米国株はバブル状況?


【NASDAQ100の長期チャート 現在と過去】

昨年に極端に上がったQQQ(NASDAQ100に連動するETF)を見ていきます。
QQQの構成銘柄はGAFAやテスラを含むNASDAQの金融を除く大型100社です。

この長期チャートを眺めると、昨年からの上昇が気になります。

最近、上昇スピードが加速しています。特にコロナ以降は明確に加速しました。ですので、これを見ていきます。

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出典

チャートだけ見ていると、そろそろ天井なのでしょうか?
・・と素直に思ってしまうので、少し頭の整理してみました。

上のグラフの左側に目を移すと、2000年付近の小さい上昇があります。
これがドットコムバブルです。

この小さな山は、よく見ると実は恐ろしい値動きです。
QQQは2000年3月ころに当時のピークの114ドルを付けました。
そこから下落が始まり、おおむね1.5年後の2002年の10月に25ドルくらいまで80%下落してます。

その後、QQQが2000年のピークの水準に戻ったのは、
実に15年後の2015年。

もしピークで投資していたと仮定すると8割損して、
15年後にようやく戻る。考えただけで心が折れます。

【ITバブル(2000年)時に何が起きていたのか?】

以下wikiから
「1995年から2000年3月のピークまでの間に、ナスダック総合 指数は400%上昇しましたが、2002年10月までにピークから78%下落し、当該期間の上昇分をすべて帳消しにしました。バブル崩壊の過程では、多くのオンラインショッピング企業(Pets.com、ウェブバン社、およびBoo.comなど)や、通信会社(ワールドコム、ノースポイントコミュニケーションズ、およびグローバル・クロッシングなど)が破綻しました。Cisco、 Amazon.com、Qualcommなどのいくつかの企業は、時価総額の大部分を失いましたが、生き残りました。」

出典

当時のPERを調べたら以下の数字が出てきます。

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出典) 

ドットコムバブルは、恐ろしい状況だったようです。当時のNASDAQ100の平均PERは190もあったのです。

ついでに、ドットコムバブルの時のクアルコム調べてみました。

ドットコム・ピーク頃のPERを調べてみると1382.29!。
このPERシビレます。

いまでは、5Gど真ん中の巨大企業になっているので良いのでしょうが、
クアルコムの株価の歴史を見ると、テスラが不安になります。

本題に戻ります。

【いまは、バブルなのか?】

ざっと見た通りドットコムバブルは、いまとは比べ物にならないくらい異常な状況でした。

2000年のPERが190でしたので、同じ収益力で8割下落したとすると、
想定PERが40まで落ちます。

この想定PERの水準は、今のPER水準と同じです。
なんとなく今の株価が正当に聞こえます。

でも、そうとも言い切れません。

下のデータの青い線は、過去150年のS&P500のPERです。
現在の40倍は、歴史的には非常に高い水準です。

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コロナ禍で、一株当たり利益が3割ほど減っていることで、PERが高くなっている側面もあります。


コロナ前の一株当たり利益に戻ることを仮定すると、PERは28ぐらいに減じます。

いずれにしても高い方のレンジに入っていますが、
極端に高い状況には見えません。

この150年の平均的なPERは15くらいでしたので、今の水準は2倍近いの価格なのですが、この150年平均の水準との比較で、非常に高いと判断するのはは少し違うと感じています。

同じグラフのオレンジの系列データは、過去20年平均のPEレシオを入れております。現在の過去20年の平均は概ね25倍です。

この20年平均のPEレシオを長期で見ると、1990年以降に上昇しています。

背景には、低金利化の影響が大きいと考えます。
この時期からの低金利により、すべての資産価格の価格水準が上昇したと思われます。

金利が上昇するとPERも近年の水準より減ずる可能性がありますが、
金利上昇には、現在の低インフレの状況が変わる必要があると思いますので、当面は発生しないのではないかと考えます。

日本のデフレ&低インフレも「しつこい」ですが、世界中の低インフレも、構造的な要因が背後にあるので「しつこい」と思います。

いずれにしても、価格水準は高いレンジではあるものの、
「危機的なバブル水準にはなっていない」と感じています。

2-3割の調整はあるかもしれませんが、私は継続的に米国株への投資をしています。

積極的に米株への比率を増加させるつもりはないのですが、定期的な積み立ても継続させています。


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