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vol.12 チーム紹介特集「物流2024年問題に挑む - スポット配送から考える地域物流の未来」

ナガチャレプラスについて

ナガチャレプラスとは、長崎市内の地場企業・県内外の事業者・U/Iターン・学生などあらゆる人がオンライン上の「バーチャル長崎」に集まり、オープンイノベーションを取り入れることで新規事業の創出を目指すプログラムです。

https://nagachalle.com/

ナガチャレプラスから生まれたプロジェクトをご紹介します。

プロジェクト概要

「スポット配送の依頼をよりスムーズにする仕組みを作る」

2024年問題という言葉を聞いたことはありますか?

物流業界における2024年問題とは、2024年4月から「働き方改革」によりトラック運転手の長時間労働が制限され、残業時間年間960時間以下という上限が設けられたことによる様々な影響のことを指します。

これにより、配送遅延や物流コストの増加など、物流業界全体の供給網(サプライチェーン)に大きな影響を及ぼす可能性があります。

こうした背景の中、物流業界の課題の1つが、突発的に発生するスポット配送の依頼に迅速に対応することです。

物流の問題は企業だけの課題ではなく、私たちの生活にも密接に関わるものです。

例えば、今まで運べていたものが運べなくなれば、日常の買い物や飲食にも影響が出てきます。

長崎は豊富な食材で有名ですが、物流の停滞により、神聖な魚や農産物が適切に届けられなくなる可能性もあります。

こうした課題に対応するためにも、スポット配送の仕組みを見直し、より効率的なシステムを構築することが求められています。

しかし、多くの物流事業者は定期便の運行を主軸としており、スポット案件に対して十分なキャパシティを確保するのが難しい現状があります。

現在は、対応しきれない案件が発生した場合、既存のネットワーク内の物流会社に電話で依頼をかける寳保が一般的です。

しかし、この方法では対応できる範囲が限られ、依頼先が見つからないことで機会損失が生じたり、スムーズな取引が阻害されるケースも少なくありません。

このプロジェクトでは、こうした課題を解決するために「スポット配送の依頼を適切な物流会社へ迅速に回せる仕組み」の開発に取り組んでいます。

解決策の方向性

従来の求貨求車のマッチングとは異なり、今回の取組では「実際に受託したスポット案件を他の物流会社へ適切に依頼する」仕組みを構築することに重点を置いています。

例えば、システム上で荷物情報を登録し、対応可能な物流会社がオファーできる仕組みを作ることで、従来の電話やFAXによる手配をデジタル化し、迅速な依頼が可能になります。

さらに、取引の透明性を高めるために、価格の設定ルールや品質基準をシステム内で明確化し、適正な取引が行われるような仕組みを整備していきます。

このようなシステムを導入することで、

  • 物流会社はスポット案件をスムーズに処理できる

  • 荷主は適切な物流事業者を確実に見つけられる

  • 業界全体の効率化が促進される

といったメリットが期待できます。

今後の展開

現在、課題の精緻化やプロと大部の検討を進めており、実証実験を行う予定です。

今後は県内の他の事業者にも活用いただけるよう、システムのブラッシュアップを進めていきます。

メンバー紹介

佐藤 隆史(長崎雲仙運輸株式会社 専務取締役)

長崎県で大型トラック長距離輸送の事業をしております。日々感じる自社の課題が他の運送会社と共通するのではないかと思っていたところ、ナガチャレプラスに出会い、その課題の解決するため参加することにいたしました。2024年問題は運送業界にとって新たなスタートとなります。「ものが運べなくなる」と言われていますが、経済の血流を絶対に止めてはいけないという責任感で現場の社員一同真剣に取り組んでおります。これからも社会の皆様に日常の当たり前を支えていけるよう、様々な課題に挑戦していく所存でございます。
https://www.unzen-exp.co.jp/

中村 星斗(株式会社シーエーシー 新規事業開発本部)

東京のIT企業で新規事業を担当していますが、都内では業界や地域が固定化されがちで、視野が狭くなってしまいがちです。ナガチャレプラスでは、普段関わることのない業界や地域の方々と交わりながら、新たな視点で課題解決に挑めるのが魅力です。物流業界にはなじみがありませんでしたが、佐藤さんの熱意や末松さんの鋭い視点とともに、何か形にできるよう取り組んでいきたいと思います。

末松 正和(ONE DEJIMA株式会社)

昨秋、転職に伴い本格的に長崎県で移住生活を始めました。自分自身は新規事業立ち上げのリアルな経験はありませんが、ナガチャレプラスでは長崎を起点に新たな視点で新規ビジネスプランニングの勉強ができるのではないかと思ったのが参加の理由です。今回物流チームでは「運送業の2024年問題」という世間でもスポットライトが当たっているテーマに取り組んでいます。課題が大きいだけにフォーカスが定まらず議論が行き詰まることも多々ありましたが、そんな時に見事に整理してくださる中村さん・佐藤さん、両名には大変感謝しております!ぜひこの目でこのビジネスプランがどう成長していくか見届けたいと考えています。

左から(中村さん、佐藤さん、末松さん、斎藤さん)
※斎藤さんは全般的なアドバイス実施


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