像のようなスピード感をあふれる滑空を、ゲームを開始したその瞬間から無条件で使うことが出来ます。滑空中はスティックの倒し方次第で速度や飛距離を調整することができるため、慣れてくれば30秒足らずで島の外側をぐるりと一周することすらできるようになります。
他にも、トランポリンの要領で大きく跳ね上がることのできる「ゴムの花」や、島の反対側までファストトラベルできる洞窟など、移動によって生じうるストレスを低減してくれる工夫が随所に仕込まれています。
魅力③:豊富なやりこみ要素
オープンワールド形式のゲームのご多分に漏れず、本ゲームにもやりこみ要素がたくさん収録されています。
複数のミニゲームや実績開放要素、与えられたヒントから隠された宝箱を見つけ出す謎解き要素など、やり込めばやり込むほど新たなアクティビティに出会うことができるでしょう。
他にも、とある作品のパロディ要素をはじめとして、見つければニヤリとしてしまうような小ネタも多数隠されています。ぜひ、隅々までフィールドを探索して、本ゲームの魅力を体感しつくしてください。
魅力④:美しいグラフィック・サウンド
本ゲームはこだわり抜かれたグラッフィクとサウンドも魅力的です。
グラフィックに関しては、本記事に掲載したいくつかのスクリーンショットからも分かる通り、どこか懐かしさを覚えるテイストの3Dグラフィックとなっています。水や風、空や影の表現がとても美しく、デフォルメされた世界観とマッチして独特の雰囲気を醸しています。
そしてサウンドに関しては、まずはBGMがとても素敵です。
これは、単にBGMとして採用されている曲が良いというだけの話ではありません。再生されるタイミングや音量などが状況に合わせて逐一変化するようになっており、ゲームの世界観を深める演出の一つとしてBGMが効果的に機能しているのが感じられます。同様に環境音や効果音も素晴らしく、フィールドを散歩しながら音を聞いて回るだけでも楽しむことができるでしょう。
一つの例として、上に挙げた動画をご覧ください。動画の中では、本ゲームのアクティビティの一つである釣りに挑戦しています。
ウキを投げるとゆっくりとBGMがフェードアウトしていき、鳥の鳴き声や木々のざわめきなどがだんだんはっきりと聞こえるようになってきます。そして魚を無事に釣り上げるとフェードアウトしたBGMが一気に戻ってくる。
魚がかかるのを待つ時間の、だんだんと沈み込んでいくような独特の静けさが見事に表現されていて、私はこの演出が大好きです。
ゲームとしての面白さはもちろんのこと、こういったグラフィック・サウンドの作り込みには製作者様のこだわりが強く感じられます。
RTAについて
「RTA」とは、「Real Time Attack」の頭文字を由来とした造語であり、ゲームソフトなどを可能な限り早くクリアしてみよう、そしてそのクリアタイムを記録して競いあってみよう、という試みです。(海外ではSpeedrunという呼称がより一般的なため注意。)
本ゲームのRTA(※)は、ソフトウェアが発売された2019年から現在にいたるまで継続的に挑戦され続けており、国際的な記録掲載コミュニティサイトである「Speedrun.com」における最も活発な競技・Any%(探索の達成度等を問わず、最速でエンディング到達を目指すルール)には、121人ものプレイヤーが登録されています(2023年1月1日現在)。
本ゲームには、新規ゲームを開始してからエンディングにたどり着くまでの時間をミリ秒単位で計測してくれるタイマーが標準搭載されています。そのため、録画/配信環境さえ用意すれば、複雑な準備をする必要もなく簡単にRTAを始められます。
この記事を読んで『A Short Hike』のRTAに興味を持った方がもしいらっしゃって、なおかつRTAをするにあたってわからないことがありましたら、ぜひ私にご連絡ください。わかる範囲でなんでもお答えいたします。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
レイドRTAマラソンで披露した走りと解説、そしてこの記事によって、みなさまに『A Short Hike』の魅力が少しでも伝われば幸いでございます。暖かいストーリーに爽快なアクション、美しいグラフィックやサウンドなど、何をとっても癒やされること請け合いの名作オープンワールドアドベンチャー、『A Short Hike』をどうぞよろしくお願いします。
本ゲームは現在、複数のプラットフォームで販売中です。以下に対応プラットフォームとストア、値段(税込)をまとめておきますので、少しでも興味が湧いたらチェックしてみてください。
もっと知りたい方は、2020年にNintendo Switch版『A Short Hike』の発売を予告して公開されたこちらの記事もご覧ください。
以下、おまけ
【エイプリルフール】
・昨年のエイプリルフールに開催された、謎のマルチプレイモード「A Short Hike 99」。Discordサーバーでの呼びかけに応じた99人のクレアたちがホークピーク州立公園に集った。
・エモートやチャットの機能もなく、マルチプレイを想定したコンテンツも特に無いため、本当に主人公のクレアがたくさんいるだけ。クレア同士に当たり判定が存在するため、他のクレアに飛び乗ってうまくタワーを作る遊びが流行していた。
【パロディ要素や小ネタのヒント】
・記事内でパロディ要素や小ネタが隠されていると言及しました。そのヒント(というかほぼ答え)を一部紹介します。
・ネタバレ注意です。自力で探して見つけたほうが絶対に楽しいです。
↓
↓
以上です。