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シナリオライター志望によしもとの裏方養成所「YCA」の脚本家コースをオススメする4つの理由

皆さんは「YCA」とは何かご存知だろうか?


YMO
違う違う、それはイエローマジックオーケストラ。

YKK
違う違う、それはファスナー作ったり窓を考えたりする会社。

YMCA
違う違う、それは西城秀樹。正確に言うとYoung Men's Christian Association。日本語訳でキリスト教青年会。


茶番はこの辺にしておいて、YCAとは「よしもとクリエイティブアカデミー」の略で、日本お笑い界のトップを走る吉本興業が立ち上げた裏方スタッフ専門の養成所です。
基本的には「構成作家になりたい」「お笑いライブのプロデューサーになりたい」「芸人さんのマネージャーになりたい」という人が集う場所となります。

実はあんまり知られてないんですが、YCAには脚本家コースが存在します。
シナリオライター志望が門を叩く場として一般的なのは、シナリオセンター、シナリオ作家協会のシナリオ講座などですが…
実はYCAも、シナリオ勉強の場としてはなかなかに貴重な体験ができる、オンリーワンなシナリオ塾なんです。
この記事では現役YCA生である私が、全国100万人のシナリオライター志望に向けて「YCAってこんな面白い場所なんだよ!」ということをプレゼンしたいと思います。



著者プロフィール
・YCA東京3期生 ・東放学園映画専門学校卒
・シナリオセンターの通信講座を3日で辞めるメンタルの持ち主
・現在はフリーでライター業、動画編集などをしている
・とある芸人さん(not吉本)のガチ恋ファンだった時に推しがモデルの登場人物が出てくる自主映画を作った元痛いお笑いファン


ここがスゴいよYCA!


1.吉本ならではのオンリーワンな講義内容


YCAの最たる強みは「絶対に吉本の養成所でしか学べない講義がある」ことではないでしょうか。
その最たる例が「新喜劇台本」「ネタ台本」の講義です。

新喜劇台本の講義では、実際に吉本新喜劇の作家として活躍されている方が講師となって、「新喜劇的な台本の作り方」「笑いどころ・盛り上がりの作り方」などを教わることができます。

ネタ台本の講義では、M-1グランプリ唯一の多人数ユニットとして決勝に進出し、人気コントライブ「月刊コント」の主催者でもあるプラン9のお〜い!久馬さんが講師となり、生徒が書いた漫才・コント台本を添削してもらえます。

皆さんも経験ありませんか? 「今回のお話はコメディにしよう」と思っていざ書いてみたら、肝心のコメディ部分が信じられんほどサムくておもんなかったこと。もちろん私はあります。
「笑える話」ほど書くのが難しいものはない。その点、「お笑い」に関して言えば吉本は他の追随を許しません。何せ新喜劇やコントの脚本の書き方なんて、吉本じゃないと絶対に教わることができない。
シナリオに活かせる「笑い」を学ぶ場として最も適していると言えるのではないでしょうか。

ちなみに他にも面白い講義がたくさんあって、私の一番の推し講義は宝塚歌劇団の演出・脚本を務められている正塚晴彦先生が講師の「ミュージカル脚本」。

他の講義の先生たちは吉本らしく気さくでよくボケる方が多いんですが、正塚先生はあまりにもオーラが圧倒的すぎて吉本っぽさゼロ。イメージでいうと更木剣八が眼帯外した時ぐらいの圧。穏やかに、だが切れ味鋭く課題の問題点を指摘してくださるので、講義中のひりつきがハンパない。だがむしろそこがいい。


2.自分のシナリオを朗読劇にして実際に上演できる


ここが一番のオススメポイント。
YCAには「朗読劇のシナリオを生徒が執筆し、実際にお客さんを入れて上演する」という講義があります。

シナリオ勉強の場に行けば、評価を受けたり、添削してもらったり、本読みをしてもらう機会は多いでしょう。
ですが実際に作品を作り、それをお客さんに見てもらえるところまでやってくれる場というのは、かなり貴重だと思います。
ちなみに前述の「新喜劇台本」の講義でも、選抜された台本を卒業公演として上演しますし、「ネタ台本」の講義でも、若手芸人さんに漫才・コント台本を演じてもらってそのネタを配信するところまでやります。

シナリオは読み物ではなく、作品の設計図にあたるものです。それ単体では何の意味も為さないと私は思います。
自分の書いたシナリオが作品化していくまでのプロセスを踏むこと、実際にできあがった作品を見ることは、シナリオを学ぶ上でとても重要な経験ではないでしょうか。
あと単純に、自分が書いたシナリオが作品になったところ見たくないですか? もちろん私は見たいです。


3.脚本以外の授業もめちゃくちゃ面白い


こんなに面白いYCAですが、脚本家コースを主専攻する生徒数は恐ろしく少ないです。
それも当然、YCAは元来「お笑いの裏方スタッフ」の養成所で、生徒の殆どが構成作家やマネージャーを志す人たちです。
だから当然、講義もお笑いに沿ったものが多いわけですが、これがまあめちゃくちゃ面白い。
内容も創作に活かせることがたくさんあるので、お笑いが好きな人はもちろんのこと、お笑いに興味のない人でも一見の価値ありです。
今回はシナリオライター志望にオススメの、私の推し講義を2つほどご紹介します。(東京校に限ります)


①創作・制作実戦

その名の通り「創作」と「制作」について、その違いから具体的な実践方法まで学べる講義です。
講師は男性ブランコさんの座付き作家であり、ヨネダ2000さんのライブ制作などにも携わっておられる作家・ワクサカソウヘイさん。
創作大好きなライター志望のみんな、「創作」のところに目が行きがちでしょ? 違うんだなこれが。「創作」の話も面白いんだが「制作」の話がとにかく面白い。
じゃあ創作と制作の違いって何なのよ、という話はぜひYCAに入って聞いてください。お笑いを知らなくてもエンタメが好きな人ならば絶対に楽しめる内容です。


②エンタメ基礎講座

前述の授業よりはお笑いに沿った講義ですが、こちらの授業もまあ面白い。
講師は放送作家として数多の番組を手掛け、芸人さんの養成所NSCの講師も務めておられるレジェンド作家・桝本壮志さん。
芸人さんのみならず、バラエティ番組のプロデューサーさん、よしもと所属のマネージャーさんなどをゲストに、エンタメ業界ではどのような人材が求められているか?というお話を伺えます。
どんな雰囲気なのか知りたい!という方はYouTubeに上がっている「芸人、母校へ帰るシリーズ」をご覧ください。殆ど全く一緒の雰囲気です。講義っていうかもはやトークライブ。桝本さんに至っては講師というかもうMC。

他にもお笑いライブや番組企画の制作を学べる講義、月替わりで芸人さんに来ていただいて講師をしてもらう講義など、内容は多種多様です。
授業の一環として「YCA学園祭」と銘打ったお笑いライブを開催するものもあり、お笑いファンとしては垂涎ものですジュルリ。


4.先輩や同期ができる


吉本=上下関係が厳しい、というイメージを抱いている方は多いかと思います。実際そういう面は確かにあります。
それと同じくらい横の繋がり、すなわち「同期の繋がり」が強いのも吉本の特長かと思います。

私がYCAに入った理由は「脚本の勉強をし直したかったから」「お笑いが好きだから」なのですが、もうひとつ大きな理由として「人脈を作りたかった」というものがあります。
現実的な話、フリーとして「仕事」を得るにあたって、絶対に人脈があった方が得ですよね。
ビジネスライク的な言い方をすると、YCAとは「先輩」「同期」という「人脈」を得ることができる場なんです。

今できた人脈が未来の仕事につながることがあるかもしれない。
知らんプロデューサーの知らんセミナーとか、知らんライターの知らん飲み会とか、知らん劇団の知らん打ち上げに行くよりも、YCAで学ぶことの方がずっと楽しい人脈作りです。

事実、YCAに入ったことで芸人さんのYouTube編集に携わったり、お笑いの界隈の方に「自分こんなことができます」とアピールできる機会が増えました。
家族と企業の公式アカウントからの通知しか来なかったLINEが、今ではフル稼働しています。
入学当初の目的は十分に達成したので、この人脈をどんどん広げてお笑い関係のお仕事をじゃんじゃん獲得することが当面の目標です。

こういう書き方をすると私が損得でしか人付き合いしない冷血漢みたく見えますが、そんなことないですからね!ホントダヨ!
ただ単純に、自分が大好きなお笑いという世界の中に入って、自分が好きだと思える人とお仕事がしたいだけなんです。


ここがどうなのYCA!?

良いところだけ挙げて悪いところは挙げないのはフェアじゃありませんので、YCAに入学するにあたって壁となるであろう問題点もいくつか挙げていこうかと思います。


1.学費

まず一番は学費の問題。
シナリオセンターの作家養成講座が入学金併せて96,800円、シナリオ作家協会の基礎科講座が93,500円(研修科が124,300円)なのに対して…
YCAはきっかり500,000円。まぁーーーなかなかエグめの買い物です。
シナリオだけ学びたいという人にとっては、だいぶ敷居が高いのもやむなしですね。

とはいえ、1年間かけて学べて、前述の通り自分の脚本を舞台化するところまで出来ることを考えたら、そんなに高い買い物という気もしなくなってきません?
場所代やら、出演者へのギャラやら、広告費用やら何やらを考えたら、自分1人で実現させようとすると50万では済まない可能性の方が高いです。
シナセンや作協講座も通い続ければ受講費が50万を越えることもありますしね。一応、授業料と施設使用料はローンも組めるので、入学金115,000円さえ一括払いできれば入学することは可能です。


2.脚本家コースは大阪校のみ

YCAは東京校と大阪校に分かれているのですが、脚本家コースがあるのは大阪校のみで、東京校の生徒は自ずとリモートでの受講となります。
そのため、前述の朗読劇や卒業公演もすべて関西圏で行われます。脚本を手掛けるからには絶対に見に行きたいですが、入学時に50万を失った懐には交通費がなかなかキツイ…。

まあこれは言い換えれば、全国どこにいても講義を受講できるというメリットでもあります。
実際、地方から講義を受けている生徒もかなり多いですし、対面でもリモートでも得られる評価は平等です。私は東京校の生徒なので常にリモート受講ですが、そこに差を感じたことはありません。
もしこのnoteを見て脚本家コースを専攻する生徒が増えたら、東京校にもコースが新設される…なんてこともあるかもしれません。
あ、事務局!その時は私アシスタントやりますので!ぜひぜひお声がけください!(仕事くれくれアピールTIME)


3.初心者向けとは言い難い

シナリオの形式を1から教えるような完全初心者向けの授業は、ぶっちゃけありません。
柱を立てる、ト書きは二段(シナセン形式だと三段)開ける〜みたいなことを教わるよりも、「とりあえずプロット書いてこようか」「とりあえず台詞書いてみようか」という風に進んでいきます。

これも言い換えれば、形式なんてものは二の次、制作物の中身を見て評価するスタイルを取っているということです。
形式のことで何か言われたとて、せいぜい「読みにくいから縦書きにして」とか「文字もっと大きく」程度の指摘しか聞いたことがありません。
人によっては「むしろこっちのスタイルの方が性に合う」ということもあるでしょう。

ちなみに形式を問わないのはあくまでシナリオだけです。お笑いの構成台本についてはめちゃくちゃ厳しく指摘されます!そこだけお間違えのないように!


最後にどうしても伝えたいこと


ここまで色々書いてきましたが、「結局シナリオ塾としてどれくらいのレベルなのよ?」ってことですよね。
それを確かめる絶好の場があるんですなこれが。
2023年11月27日〜28日に神戸の三宮シアター・エートーにて、YCA presents 朗読劇「大人になろうか!」が上演されます!


これは前述したYCA生の書いたシナリオによる朗読劇です!
シナリオの勉強がしたいけど、どこを受講しようか迷っているそこのあなた!
YCAが普段どんなことをしているか、是非ともその目で確かめにきてください!
以上、現役YCA生によるダイレクトマーケティングでした!

※このnoteはあくまで一生徒が自主的に執筆したものです。なのでYCAの事務局にバレて怒られたら消します。

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