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聴覚STから学ぶー聴覚検査-

どうも!!!
長洲ヒアリングの宮田です!!!

今回は、純音聴力検査について、基礎と実践の2つに分けて書いていきたいと思います!
これから聴力検査の業務に就く方や聴覚分野への道を進みたい方だけではなく、言語分野の言語聴覚士さんにも読んで損は無い内容となっております。

後半に、聴力検査がない環境で行える工夫を紹介していますので、ぜひ活用してみてください。

それではいってみましょう!!!

【基礎】

①   検査の手順

 まずは、検査の手順について確認していきます。より詳しい手順については「聴力検査の実際」などの参考書を読み、ある程度の流れを頭に入れておくとよりスムーズに検査ができます。

 また、手順というと、「きっちりとその順番を守らないといけない」と思われますが、今回の話に限ってはそうではなく、「より正確な結果を求める」という事を念頭に置いて読んでください。

それでは、手順とその簡単な説明を書いていきます。
≪手順1≫
『被験者への挨拶』
 →はっきりとした声、柔らかい表情で挨拶をします。患者様の緊張を少しでも和らげることを意識してください。

≪手順2≫
『主訴などの聴取』
 →聞こえに関して、どのような症状がいつから出ているかなどを聞きます。カルテで事前情報があったとしても、コミュニケーションの一環として聴取してみてください。

≪手順3≫
『検査の教示と練習』
 →検査の方法をしっかりと理解し、正しく行ってもらえるように説明と練習を行います。

≪手順4≫
『気導の測定』
 →まずは、気導閾値を測定していきます。手技については、参考書や所属病院で教わる方法をベースに行ってください。

≪手順5≫
『骨導の測定』
 →気導を測定後、骨導閾値を測定します。手技については、気導の時と同様です。

≪手順6≫
『結果の照合』
 →測定した結果と患者様の主訴を照らし合わせ、明らかな違いが無いかを確認します。「ん?これはちょっとおかしいな」と思う事があれば、時間が許される範囲で、気になる箇所を再測定してください。

≪手順7≫
『被験者へのケア』
 →検査後は緊張などで疲れます。被験者には「お疲れさまでした」などの声掛けを行い、マイナスなイメージで終わらないようにケアを行ってください。

②   教示の方法

教示の方法については、参考書を基本として、実際に私の行っている内容をお伝えします。

まず、3つの意識してほしい事があります。

1 簡潔な内容を
2 伝わりやすい方法で
3 工夫しながら説明する

 なぜ、このような事を意識するのか?それは、検査を受ける方の多くは、聞こえに関して何らかの症状を抱えている方が多いからです。特に高齢者に多い「加齢性難聴」では、言葉のききとりや、認知機能の低下が考えられます。そのため、だらだらと節目の無い説明を行っても、正しい理解が得られず閾値とは、かけ離れた結果になる可能性があります。

 教示内容で重要なポイントは、①小さい音でも聞こえたら反応をしてもらう②ピッピとかプップといった様々な音が聞こえる、という2点です。実際に行なっている説明が下記になります。

実際に行っている説明内容
「(会話や情報収集後)では、音のきこえを調べます。ピッピッピとかプップップみたいな音が聞こえますので、小さい音でも聞こえたら、このスイッチを押してください。」

 内容としてはとてもシンプルですが、これでもなかなか伝わりにくい場合があります。そんな時は、以下のスラッシュのようにしっかりと区切りながら、伝えてみましょう。

 「(会話や情報収集後)では/音のきこえを/調べます。/ピッピッピ/とか/プップップ/みたいな音が/聞こえますので、/小さい音でも/聞こえたら、/このスイッチを/押してください。」

 さらに伝わりやすい方法として、文字での提示や、ジェスチャーを織り交ぜれるような対応ができれば良いですね。

③    レシーバの当て方

 レシーバの当て方は、実際の現場では非常に重要なポイントだと感じます。特に一般的に使用されているヘッドホンでは、当たり方により結果に大きく影響します。文字だけで説明するのはとても難しい部分ですが、これについても意識してほしいポイントを書いておきます。

1 外耳道の入り口とレシーバの真ん中(音が出る部分)をしっかりと対応させる
2 ヘッドホンで、髪の毛などを挟まないようにする
3 ヘッドホンのズレは、容易に(特に)低音域への影響(悪化)がある

              
以上のポイントを意識しつつ、できるだけレシーバを正しい位置に配置できるよう練習してみてください。

④    マスキングの意味
 聴力検査の最大の難関と(恐らく)言われている「マスキング」についても触れておきます。

 マスキングについては、「適切かどうか自分で体験する事が難しく、また数字もたくさん出てくる」という事が、難しさを感じる要因だと思います。そんなマスキングですが、「なんでマスキングが必要なのか?」という理解と、「このマスキング量は、少なすぎないか(or多すぎないか)」を考える事が大切です。

 マスキングが必要な理由については、「陰影聴取を防ぐため」というわかりやすい理由があります。陰影聴取とは、非検査耳で音を聞く事を言います。気導検査と骨導検査では陰影聴取を生じる音の大きさが異なり、その音の量を「両耳間移行減衰量」と言います。(大まかな値は参考書やネットで調べて下さいね!)

 マスキングの量が、適切かどうかは気導の聴力検査結果(オージオグラム)によって変わります。例えば、聴力閾値が50㏈の耳にマスキング30㏈だと少ないですし、聴力閾値が30㏈の耳にマスキング100㏈は多すぎるといったイメージです。

 プラトー法など、マスキングの方法については、参考書などをしっかりと読み、理解しておくことをお勧めします。

 ちなみにマスキングをかける場合に実際に行っている説明は、「今からザーといった雑音が聞こえますが、それは無視しておいてください。ピッピッピとかの音が聞こえた時だけ、押してください」です。

 基礎のお話はここまでになります。ここからは、自身の経験を踏まえて応用編として書いていきたいと思います。

【応用】

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