「良いもの」が分かるために
世の中には当然ながら「良いもの」と「悪いもの」があって、本なら「良書」や「悪書」と言うし、受験なら「良問」と「悪問」あたりがそれだろうか。
私たちはなるべく損をしたくないから、どうしても『良いもの』を早く手に入れよとしてしまう。
けど、そんなの不可能なのだ。
昨日、プラハの国立劇場に行ってきて
久しぶりにオペラを見てきた。
以前何度かハンガリーで観覧しているのだが、セットの作り込みや照明はプラハに軍配であろう。キャスト1人あたりの勢いはハンガリー。音楽は同じくらい。一幕見るだけでも必ず差というものにすぐ気付く。
そうしたうちに「この演出良いな」というリストが溜まっていき、もしかすれば20年後くらいに生きているかもしれない。
批評家の小林秀雄が『美を求める心』にて、「絵の見方を知りたければとにかくまずは数を見ることだ」と書いていたが、私たちにはやはり【経験】から学ぶことがかなり多いのだろう。
なので、「良いもの」に出会おうと思ったらまずは色々見てみないといけない。決して失敗を恐れず最初の10回くらいは捨てるような気持ちで何事もチャンレンジしてみるのが良いのだろう。
実際、僕も近頃はビジネス系の書籍など「これは良い本だな」と分けることができる訳だけれど、それまでにブックオフで300冊ほど買って250冊ほど売った気がする。結構な数失敗したのだけは頭に強く残っていて、それのおかげで本に対するセンスは少しついた。
良いものに出会うための第一ステップとして初期投資が必要なのであって、この段階で無理やり吸収しようとするのも難しい話である。なぜなら、何が良いかということを大して分からないのだから変なものを吸い込んでもいけない。
『良いもの』とは
口で言うほど簡単じゃないのである。
では、また明日
長濱(2024.5.9)