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介護が始まるとき、迎え入れた子猫

「そうだ。猫と暮らそう!」

姉が私にそう言ったのは、母の介護がゆるく始まろうとしている今から約7~8年前のこと。

 これから介護で増々時間がなくなるのに猫をお迎えして大丈夫? と、もちろん思いました。しかしそのときの母の症状にどんな脳トレや体操を試しても効果がなく、たどり着いた末の一筋の光。猫好きな私たちは飛びついたのです。

 私と姉には足すと25年くらいの猫との同居歴があり、猫の扱いは慣れていると思っていました。
介護も猫のお世話もきっとなんとかなる!! そう信じて。

 ごあいさつ


はじめまして。絵本作家とライターを志望しておりますアンナと申します。

家族は現在、姉と4匹の猫たちです。今日は4匹の内、初めにわが家に来てくれたキジトラの男の子についてお伝えしたいと思います。
初めて猫をお迎えするときのドキドキ、ワクワクを、一緒に楽しんでいただけるとうれしいかぎりです。

きっかけ


キジトラの男の子を迎え入れたのは母の介護がきっかけでした。
寂しい始まり方ですみません。

母は元々、楽天家で愛嬌たっぷりな人です。そんな母が急に痩せ始め、同時に幻覚や幻聴を口にするようになったとき、私たちは認知症を疑いました。
しかし脳に異常なく、病院では精神的なもの、せん妄と説明があり、お薬を処方してもらえましたが、「少し落ち着いたかな」くらいの効果。

母はもちろんですが、姉も精神的に弱り、私は基本的にワンオペ介護をし、仕事もあるので時間に追われ、疲れていました。

今にして思えばですが、母の持病の膀胱癌が再発していたのです。癌に誘発されて起こったせん妄でしたが、癌が検査で見つからなかったので、母に何が起きているのかさっぱり分かりませんでした。

わが家は母を含めて家族全員が猫好きです。
猫と暮らせば母に笑顔が戻るかも、ついでに私たちも癒されたい! そんな思いから猫との暮らしを選びました。

いっしょに暮らしてくれる猫をさがす日々


私と姉はインターネット上にあるペットの里親募集記事でわが家に迎え入れる子を探しました。
 
まず姉が、私たちの条件に合うかわいい子猫の写真を見つけました。
「この子、よくない?」
そこには甘えん坊な顔をしたミケ猫の女の子が写っていました。とっても女の子らしくてかわいい。
 
けれど私の目は彼女の前を歩くキジトラの男の子に釘付け。そのやる気に満ちた目は元気に飢えていた私にこの子だ! と思わせました。

 「ミケ猫もかわいいけれど、このキジトラの男の子、絶対元気だよ! この子がいいな」
「えっ! 前にミケ猫と暮らしてたからてっきりミケが好みと思ったんだけど。そうか……。男の子は久しぶりね。キジトラも初めてだよね。珍しくていいかも」

このときの私の決定が後々いろんなことを引き起こしますが、そのときは想像できていませんでした。

 さて、第一希望はキジトラの男の子という希望が叶い、里親さまと譲り受けるお約束を交わしました。

 引き渡し日までに私たちは張り切って子猫に必要なものを買いそろえ、完全室内飼育を目指し、ケージを新調。わが家は古い日本家屋なので開口部が多く、ケージなしでは完全室内飼育が難しいからです。こんな鳥籠みたいなものに猫が入ってくれるかしら、と気がかりもありましたが、時代に合わせないと。

猫がくる日


お引き渡し日です。
手のひらサイズの彼は、お母さん猫がいないので全力で力強く泣いています。

 「ごめんね。これからは私がお母さんになるからね」
介護で弱っている家庭に引き取られる彼が気の毒でした。

 このとき、私と姉は妙なことに気が付きます。子猫を手で抱こうとするのに、なぜか彼は上へ上へと力強く登り、ずっと頭の上、もしくは肩にとまっているのです。

「あれっ、猫ってこんなだったっけ?」
私と姉には何か違和感がありました。


ガシガシ登るコハク

 

以前いっしょに暮らしたミケ猫の女の子は「ここにいてね」と言って縁側の石の上に置くと、声も出さずに半日でもじっとしている子でした。彼女の方が珍しいのかな。

その後、家に連れて帰り、母に見せると
「かっこいいね」と母は言い、彼は照れるなぁというように頭を手でかいていましたっけ。

しかし残念ながら、母はそれ以上の関心を子猫に示さず、彼の相手はもっぱら私と姉のみ。母はそれどころじゃなかったのかな。けれども私たち姉妹は十分癒されたよ。

名前はコハク


猫は琥珀(コハク)と名付けました。
コハクは次の朝にはわが家に慣れ、私をお母さんと思ったのでしょうか。後をついてくるようになりました。うれしかったよ。

さて、わが家に慣れてはくれたコハクですが、ケージには全く慣れず、ケージの中に入れると、どこからそんな大きな声を出すの! と思うほどの声で泣き叫び、出せ! 出せ! と訴えるのです。結局1週間も入ってくれませんでした。ケージはすぐにリサイクルショップ行きです。

コハクは私の見込んだ通り、いえ、予想の遥か斜め上を行く元気な男の子でした。

 元気が一番!

これからも猫との暮らしを発信していきます。
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母アンナ
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